5月の新刊:『金井美恵子の想像的世界』

2011年 5月 18日 コメントは受け付けていません。

kanai_mieko芳川泰久

金井美恵子の想像的世界

四六判上製280ページ/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-835-5 C0095 5月25日頃発売


惑溺する、<水>のエクリチュール

言葉に対する鋭敏な感覚により、常にこれまでの文学史や社会制度を
戦略的に転覆してきた作家、金井美恵子。小説内に頻出する
「水」、「皮膚」、「不在」といったモチーフから、
作家の世界観を鮮やかに浮かび上がらせる、本邦初の金井美恵子論!



目次

はじめに

序論〈不在=現前〉論


一 水・蜜・桃 テクストの聖痕
二 水の誘惑 柔らかな強度
三 水=文字、猫の舌の描く


四 それは“あ”からはじまる
五 書くことの苛立ち——『岸辺のない海』を読む
六 羅列と反復 統辞論的な失調について


七 悪意に充ちた接近の危うさ
八 一義性を揺らす分裂的な強度
九 穏やかで不穏な隣接の試み


十 〈〈声を包む〉声を包む〉声を……——『恋愛太平記』を読む
十一 あふれでる繋辞領域——『柔らかい土をふんで、』を読む
十二 記憶的・映像的・編集的——『噂の娘』を読む

あとがき

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