6月の新刊:都市のコラージュ——美術・生活・歴史
2025年 5月 30日 コメントは受け付けていません。
都市のコラージュ
美術・生活・歴史
坂上桂子(編)
判型:A5判上製
頁数:333頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0877-9 C0052
装幀:齋藤久美子
6月下旬発売!
都市は生きている
都市とは、人々の営み・記憶・文化が織り成す動的な現象である。
人々が土地を切り拓き、立ち止まり、交わり、住み着き、また通り過ぎゆくなかで、歴史は絶え間なく堆積し、都市の姿が立ち上がる。市場、街路、家屋、銅像、石板、詩篇、雑誌、Web画像、グラフィティ、シアター、モニュメント……さまざまな形で刻まれた都市の断片を読み解く試み。
【目次】
はじめに
第1部 都市と社会・人々・生活
都市と国土――国土学アラカルト
大石久和
高層マンションは大震災リスクにどう向き合うか――首都圏郊外S市Y地区を事例として
長田攻一
地域・関係性・象徴的意味――都市的生活世界の軽さと重さ
山田真茂留
第2部 都市と暮らし・地域・文化
芸術文化活動と市民的参加
小藪明生
呼吸する都市――ライデンで再発見するアジア
金敬黙
身体と自転車の間の美的関係の尺度――ベルギー/フランス/スイスにおける自転車雑誌の分析(1995-2020)
クレール・ペルグリムズ
第3部 都市と構想・デザイン・建築
人々が出会う場所をつくる――劇場という「小さな都市」におけるアートと人の関係性に着目して
古谷誠章
ザハ・ハディドとシュプレマティズム――建築とアートの接近
藤井由理
インターネット上の風景写真から「地域イメージ」をあぶり出す
山村崇
モーリス・アルヴァックスによるパリの街路の研究
池田祥英
第4部 都市と美術・文学・歴史
古典古代の文学作品に見られる都市描写――ホメロスの場合
宮城徳也
画像石にみる古代中国の町並みと営み――鉄剣鍛造の作業風景を中心に
楢山満照
都市のイメージ――ソウル/パリ/東京にみる都市空間を彩るアートとモニュメント
坂上桂子
東京のグラフィティ――「TOKYO 2020」以後
小川綾子
謝辞
【編者・執筆者について】
坂上桂子(さかがみけいこ)
早稲田大学文学学術院教授。都市と美術研究所所長。専攻は、美術史。主な著書に、『ベルト・モリゾ ある女性画家の生きた近代』(小学館、2006年)、『ジョルジュ・スーラ 点描のモデルニテ』(ブリュッケ、2014年)、『近代都市と絵画――パリからニューヨークへ』(編著、水声社、2024年)などがある。
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大石久和(おおいしひさかず)
日本建設技術協会会長、国土学総合研究所所長(オリエンタルコンサルタンツ最高顧問)。都市と美術研究所招聘研究員。専攻は、国土学。主な著書に、『国土と日本人――災害大国の生き方』(中央公論新社、2012年)、『国土学――国民国家の現象学』(共著、北樹出版、2016年)などがある。
長田攻一(おさだこういち)
早稲田大学名誉教授。都市と美術研究所顧問。専攻は、社会学。主な著書に、『対人コミュニケーションの社会学』(学文社、2008年)、『〈つながる/つながらない〉の社会学』(共編著、弘文堂、2014年)などがある。
山田真茂留(やまだまもる)
早稲田大学文学学術院教授。専攻は、社会学。主な著書に、『集団と組織の社会学――集合的アイデンティティのダイナミクス』(世界思想社、2017年)、『災禍の時代の社会学――コロナ・パンデミックと民主主義』(共編著、東京大学出版会、2023年)などがある。
小藪明生(こやぶあきお)
早稲田大学文学学術院助教。都市と美術研究所招聘研究員。専攻は、社会学。主な著書に、『ソーシャル・キャピタルと社会――社会学における研究のフロンティア』(共著、ミネルヴァ書房、2018年)などがある。
金敬黙(キム・ギョンムク)
早稲田大学文学学術院教授。早稲田大学韓国学研究所所長。攻は、アジア地域研究。主な著書に、『越境するNGOネットワーク――紛争地域における人道支援と平和構築』(明石書店、2008年)、『日韓スタディーズ1 新たな研究と学び』(共編著、ナカニシヤ出版、2024年)などがある。
クレール・ペルグリムズ(Claire Pelgrims)
ブリュッセル自由大学/ギュスターヴ・エッフェル大学(フランス)研究員。都市と美術研究所招聘研究員。専攻は、都市計画、建築。主な論文に、“Tension between Fast and Slow Mobilities: Examining the Infrastructuring Processes in Brussels (1950-2019) through the Lens of Social Imaginaries” (Transfers, 9(3)) などがある。
古谷誠章(ふるやのぶあき)
建築家。早稲田大学栄誉フェロー。都市と美術研究所招聘研究員。1986年に文化庁芸術家在外研究員としてスイスの建築家マリオ・ボッタの事務所に在籍。1994年にNASCAを設立。日本芸術院賞、日本建築大賞ほか受賞多数。主な著書に、『建築家っておもしろい 古谷誠章+NASCAの仕事』(文屋、2014年)、『NOBUAKI FURUYA、 179 WORKS 1979-2013』(建築メディア研究所、2014年)などがある。
藤井由理(ふじいゆり)
建築家。早稲田大学理工学術院総合研究所研究院客員教授。都市と美術研究所招聘研究員。専攻は、建築計画、建築理論。主な論文に、「ル・コルビュジエのロンシャンの礼拝堂にみる建築空間の特質――ピュリスム絵画の分析と感覚を誘発する方法を通して」(学位論文、早稲田大学、2021年)、主な建築作品に新宮島邸などがある。
山村崇(やまむらしゅう)
東京都立大学准教授。都市と美術研究所招聘研究員。専攻は、都市計画学。主な著書に、『東京大都市圏における社会経済構造の変化に伴う郊外産業圏域の変容』(早稲田大学出版部、2015年)、『無形学へ』(共著、水曜社、2017年)などがある。
池田祥英(いけだよしふさ)
早稲田大学文学学術院准教授。都市と美術研究所研究員。専攻は、社会学史、犯罪学。主な著書に、『タルド社会学への招待』(学文社、2009年)、主な訳書に、ガブリエル・タルド『模倣の法則』(共訳、河出書房新社、新装版、2016年)などがある。
宮城徳也(みやぎとくや)
早稲田大学文学学術院教授。都市と美術研究所研究員。専攻は、西洋古典学。主な著書に、『はじめて学ぶラテン文学史』(共著、ミネルヴァ書房、2008年)、主な訳書に、『ローマ喜劇集4』(共訳、京都大学学術出版会、2002年)などがある。
楢山満照(ならやまみつてる)
女子美術大学准教授。都市と美術研究所招聘研究員。専攻は、東アジア美術史。主な著書に、『蜀の美術――鏡と石造遺物にみる後漢期の四川文化』(早稲田大学出版部、2017年)などがある。
小川綾子(おがわあやこ)
東京都江戸東京博物館学芸員。都市と美術研究所招聘研究員。専攻は、表象文化論。主な著書に、『木下佳通代、沢居曜子、辰野登恵子/70年代――不毛なもの、その先に』(共著、ユミコチバアソシエイツ、2024年)などがある。
【関連書】
危機の時代からみた都市 坂上桂子 6000円+税
近代都市と絵画 坂上桂子 4000円+税
芸術を知らぬ建築家たちへ ウィンダム・ルイス 2500円+税
リベラルアーツと芸術 石井洋二郎+鈴木順子編 2500円+税