水声通信*第32号
2009年 12月 2日
『水声通信』第32号
A5判並製160頁/定価=2000円+税/装幀=宗利淳一+田中奈緒子ISBN978-4-89176-752-5 C0090 12月10日頃発売!
特集=ジャン=ピエール・リシャール
リシャール「ロラン・バルト 最後の風景」
(芳川泰久+堀千晶訳)*全訳は小社より近刊予定
リシャール「幸福な身体 流れるもの」(山崎敦訳)ほか
*下の目次はクリックで拡大します。

2009年 12月 2日
2009年 12月 2日
2009年 11月 30日
2009年 11月 19日
水声社 創立30周年記念出版
2009年 11月 19日
水声社 創立30周年記念出版
2009年 11月 19日
最近、小社刊行物の書評がいろいろな媒体で書評/紹介されるケースが
増えてきました。担当編集者としては新刊が書店に平積みにされ、
実際に本が売れて読者の手元に届くことがいちばん嬉しいのですが、
ちゃんと書評で取り上げられたり、口コミ等で評判になったりすることにも
大きな喜びを感じます。
そういった意味で、『人工の冬』(パリ版)の刊行、『水声通信』31号での特集と、
このところアナイス・ニンに力を入れてきた私のもとに、
女性ファッション誌の《フィガロ・ジャポン》が彼女の小特集をやりたいと
取材協力を申し入れてきたことは、大変嬉しいニュースでした。
12月20日発売号に掲載される予定ですが、これを機に若い女性層にももっと
アナイス・ニンのことを知ってもらい、彼女の読者が増えることを願ってやみません。
さて、その《フィガロ・ジャポン》誌の11月20日号(11月5日発売)に、
短いながらも的を射た『人工の冬』の書評が出ましたので、紹介しておきます。
“性愛文学”の形を取り、人に潜む意識の行方を描いたアナイス・ニンの第一小説集が、
完全な形で、初めて日本でも読めることになった。
また、夕刊紙の日刊ゲンダイ(11月16日号)にも、
「女性作家による70年前の性愛小説集」として取り上げられました。
—
アナイス・ニン/矢口裕子訳
【パリ版オリジナル】
四六判上製328頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-735-8 好評発売中!
異端の愛こそ美しい。
バイセクシュアルな三角関係を濃密に描く「ジューナ」
父と娘のインセストを赤裸々に描く「リリス」
告白する女たちと精神分析医の物語「声」
アメリカで発禁となっていた先駆的な性愛小説三篇が
原形のまま70年ぶりに復活。
*
『人工の冬』と同じく9月に刊行したピエール・ロチの『倦怠の華』も、
意外な媒体で取り上げられました。
早川書房の専門誌《SFマガジン》12月号(10月25日発売)の書評欄で、
SF研究家の牧眞司氏が、
「語られているエピソードは、異国の景観や奇習を綴った紀行あり、
深山に竜を望む幻想あり、ちょっと怪しげな思索あり、幼いころの瑞々しい追想あり、
『千夜一夜物語』ふうの創作ありと、じつに多彩で楽しい。……」
と絶讃され、これまた嬉しい驚きでした。
ピエール・ロチ関連の本も今後刊行していくつもりでいますので、乞うご期待!
—
ピエール・ロチ/遠藤文彦訳
四六判上製288頁 定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-741-9 好評発売中!
滑稽で奇抜な話の花束
19世紀から20世紀にかけて
フランス海軍士官として世界中を巡航した
異色作家ロチが変幻自在な対話形式で繰り広げる,
奇妙きてれつな回想/夢/紀行/小話の数々。
ユニークな長文解説を付した本邦初訳作品。
2009年 11月 6日
2009年 10月 26日
2009年 9月 28日
最近相次いで、7月刊『パラダイスの乞食たち』の
書評がでましたので、まとめて紹介しておきます。(編集部:So)
→横尾忠則氏(朝日新聞、09年9月28日)
「つまり芸術という悪魔に取り付かれていない著者にいらつくのである。
確かに文章はうまく、ミラーが絶讃するように詩人の才能かもしれない……」
→山崎まどか氏(本の雑誌、09年10月号)
「パリを舞台にした私小説らしい華やかさとボヘミアン・ライフは魅力的である」
→臼田紘氏(水声通信、09年7/8月合併号)
「この作品のなかには、ステットナーの作家として、詩人としての
魂が生きているようだ。人間観察だけでなく、描写もいい」
—
アーヴィング・ステットナー/本田康典+三保子ステットナー訳
2009年 9月 19日
2009年 9月 14日
2009年 9月 10日
2009年 9月 7日
8月29日の書店イベントも大盛況に終わった、
都甲幸治さんの『偽アメリカ文学の誕生』。
先の産経新聞に続き、こんどは日本経済新聞(09年09月06日付)の
読書面でも、著者の紹介とともに大きく取り上げられました。
師である柴田元幸さんや村上春樹さんの仕事から大きな影響を受けた、
という都甲さんにとって、アメリカ文学は、
なぜ「偽」でなければならなかったのか——。
くわしくは、ぜひ本書を手にとってご覧ください!
*
そろそろ朝夕の冷え込みが厳しくなってきましたが、
これからますます熱くなりそうなのが《怪談》という古くて新しい表現です。
谷口基さんの『怪談異譚——怨念の近代』は、江戸期から敗戦後にいたる
《近代》という空間のなかで民衆の《怨念》を代弁し、
それによって隆盛をきわめてきた《怪談》を、
戦争を媒介に新しく読みかえる、骨太な長篇書き下ろし評論。
先週の 読売新聞(09年08年30日付)で紹介されたのに続き、
現在発売中の『ダ・ヴィンチ』誌10月号では、
怪談やミステリーをめぐる精力的なお仕事で知られる東雅夫さんが
「怪談アカデミズムの大波、いよいよ到来か?」というテーマで、
大きく取り上げてくださっています。ぜひご覧ください。
*
書評紙・図書新聞には、弊社刊行物が相次いで掲載されました。
三原弟平著『ベンヤミンと精神分析』については山本尤氏が(2009年8月29日号)、
A・バディウ著『サルコジとは誰か?』については政治学者の吉田徹氏が(09月05日号)、
そして現在発売中の09月12日号では吉川一義・岑村傑編『フランス現代作家と絵画』が、
画家で批評家の松浦寿夫さんによって紹介されています。
評者媒体のみなさま、ありがとうございます!
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吉川一義・岑村傑編
『フランス現代作家と絵画』
A5判上製336頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-708-2 絶賛発売中!
*
これからも水声社ならではのユニークな書籍をリリースして参りますので、
読者・書店のみなさま、どうかますますのご注目とご声援を!
2009年 8月 28日
2009年 8月 20日
2009年 8月 19日
弊社の本年度版の図書目録が完成しました。
2009年8月刊行分までを網羅しています。
ご希望の方にもお頒けしておりますので、
切手100円分を同封のうえ、封書でお申し込みください。
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2009年 8月 17日
弊社刊『偽アメリカ文学の誕生』が各誌紙で話題の都甲幸治さん。
8月16日付の産經新聞ではインタビューが掲載されました。
「アメリカをあこがれの対象として見るのではなく、
日本と並列にとらえて面白い作品を紹介したかった」と、
本書の魅力が端的に紹介されていますので、ぜひご一読ください。
ウェブ版で全文を読むことができます。こちら→*
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また、本書の刊行を記念して、
今月末の8月29日に予定されているジュンク堂新宿店でのトークセッション、
「 “偽アメリカ文学” ってなんだ!? 」(都甲幸治さん × 和田忠彦さん × 柴田元幸さん)は、
おかげをもちまして満員御礼となりました。ありがとうございました。
当日の模様はこのブログでもご紹介させていただきます。お楽しみに!(編集部:na)
2009年 8月 4日
偽アメリカ文学者(?)にふさわしい著者の語り口は最高だ。
こむずかしい用語など一切なし。〔……〕 でも著者は
作品に疼く「痛み」に感応せずにはいられない。
そのときテクストの裂け目から思いも寄らぬ「アメリカ文学」が姿を現す。
この遭遇の体験は紛れもなく「本物」である。
日露「彼我」の等位感覚を持ちながらロシア前衛文学に
詳しい人間が周囲みわたすに大石雅彦しかいない。
〔……〕甚だしいメタ虚構的実験と黙示録的神秘主義の併存並立
(それを別名マニエリスムと呼ぶのだが)で読者を魅了する
百年前のロシアの前衛に再び目を向けさせる最高のガイドだ。
2009年 7月 31日
最新のアメリカ文学をめぐる翻訳やエッセイで、
いまもっとも注目を集めている都甲幸治さん。
彼の第1単行本『偽アメリカ文学の誕生』(弊社)刊行を記念して、
豪華メンバーによるトークセッションを開催いたします。その名も、
2009年8月29日(土) 18:30 開場/19:00 開演 満員御礼!
ジュンク堂新宿店8階カフェ 定員40名
入場料 1000円(1ドリンク付)
くわしくはこちらをクリック→*
[講師プロフィール]
◎ 都甲幸治(とこう・こうじ)
1969年、福岡県生まれ。早稲田大学准教授、翻訳家。専攻はアメリカ文学・
文化。主な訳書に、ファンテ『塵に訊け!』、ブコウスキー『勝手に生きろ!』、
DBCピエール『ヴァーノン・ゴッド・リトル』ほか多数。現在、『新潮』誌に
「生き延びるためのアメリカ文学」を好評連載中。
◎ 和田忠彦(わだ・ただひこ)
1952年、長野県生まれ。東京外語大学副学長、翻訳家。
専攻はイタリア近現代文学、文化芸術論。著書に、『ヴェネツィア 水の夢』、
『声、意味ではなく』、『ファシズム、そして』(弊社刊)。訳書に、
カルヴィーノ『むずかしい愛』、『魔法の庭』、デ・アミーチス『クオーレ』、
『ウンベルト・エーコの文体練習』など多数がある。
◎ 柴田元幸(しばた・もとゆき)
1954年、東京都生まれ。東京大学教授、翻訳家、エッセイスト。
専攻はアメリカ文学、翻訳論。主な著書に、『生半可な学者』、
『アメリカ文学のレッスン』、『代表質問 16のインタビュー』など。
訳書に、オースター『幽霊たち』、ロンドン『火を熾す』、
サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』など多数がある。
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都甲幸治
2009年 7月 27日
ブロッホはベンヤミンの思い出を語った文章で次のように言っている。
「私たちに共通していた細目への感覚、ささいなもの、見過ごされたものを
観察するさいに副次的なささいなものの持つ、しばしば見過ごされた
意味に対する感覚……」。
本書〔『この時代の遺産』〕は、ブロッホのメシア的革命のモティーフが、
そうしたトリヴィアルな時代の残余と接触する瞬間に発する
閃光の集成といえるかもしれない。
〔……〕
訳者である池田が本書に賭けた並々ならぬ思いが伝わってくる。
〔姉妹書〕
エルンスト・ブロッホ/池田浩士・藤原辰史・本庄史明訳