水声通信*第32号

2009年 12月 2日

no32『水声通信』第32号

A5判並製160頁/定価=2000円+税/装幀=宗利淳一+田中奈緒子
ISBN978-4-89176-752-5 C0090  12月10日頃発売!

特集=ジャン=ピエール・リシャール
リシャール「ロラン・バルト 最後の風景」
(芳川泰久+堀千晶訳)*全訳は小社より近刊予定
リシャール「幸福な身体 流れるもの」(山崎敦訳)ほか



*下の目次はクリックで拡大します。

no32_ol1

 

12月の新刊『となり町の寒山』

2009年 12月 2日

kanzan_cover菅沼荘二郎

となり町の寒山

A5判並製150頁 定価=2000円+税
ISBN 978-4-89176-746-4  C0098  12月3日頃発売!

ニューヨークから、となり町へ
原始美術から、現代アートへ


アトリエを主宰する著者が、
現代美術を禅の目で見て、禅の心で描き出す——。
寒山拾得のように何にもとらわれず、この行き場のない社会を考察し、
デュシャン、鉄斉、ヘンリー・ミラー、ニューヨーク滞在中に出会った
A・ステットナー(弊社刊『パラダイスの乞食たち』著者)ら、
さまざまなアーティストに思いをいたすエッセイ集。

*おおらかな境地の絵画作品8葉収録。

 

12月の新刊『世紀末の白い爆弾』

2009年 11月 30日

whitebomb中畑寛之

世紀末の白い爆弾

ステファヌ・マラルメの書物と演劇, そして行動

A5判上製672頁 定価=8000円+税
ISBN 978-4-89176-748-8  C0098  12月2日頃発売!




書くという行為=文学的爆弾


至高の〈書物〉を孤独に試みる言葉の錬金術師マラルメ。
19世紀末のフランス社会を騒然とさせた
アナーキストたちの爆弾テロの閃光のなかで
詩人マラルメが選んだ文学的〈行動〉の意味/戦略とは?
気鋭の研究者が新たな視点で読み解く画期的考察。

 

シュルレアリスムの25時/第1回配本

2009年 11月 19日

水声社 創立30周年記念出版

シュルレアリスムの25時

11月末日、第1回配本2冊同時刊行!





lucacover鈴木雅雄

ゲラシム・ルカ ノン=オイディプスの戦略

四六判上製256頁/定価2500円+税
978-4-89176-761-7  C0398
装幀=宗利淳一+田中奈緒子


もっとも偉大な詩人の一人 ——ジル・ドゥルーズ





つっかえ、切り裂き、撹乱する、驚異の「吃音」言語!

◎本邦初訳の理論的テクストや詩作品を収録!





braunercover齊藤哲也

ヴィクトル・ブローネル 燐光するイメージ

四六判上製総384頁(別丁図版128頁)/定価3500円+税
978-4-89176-762-4  C0371
装幀=宗利淳一+田中奈緒子


かれの絵は武装している ——アンドレ・ブルトン





深い闇の中で、鈍い光を放つ《魔術的画家》の全貌。

◎日本初のモノグラフ——掲載図版160点以上!

 

水声社 創立30周年出版第1弾《シュルレアリスムの25時》

2009年 11月 19日

水声社 創立30周年記念出版

シュルレアリスムの25時    全10巻

11月末日第1回配本、2冊同時刊行!


「私たちはシュルレアリスムについて、語るべきどれほどのテーマが眠っているか、
いま、はじめて本当に見渡すことができる。」(鈴木雅雄/早稲田大学教授)



sur006《本シリーズの特色》

◎いま、シュルレアリスムを考えるにあたって重要な、
そしてとりわけ日本ではほとんど知られていない
詩人・小説家・画家・写真家10人を選び、全10巻に収録する。

◎ 第一線で活躍する気鋭のシュルレアリスム研究者による書き下ろし。

◎ 各巻に、充実した年譜と書誌を付す。

◎付録として、各作家の本邦初訳のテクストを収録し、
画家・写真家の場合には、図版を豊富に収める。

◎ はじめてシュルレアリスムに触れる方々から、従来のシュルレアリスム像を覆したい研究者まで、
シュルレアリスムとアヴァンギャルド芸術に関心を寄せる、すべての人たちのための新たな入門書。

四六判上製9ポ1段組/各巻平均250頁/予価2500円(+消費税)
隔月に1冊刊行、2011年3月に全巻完結の予定





《全巻ラインナップ》



第1回配本『ゲラシム・ルカ』、『ヴィクトル・ブローネル』刊行迫る!


◎ジョゼフ・シマ 無音の光(谷口亜沙子)

Joseph Sima(1891-1971)  ヤロムニェシュ(ボヘミア)に生まれる。
画家。具象と抽象のあわいを浮遊する八十年の生涯。プラハ時代に始まり、
ブルトン批判を旗幟鮮明にした《大いなる賭け》の画家として、
さらに戦後の沈黙期を経て、一切が溶けあう光の表現へと到達するその歩みは、
「ただひとつの世界」をこの現世に映し出すことだったのか?
境界を生きた瞑想の画家の全貌が浮上する。



◎クロード・カーアン 鏡のなかのあなた(永井敦子)

Claude Cahun(1894-1954)  ナント(フランス)に生まれる。
写真家、作家、思想家。女でもなく男でもない、〈複数形の単数〉クロード・カーアン。
仮面や鏡を使って偽装したセルフポートレートによってジェンダー・
アイデンティティを問い、クイア的視点からもアプローチされている
特異なシュルレアリスト。一九八〇年代後半に再発見され、
一躍世界的な評価をえたその実像に迫る。



◎マクシム・アレクサンドル  夢の可能性、回心の不可能性(鈴木雅雄)

Maxime Alexandre(1899-1976)  ヴォルフィスハイム(アルザス)に生まれる。
詩人、批評家。ドイツ占領下のアルザスという出生から、
すでに宿命づけられたかのように、シュルレアリスムと神という対立する
二つの世界に引き裂かれながら、分裂するアイデンティティの乗り越えを
はかろうとした詩人の生涯を追うとともに、思想史の未来を射程に入れて、
シュルレアリスムはどのように可能なのかを考察する。



◎ルネ・クルヴェル  アンチ・オイディプス・シンプレックスの転生(鈴木大悟)

René Crevel(1900-1935)  パリ(フランス)に生まれる。
小説家。典型的なプチ・ブル、サロンの常連、同性愛者、結核患者、コミュニスト……と、
矛盾に満ちた生を駆け抜けた異端のシュルレアリストにして絶対的自由を渇望する
生粋のロマンティスト。一切の偽善と教条主義を拒んで、かつての仲間とも
敵対するに至ったその生涯と作品を、さまざまな角度から「弁証法」的に照射する。



◎ヴィクトル・ブローネル  燐光するイメージ(齊藤哲也) 第1回配本

Victor Brauner(1903-1966)  ピヤトラ・ニャムツ(ルーマニア)に生まれる。
画家。「ひとはいかにしてシュルレアリストになるのか?」
——マルクス主義の隆盛から第二次世界大戦にいたる激動の時代に、
一貫してシュルレアリスムと向き合い続けた〈魔術的画家〉。
日本でも澁澤龍彦らの賞讃を浴びながら、いまもなお深い闇のなかで
鈍い光を放ち続けるその足跡を丹念に追う果敢な試み。



◎ロジェ・ジルベール=ルコント  虚無へ誘う風(谷 昌親)

Roger Gilbert-Lecomte(1907-1943)  レンヌ(フランス)に生まれる。
詩人。生を壊し、そして死を導きいれること。「不完全な生」を
より完全なものにするため、「生誕以前の世界」=「虚無」へ向けて詩作を
続けること。アヘン中毒、東洋思想への傾倒、そしてルネ・ドーマルらと
《大いなる賭け》グループを組織し、ブルトンらと対抗するという
異端のシュルレアリスム詩人のスキャンダラスな生涯を多角的に追う。



◎ヴォルフガング・パーレン  幻視する横断者(齊藤哲也)

Wolfgang Paalen(1907-1959)  ウィーン(オーストリア)に生まれる。
画家、思想家。「当代まれに見る百科全書的知性」とブルトンによって讃えられる。
パリでシュルレアリスムに身を投じたのち、第二次世界大戦の亡命地メキシコで、
彼がまなざしを向けたのは、アメリカ・インディアンだった——。
多岐にわたるその活動を横断しながら、具象/抽象でのみとらえられる
既存の美術史を逆照射する。



◎ゲラシム・ルカ  ノン=オイディプスの戦略(鈴木雅雄) 第1回配本

Gherasim Luca(1913-1994)  ブカレスト(ルーマニア)に生まれる。
詩人。ドゥルーズに「もっとも重要な詩人のひとり」と評され、
その「ノン=オイディプス」という概念が「アンチ=オイディプス」の
原型になったとも言われる、この「吃音」の詩人が、いかにして
シュルレアリスムを作りかえたのかを読みときながら、
ヨーロッパ・アヴァンギャルドの歴史そのものを書き替える。



◎ジョルジュ・エナン  追放者の取り分(中田健太郎)

Georges Henein (1914-1973)    カイロ(エジプト)に生まれる。
詩人、批評家、ジャーナリスト。国際性と地域性、普遍性と国家、追放者と土地。
これらの間の葛藤を身をもって体験し、戦後の詩と言論の可能性を独自に示しつつ、
エジプトにおけるアヴァンギャルドとシュルレアリスムの展開に
決定的な役割を果たした彼の作品と生涯を追う。



◎ジャン=ピエール・デュプレー  黒い太陽(星埜守之)

Jean-Pierre Duprey(1930-1959)  ルーアン(フランス)に生まれる。
詩人、彫刻家。シュルレアリスムの言語操作を一挙に書き替えんとする
撹乱的で驚異的な作品を残し、二十九歳で自ら命を絶った「最後の呪われた詩人」。
1940〜50年代の、戦後シュルレアリスムの動向を概観しつつ、
わずかに残された作品と、その知られざる生涯を辿る。

 

編集部から(編集部 So)

2009年 11月 19日

最近、小社刊行物の書評がいろいろな媒体で書評/紹介されるケースが
増えてきました。担当編集者としては新刊が書店に平積みにされ、
実際に本が売れて読者の手元に届くことがいちばん嬉しいのですが、
ちゃんと書評で取り上げられたり、口コミ等で評判になったりすることにも
大きな喜びを感じます。
そういった意味で、『人工の冬』(パリ版)の刊行、『水声通信』31号での特集と、
このところアナイス・ニンに力を入れてきた私のもとに、
女性ファッション誌の《フィガロ・ジャポン》が彼女の小特集をやりたいと
取材協力を申し入れてきたことは、大変嬉しいニュースでした。
12月20日発売号に掲載される予定ですが、これを機に若い女性層にももっと
アナイス・ニンのことを知ってもらい、彼女の読者が増えることを願ってやみません。
さて、その《フィガロ・ジャポン》誌の11月20日号(11月5日発売)に、
短いながらも的を射た『人工の冬』の書評が出ましたので、紹介しておきます。

“性愛文学”の形を取り、人に潜む意識の行方を描いたアナイス・ニンの第一小説集が、
完全な形で、初めて日本でも読めることになった。


また、夕刊紙の日刊ゲンダイ(11月16日号)にも、
「女性作家による70年前の性愛小説集」として取り上げられました。


e4babae5b7a5e381aee586acアナイス・ニン/矢口裕子訳

『人工の冬』

【パリ版オリジナル】
四六判上製328頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-735-8  好評発売中!


異端の愛こそ美しい。

バイセクシュアルな三角関係を濃密に描く「ジューナ」
父と娘のインセストを赤裸々に描く「リリス」
告白する女たちと精神分析医の物語「声」

アメリカで発禁となっていた先駆的な性愛小説三篇が
原形のまま70年ぶりに復活。




『人工の冬』と同じく9月に刊行したピエール・ロチの『倦怠の華』も、
意外な媒体で取り上げられました。
早川書房の専門誌《SFマガジン》12月号(10月25日発売)の書評欄で、
SF研究家の牧眞司氏が、

「語られているエピソードは、異国の景観や奇習を綴った紀行あり、
深山に竜を望む幻想あり、ちょっと怪しげな思索あり、幼いころの瑞々しい追想あり、
『千夜一夜物語』ふうの創作ありと、じつに多彩で楽しい。……」


と絶讃され、これまた嬉しい驚きでした。
ピエール・ロチ関連の本も今後刊行していくつもりでいますので、乞うご期待!


e580a6e680a0e381aee88fafピエール・ロチ/遠藤文彦訳

『倦怠の華』

四六判上製288頁 定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-741-9  好評発売中!



滑稽で奇抜な話の花束

19世紀から20世紀にかけて
フランス海軍士官として世界中を巡航した
異色作家ロチが変幻自在な対話形式で繰り広げる,
奇妙きてれつな回想/夢/紀行/小話の数々。
ユニークな長文解説を付した本邦初訳作品。

 

11月の新刊

2009年 11月 6日

ekkyo土屋勝彦 編

越境する文学

A5判上製312頁/定価4500円+税
978-4-89176-743-3 C0090  11月11頃発売!

現代文学は
《世界》と、
どう切り結ぶのか?


アフリカ、ロシア、南米、ヨーロッパ、そして日本。
国家の境域を突破することで《複数性》を獲得した、
移民/亡命者たちの文化表現とその実践をめぐる、
アクチュアルな共同研究の成果。

執筆者——土屋勝彦、管啓次郎、沼野充義、西成彦、
田中敬子、L・フェーダーマイアー、山本明代、谷口幸代

多和田葉子、デビット・ゾペティ、アーサー・ビナード、
毛丹青ら、多言語作家によるフォーラムの模様を完全収録!

 

10月の新刊

2009年 10月 26日

kiki_cover桑野隆

危機の時代のポリフォニー——ベンヤミン、バフチン、メイエルホリド

四六判上製325頁/定価3000円+税
978-4-89176-745-7 C0098  好評発売中!


ロシア・アヴァンギャルドの輝き




1920年〜30年代という《危機の時代》にあって,
鮮やかな光芒をはなったベンヤミン,バフチン,
メイエルホリド,そしてロシア・アヴァンギャルド運動。
ファシズムとスターリニズムに圧殺されたその営為に秘められた
可能性の核心に迫る。









realism_cover乗松亨平

リアリズムの条件——ロシア近代文学の成立と植民地表象

A5判344頁/定価4000円+税
978-4-89176-747-1 C0098  好評発売中!


《現実》という名の亡霊




19世紀ロシア・リアリズム文学の成立をその植民地表象、
とりわけカフカス地方のそれをとおして分析しつつ、
《テクスト》と《現実》との相関の現在に介入を試み、
ポストコロニアル批評の彼方をめざす気鋭の野心作。









manga10dreams長谷邦夫

マンガ家夢十夜

四六判272頁/定価2500円+税
978-4-89176-744-0 C0093  10月末日発売!


小説はマンガより奇なり!?




10人の天才マンガ家たちによる
《夢》と《妄想》の大競演!
奇想天外・抱腹絶倒・ハチャメチャ過多の
フィクティヴ・フィクション!
パロディ・マンガの先駆者によるマンガ・パロディ小説、
入魂の書き下ろし作品集。









chehov_cover中村邦生

チェーホフの夜

四六判188頁/定価1800円+税
978-4-89176-749-5 C0093  11月初旬発売!


懐かしく,おかしく——不穏な空気が動き出す。
虚実の陰影を精妙な文体で刻む短篇集。




[収録作品]
「冗談関係のメモリアル」(『文学界』新人賞受賞作)
「週末の仕事」
「チェーホフの夜」

 

書評『パラダイスの乞食たち』

2009年 9月 28日

最近相次いで、7月刊『パラダイスの乞食たち』の
書評がでましたので、まとめて紹介しておきます。(編集部:So)

→横尾忠則氏(朝日新聞、09年9月28日)
「つまり芸術という悪魔に取り付かれていない著者にいらつくのである。
確かに文章はうまく、ミラーが絶讃するように詩人の才能かもしれない……」

→山崎まどか氏(本の雑誌、09年10月号)
「パリを舞台にした私小説らしい華やかさとボヘミアン・ライフは魅力的である」

→臼田紘氏(水声通信、09年7/8月合併号)
「この作品のなかには、ステットナーの作家として、詩人としての
魂が生きているようだ。人間観察だけでなく、描写もいい」



paradice_cover2アーヴィング・ステットナー/本田康典+三保子ステットナー訳

『パラダイスの乞食たち』

四六判上製296頁/定価2500円+税
ISBN978-4-89176-734-1  C0097

 

水声通信*第31号

2009年 9月 19日

e6b0b4e5a3b0e9809ae4bfa131e585a5e7a8bf『水声通信』第31号

A5判並製224頁/定価=2000円+税/装幀=宗利淳一
ISBN978-4-89176-751-8 C0090  9月25日発売!

特集=アナイス・ニン
「アナイス・ニン/ヘンリー・ミラー書簡」(柴田元幸+矢口裕子訳)
「アナイス・ニンへの11通の手紙」(A・アルトー)
「アナイス 私たちみんなの母」(K・ミレット)
アナイス・ニン「無時間の浪費」「危険な香水」「錬金術」ほか、アナイスのすべてがここに!

*下の目次はクリックで拡大します。

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10月の新刊予告『おしゃべり/子供部屋』

2009年 9月 14日

kodomoルイ=ルネ・デ・フォレ

おしゃべり/子供部屋

清水徹 訳

四六判上製328ページ/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-742-6 10月上旬発売!
装幀:中島かほる


饒舌と沈黙のあいだ


《話す》という欲求に憑かれた男の物語(「おしゃべり」)、
口をつぐんだ少年をめぐる奇妙なゲーム(「子供部屋」)。
ことばの《在/不在》を問う《沈黙の作家》の珠玉の名作を、
オリジナルな形で収録。

かつて書かれたもっとも奇怪でもっとも衝撃的な作品の一つ
——ジョルジュ・バタイユ

 

9月の新刊『人工の冬』『倦怠の華』

2009年 9月 10日

e4babae5b7a5e381aee586acアナイス・ニン/矢口裕子訳

『人工の冬』

【パリ版オリジナル】
四六判上製328頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-735-8  9月17日頃発売!




異端の愛こそ美しい。




バイセクシュアルな三角関係を濃密に描く「ジューナ」
父と娘のインセストを赤裸々に描く「リリス」
告白する女たちと精神分析医の物語「声」


アメリカで発禁となっていた先駆的な性愛小説三篇が
原形のまま70年ぶりに復活。










e580a6e680a0e381aee88fafピエール・ロチ/遠藤文彦訳


『倦怠の華』

四六判上製288頁 定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-741-9  9月17日頃発売!






滑稽で奇抜な話の花束




19世紀から20世紀にかけて
フランス海軍士官として世界中を巡航した
異色作家ロチが変幻自在な対話形式で繰り広げる,
奇妙きてれつな回想/夢/紀行/小話の数々。
ユニークな長文解説を付した本邦初訳作品。

 

書評ア・ラ・カルト

2009年 9月 7日

tokonikkei8月29日の書店イベントも大盛況に終わった、
都甲幸治さんの『偽アメリカ文学の誕生』
先の産経新聞に続き、こんどは日本経済新聞(09年09月06日付)の
読書面でも、著者の紹介とともに大きく取り上げられました。
師である柴田元幸さんや村上春樹さんの仕事から大きな影響を受けた、
という都甲さんにとって、アメリカ文学は、
なぜ「偽」でなければならなかったのか——。
くわしくは、ぜひ本書を手にとってご覧ください!


kaidan_cover-2そろそろ朝夕の冷え込みが厳しくなってきましたが、
これからますます熱くなりそうなのが《怪談》という古くて新しい表現です。
谷口基さんの『怪談異譚——怨念の近代』は、江戸期から敗戦後にいたる
《近代》という空間のなかで民衆の《怨念》を代弁し、
それによって隆盛をきわめてきた《怪談》を、
戦争を媒介に新しく読みかえる、骨太な長篇書き下ろし評論。
先週の 読売新聞(09年08年30日付)で紹介されたのに続き、
現在発売中の『ダ・ヴィンチ』誌10月号では、
怪談やミステリーをめぐる精力的なお仕事で知られる東雅夫さんが
「怪談アカデミズムの大波、いよいよ到来か?」というテーマで、
大きく取り上げてくださっています。ぜひご覧ください。


france_modern_art書評紙・図書新聞には、弊社刊行物が相次いで掲載されました。
三原弟平著『ベンヤミンと精神分析』については山本尤氏が(2009年8月29日号)、
A・バディウ著『サルコジとは誰か?』については政治学者の吉田徹氏が(09月05日号)、
そして現在発売中の09月12日号では吉川一義・岑村傑編『フランス現代作家と絵画』が、
画家で批評家の松浦寿夫さんによって紹介されています。

評者媒体のみなさま、ありがとうございます!

吉川一義・岑村傑編
『フランス現代作家と絵画』
A5判上製336頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-708-2  絶賛発売中!


これからも水声社ならではのユニークな書籍をリリースして参りますので、
読者・書店のみなさま、どうかますますのご注目とご声援を!

 

9月の新刊『展示の政治学』

2009年 8月 28日

tennji004川口幸也 編

展示の政治学

A5判上製400頁/定価4800円+税
ISBN978-4-89176-737-2 C0070  9月11日発売



《見せる》という共同幻想


博物館、美術館、博覧会、あるいは日常生活のなかで、
《見せること》と《見ること》は、どのような意味をまとうのか?
ジャンルや研究領域を越えて、多彩な視座から
《展示》という擬制を解体し、その再考を促す出色の論集。

【執筆者】
川口幸也、荻野昌弘、宮下規久朗、木下直之、松宮秀治、
矢口祐人、溝上智恵子、源河葉子、関 直子、鷲田めるろ、
塚田美紀、豊田由貴夫、松山利夫、竹沢尚一郎

 

水声通信*第30号

2009年 8月 20日

『水声通信』第30号

A5判並製256頁/定価=2000円+税/装幀=宗利淳一
ISBN978-4-89176-666-5 C0090  絶賛発売中!




suisei30特集=ジョルジュ・バタイユ
「メルロ=ポンティの『ヒューマニズムとテロル』について」(合田正人訳)
「快および遊びの両義性(講演)」(古永真一訳)
「ジョルジュ・バタイユとの対話」M・シャプサル(西谷修訳)
「ジョルジュ・バタイユとの五分間(インタビュー)」聞き手=D・アルバン(古永真一訳)
「バタイユ——雷、詩、あるいは侵犯」A・ジュフロワ(岡部杏子訳)
「ジョルジュ・バタイユの二元論的唯物論」D・オリエ(門間広明訳)


「悦ばしきバタイユ」谷口亜沙子
「経済批判——ジョルジュ・バタイユのばあい」高桑和巳
「二月六日事件とバタイユ」濱野耕一郎
「テロルとテロル——バタイユによるメルロ=ポンティ」合田正人
「共謀性をめぐる試論——カミュとバタイユ」丸山真幸
「現代美術的バタイユの使用説明書」荻野厚志
「バタイユにとってシュルレアリスムとは何か」M・リチャードソン(長谷川晶子・鈴木雅雄訳)
「プレイヤッド版『小説と物語』編集余話」J・F・ルエット


バタイユ研究の現状をめぐって  神田浩一
ジョルジュ・バタイユ書誌 神田浩一編
ジョルジュ・バタイユ略年譜 神田浩一編


[連載]
宮下志朗、湯沢英彦、高橋透、桑田光平、本田康典、中村邦生





[次号予告]


『水声通信』第31号

A5判並製224頁/定価=2000円+税/装幀=宗利淳一
ISBN978-4-89176-751-8 C0090  9月中旬発売予定


特集=アナイス・ニン
「アナイス・ニン/ヘンリー・ミラー書簡」(柴田元幸+矢口裕子訳)
「アナイス・ニンへの11通の手紙」(A・アルトー)
アナイス・ニン初期短篇集  ほか、乞うご期待!

 

2009年度版 図書目録

2009年 8月 19日

mokuroku09弊社の本年度版の図書目録が完成しました。
2009年8月刊行分までを網羅しています。
ご希望の方にもお頒けしておりますので、
切手100円分を同封のうえ、封書でお申し込みください。





『図書目録 No.20:1981—2009』

A5判並製94頁(索引つき)
デザイン:宗利淳一

 

著者インタビュー掲載

2009年 8月 17日

弊社刊『偽アメリカ文学の誕生』が各誌紙で話題の都甲幸治さん。
8月16日付の産經新聞ではインタビューが掲載されました。
「アメリカをあこがれの対象として見るのではなく、
日本と並列にとらえて面白い作品を紹介したかった」と、
本書の魅力が端的に紹介されていますので、ぜひご一読ください。
ウェブ版で全文を読むことができます。こちら→

また、本書の刊行を記念して、
今月末の8月29日に予定されているジュンク堂新宿店でのトークセッション、
「 “偽アメリカ文学” ってなんだ!? 」(都甲幸治さん × 和田忠彦さん × 柴田元幸さん)は、
おかげをもちまして満員御礼となりました。ありがとうございました。
当日の模様はこのブログでもご紹介させていただきます。お楽しみに!(編集部:na)

 

書評『偽アメリカ文学の誕生』『彼我等位』

2009年 8月 4日

niseamerica_cover1都甲幸治

『偽アメリカ文学の誕生』

四六判上製360頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-726-6 C0098 絶賛発売中!






『読売新聞』09年08月01日付朝刊・読書面(本よみうり堂→
評者:小野正嗣氏(作家)

偽アメリカ文学者(?)にふさわしい著者の語り口は最高だ。
こむずかしい用語など一切なし。〔……〕 でも著者は
作品に疼く「痛み」に感応せずにはいられない。
そのときテクストの裂け目から思いも寄らぬ「アメリカ文学」が姿を現す。
この遭遇の体験は紛れもなく「本物」である。





higatoi大石雅彦

『彼我等位——ロシア・アヴァンギャルド/日本・モダニズム』

四六判上製324頁/定価=3500円+税
ISBN978-4-89176-722-8 C0090 絶賛発売中!






図書新聞』09年08月08日号
評者:高山 宏氏(国際日本学)

日露「彼我」の等位感覚を持ちながらロシア前衛文学に
詳しい人間が周囲みわたすに大石雅彦しかいない。
〔……〕甚だしいメタ虚構的実験と黙示録的神秘主義の併存並立
(それを別名マニエリスムと呼ぶのだが)で読者を魅了する
百年前のロシアの前衛に再び目を向けさせる最高のガイドだ。

 

トークイベントのお知らせ

2009年 7月 31日

niseamerica_cover1最新のアメリカ文学をめぐる翻訳やエッセイで、
いまもっとも注目を集めている都甲幸治さん。
彼の第1単行本『偽アメリカ文学の誕生』(弊社)刊行を記念して、
豪華メンバーによるトークセッションを開催いたします。その名も、

“偽アメリカ文学”ってなんだ!?

この夏の掉尾を飾るブッキッシュな夕べ、ふるってご参加ください!






◎ 都甲幸治さん × 和田忠彦さん

◎ スペシャルゲスト:柴田元幸さん

2009年8月29日(土) 18:30 開場/19:00 開演 満員御礼!
ジュンク堂新宿店8階カフェ 定員40名
入場料 1000円(1ドリンク付)
くわしくはこちらをクリック→



[講師プロフィール]

◎ 都甲幸治(とこう・こうじ)
1969年、福岡県生まれ。早稲田大学准教授、翻訳家。専攻はアメリカ文学・
文化。主な訳書に、ファンテ『塵に訊け!』、ブコウスキー『勝手に生きろ!』、
DBCピエール『ヴァーノン・ゴッド・リトル』ほか多数。現在、『新潮』誌に
「生き延びるためのアメリカ文学」を好評連載中。

◎ 和田忠彦(わだ・ただひこ)
1952年、長野県生まれ。東京外語大学副学長、翻訳家。
専攻はイタリア近現代文学、文化芸術論。著書に、『ヴェネツィア 水の夢』、
『声、意味ではなく』、『ファシズム、そして』(弊社刊)。訳書に、
カルヴィーノ『むずかしい愛』、『魔法の庭』、デ・アミーチス『クオーレ』、
『ウンベルト・エーコの文体練習』など多数がある。

◎ 柴田元幸(しばた・もとゆき)
1954年、東京都生まれ。東京大学教授、翻訳家、エッセイスト。
専攻はアメリカ文学、翻訳論。主な著書に、『生半可な学者』、
『アメリカ文学のレッスン』、『代表質問 16のインタビュー』など。
訳書に、オースター『幽霊たち』、ロンドン『火を熾す』、
サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』など多数がある。


都甲幸治

『偽アメリカ文学の誕生』

四六判上製360頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-726-6 C0098   絶賛発売中!

 

書評『この時代の遺産』『ナチズム』

2009年 7月 27日

isanエルンスト・ブロッホ/池田浩士訳

『この時代の遺産』

A5判上製688頁/定価=7000円+税
ISBN978-4-89176-684-9 C0010 好評発売中!






『図書新聞』09年080月1日付(第2928号)
→高橋順一氏(早稲田大学教授・思想史)


なぜ左翼はナチスの《神話革命》に敗北したのか?

ブロッホはベンヤミンの思い出を語った文章で次のように言っている。
「私たちに共通していた細目への感覚、ささいなもの、見過ごされたものを
観察するさいに副次的なささいなものの持つ、しばしば見過ごされた
意味に対する感覚……」。
本書〔『この時代の遺産』〕は、ブロッホのメシア的革命のモティーフが、
そうしたトリヴィアルな時代の残余と接触する瞬間に発する
閃光の集成といえるかもしれない。
〔……〕
訳者である池田が本書に賭けた並々ならぬ思いが伝わってくる。



〔姉妹書〕
nazismエルンスト・ブロッホ/池田浩士・藤原辰史・本庄史明訳

『ナチズム——地獄と神々の黄昏』

A5判上製424頁/4,500円+税
ISBN 978-4-89176-685-6 C0010 好評発売中!






ナチズム・ファシズムはいかにして批判可能なのか?
「もはや意識されていないもの」と「まだ意識されていないもの」を
キーワードに、ヒトラー政権下の日常を同時代の現場から批判し、
瞞着者たちの暴力と野蛮をあばきだした稀有な《思想的実戦》。
名著『この時代の遺産』に続く、1930年代論集、本邦初訳。