4月の新刊:シュルレアリスム,あるいは作動するエニグマ

2015年 4月 28日 コメントは受け付けていません。

無題
シュルレアリスム,あるいは作動するエニグマ
ジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロン 著
齊藤哲也 編
鈴木雅雄 ほか訳

A5判上製
376頁
定価=5000円+税
ISBN978−4−8010−0097−1 C0070 好評発売中!
装幀者=宗利淳一

シュルレアリスムは演出し,操作する。

アヴァンギャルドからも,モダニズムからも,逸脱してみせたシュルレアリスムは何をもって我々を誘惑゠挑発し続けているのだろうか。現実と表象が〈痙攣的〉に邂逅し,常に謎を作動させるディスクールを巧緻に読み解く,シュルレアリスム研究の泰斗の足跡。

【目次】
序――腐植土あるいは耕地としての言語
1 フランスにおけるシュルレアリスムの複数の斜面と複数のヴァージョン
2 おしゃべりと驚異――シュルレアリスム再考
3 非知としての未開状態から絶対知としての痙攣へ
4 雑誌の美学のために――『VVV』誌のシュルレアリスム的なページ,『ヴュー』誌によるシュルレアリスム的なページの消費
5 シュルレアリスムの領域における「もう一方の世界」,世界と言語の裏側
6 シュルレアリスムにおけるレトリックと神話的エクリチュール
7 シュルレアリスムにおける女性形のエクリチュールについて
8 交差するまなざし シュルレアリスムの提示/表象――雑誌をおもな舞台として
9 アンドレ・ブルトンの「他者」,ジャック・ラカン
10 ブルトン,アレント――政治的立場,あるいは政治的責任と思想?
編者あとがき

【著者/編者】
ジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロン(Jacquline Chénieux-Gendron)  1939年,フランスのトゥーレーヌ生まれ。元フランス国立科学研究所(CNRS)主任研究員。専攻,シュルレアリスム研究。著書にLe Surréalisme et le roman(L’Age d’homme, 1983),『シュルレアリスム』(星埜守之・鈴木雅雄訳,人文書院,1997年)などがある。

齊藤哲也(さいとうてつや)  1976年,北海道生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在,明治学院大学准教授。専攻,シュルレアリスム研究。著書に『零度のシュルレアリスム』(水声社,2011年),『ヴォルフガング・パーレン――幻視する横断者』(水声社,2013年)などがある。

【関連書】
零度のシュルレアリスム/齊藤哲也/2500円+税
シュルレアリスム美術を語るために/鈴木雅雄+林道郎/2800円+税

***
この度、著者のジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロン氏が来日され、講演会が以下のように行われました。

★2015年4月21日(火) 18:00〜19:30
場所:東京大学 本郷キャンパス 法文1号館3階317教室
題目:「つぶやきとしての声か、言葉のあり方としての声か:ある主体の構造について ――ブルトン、フロイト、ヴァレリー」
(入場無料・予約不要・同時通訳なし)

★2015年4月24日(金) 18:00~
場所:早稲田大学 戸山キャンパス 39号館6階第7会議室
題目:「形態と不定形の弁証法は〈美学〉として成り立ちうるか? ――ダリ、マッソン、エルンスト」
(入場無料・予約不要・同時通訳なし)

Comments are closed.