絶賛発売中:『中上健次の「ジャズ」』
2013年 11月 12日
安岡真
四六判上製/256頁/定価=2800円+税
978-4-89176-993-2 C0095 絶賛発売中!
装幀=野本卓司
中上にとって「ジャズ」とは何か?
戦後生まれで初の芥川賞受賞者である中上健次。
彼の土台にあったもの、そしてたどりついたものはいったい何か?
ジャズ、芸能、神話、古典から中上の〈根〉を探る。
2013年 11月 12日
安岡真
2013年 10月 23日
コミュニズムの仮説
アラン・バディウ/市川崇訳
四六判上製/267頁/定価=3000円+税
978-4-89176-989-5 C0010 10月25日頃発売!
装幀=宗利淳一
21世紀の〈共産主義〉を闘え!
パリ・コミューン、文化大革命、五月革命……それらは果たして「敗北」だったのか? コミュニズムの「理念」の復権を試み、解放の政治の可能性を問う〈論争的〉状況論。
★
関連書
C. ドゥージナス+S. ジジェク 共産主義の理念 4500円+税
A. バディウ+N. トリュオング 愛の世紀 2200円+税
A. バディウ サルコジとは誰か? 2200円+税
2013年 10月 18日
さよならは何度でも
ガンと向き合った医師の遺言
ダヴィッド・セルヴァン=シュレベール/二瓶恵訳
四六判並製/190頁/定価1500円+税
978-4-89176-985-7 C0047 10月25日頃発売予定
装幀=齋藤久美子
優しさと感動に溢れたガン闘病記
ガンが発見されて以来、自ら考案した「ガン克服」法を実践し、人生を賭けてガンと闘ったフランス人医師が遺した最後の言葉。家族や友人たち、すべての愛しいひとたちに〈さよなら〉を告げる希望に溢れたメッセージ。
「悲しい本というわけではない。だが、読み終わると胸が締め付けられる」
《Sud Ouest Dimanche》
《Elle》
《Gala》
《Le Quotidien du médecin》
2013年 10月 18日
9月下旬に小社より刊行された『長崎』の作者、エリック・ファーユさんのトークイベントを行います。
『長崎』は、日本で実際に起きた出来事を題材とし、長崎を舞台とした異色の現代フランス文学です。原書は2010年にアカデミー・フランセーズ小説大賞を受賞し、フランスでは30万部をこえるベストセラーとなりました。
作者のエリック・ファーユさんは日本ではまだほとんど知られていませんが、大の日本びいき。『長崎』でも、有明海の風景や、市街を走る路面電車、番茶からコンビニ弁当まで、さまざまなギミックが駆使され、記者出身の小説家ならではの綿密な取材にもとづく、リアルだけれどちょっと奇妙な小説世界が展開されています。
今回は訳者の松田浩則さんに聞き手と通訳をつとめていただき、『長崎』誕生の舞台裏、フランス人にとっての日本のイメージ、これからの文学のありかたなどについて、フランスの小説家としての視点から語っていただきます。
*
『長崎』刊行記念:エリック・ファーユさんトークイベント
フランス語で日本を書くということ
日時:2013年11月1日(金)19:00〜
会場:西武池袋本店別館9階 池袋コミュニティ・カレッジ28番教室
参加チケット:1000円(税込)
チケット販売場所:西武池袋本店書籍館地下1階リブロリファレンスカウンター
ご予約・お問合せ:リブロ池袋本店 03-5949-2910
※お電話でご予約いただくか、販売場所にてチケットをお求めください。
[講師紹介]
エリック・ファーユ(Éric Faye)1963年、リモージュ生まれ。ロイター通信の記者として勤務しながら、1990年より創作活動に入る。主な著書に、『わたしは灯台守』(Je suis le gardien du phare, 1997)、『雨の海クルーズ』(Croisière en mer des pluies, 1999)、『痕跡のない男』(L’Homme sans empreintes, 2008)などがある。本書『長崎』は、『朝日新聞』の2008年5月の記事に着想を得、日本での綿密な調査ののち、2009年2月から2010年4月にかけて執筆された。
松田浩則(まつだひろのり)
1955年、福島県いわき市生まれ。神戸大学大学院人文科学研究科教授。主な著書に、『ポール・ヴァレリー『アガート』訳・注解・論考』(共著、筑摩書房、1994年)、主な訳書に、ミシェル・トゥルニエ『海辺のフィアンセたち』(紀伊國屋書店、1998年)、ドニ・ベルトレ『ポール・ ヴァレリー』(法政大学出版局、2008年)などがある。
詳細はリブロ池袋本店のウェブページをご覧ください(*)
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長 崎
エリック・ファーユ/松田浩則訳
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/142頁/定価=1800円+税
978-4-89176-988-8 C0097 好評発売中!
侵入した女は何者なのか――
平凡な独身男性シムラは、ある日、自宅の押し入れに見知らぬ女が潜んでいることを知る。彼女はシムラに気づかれることなく、一年にわたってそこに住み続けていたというのだ。やがて少しずつ、彼女の過去が明らかになってゆく……。
舞台は現代の長崎。有明海の風景や、市街を走る路面電車、炊飯器からコンビニ弁当まで、さまざまなギミックが駆使され、リアルだが、どこか奇妙な小説世界が展開される。実際に起きた出来事を題材として、現代社会に生きる人々の孤独な宿命を描きだす、気鋭の著者の意欲作!
2013年 10月 18日
小社より昨年刊行された『ユダヤ小百科』(ユーリウス・H・シェプス編)が、日本翻訳家協会による第49回日本翻訳出版文化賞《翻訳特別賞》を受賞いたしました。(2013年9月10日発表。10月12日授賞式)賞を与えてくださった日本翻訳家協会、および鈴木隆雄先生をはじめとする訳者の方々に感謝いたします。
編者=ユーリウス・H・シェプス
2013年 10月 11日
別 れ
フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/168163頁/定価=2000円+税
978-4-89176-953-6 C0397 10月11日頃発売予定
〈フィクションのエル・ドラード〉 第4回配本はウルグアイの作家フアン・カルロス・オネッティの『別れ』(「この恐ろしい地獄」「失われた花嫁」の傑作短編を含む)をお届けします。
オネッティは書くという魔法によって、挫折を勝利に変えた。(マリオ・バルガス・ジョサ)
田舎町のホテルにひとりの男がやってきた。無愛想な人柄……若い娘との待ち合わせ……妻子の来訪…… 町人たちは噂し、疑り深い語り手は男の背景にひとつの物語を紡いでいくのだが……
語り手の視点から言葉巧みに読み手を作品世界へと誘い、作者自らこの作品を偏愛した秀逸な中編。
表題作のほか、モンテビデオで起きた実話を憎愛と復讐の物語へと変貌させた「この恐ろしい地獄」。婚礼というオブセッションに取り憑かれた狂女を幻想的に描いた「失われた花嫁」の傑作短編を収録。
〈フィクションのエル・ドラード〉
世界文学に依然として強烈なインパクトを放ち続けるラテンアメリカ文学。いまだ紹介されていない才能ある作家たちや評価の定まった巨匠たちの、とりわけ想像力に富む小説(フィクション)を中心に厳選し、文学シーンの最前線をお届けするシリーズです。
既刊好評発売中 (価格税別)
セルヒオ・ラミレス『ただ影だけ』……2,800円
フアン・ホセ・サエール『孤児』……2,200円
ホセ・ドノソ『境界なき土地』……2,000円
2013年 10月 11日
ヘブライ人キリスト
――福音書はいかにして成立したか
クロード・トレスモンタン/道躰章弘訳
A5判上製/364頁/定価5000円+税
ISBN978-4-89176-994-9 C0016 10月中旬発売予定!
福音書はヘブライ語で書かれた!
数世紀来、ギリシャ語で書かれた文書であるとの説が自明視されてきた新約聖書。しかし、福音書のテクストを厳密に読みほどくうちに、ヘブライ語文書にしか見られないはずの表現が散見されはじめた……。
フランス語、ギリシャ語、ヘブライ語を往還しながら、新約聖書の内奥に隠された真の姿「ヘブライ語文書」へと肉迫する、キリスト教研究の新たな境地を切り拓く画期的論考。
2013年 9月 20日
これは小説ではない
デイヴィッド・マークソン/木原善彦 訳
装幀=宗利淳一
四六判上製/320頁/定価=2,800円+税
978-4-89176-986-4 C0097 9月27日頃発売予定
これは小説か、あるいは究極の反小説か?
作家、芸術家を襲う病気、狂気、不遇、死因……トリビアルな伝記的記述が積み重ねられていく、未曾有の〈死の類別目録〉小説。ジョイス、ベケットに比せられる実験的な米国小説家デイヴィッド・マークソンの「まったく物語のない小説」。
2013年 9月 20日
マラルメと音楽
――絶対音楽から象徴主義へ
黒木朋興
A5判上製/504頁/定価=7000円+税
978-4-89176-981-9 C0098 9月25日頃発売予定
装幀=齋藤久美子
〈音楽〉の追求、あるいは文学への裏切り。
象徴主義を代表する詩人マラルメ、その韜晦な詩句は〈音楽〉といかなる関係をとり結んでいたのか? ヴァーグナーによる〈絶対音楽〉との影響から、ハンスリックら当時の音楽学者の理論を丹念に洗いなおすことにより、詩人と〈音楽〉の関係を刷新する意欲的な論考。
関連書〔価格税別〕
マラルメの〈書物〉 清水徹 2000円
祝祭としての文学 佐々木滋子 5000円
世紀末の白い爆弾 中畑寛之 8000円
〈彼女〉という場所 永倉千夏子 12000円
2013年 9月 20日
長 崎
エリック・ファーユ/松田浩則訳
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/142頁/定価=1800円+税
978-4-89176-988-8 C0097 9月25日ごろ発売!
侵入した女は何者なのか――
平凡な独身男性シムラは、ある日、自宅の押し入れに見知らぬ女が潜んでいることを知る。彼女はシムラに気づかれることなく、一年にわたってそこに住み続けていたというのだ。やがて少しずつ、彼女の過去が明らかになってゆく……。
舞台は現代の長崎。有明海の風景や、市街を走る路面電車、炊飯器からコンビニ弁当まで、さまざまなギミックが駆使され、リアルだが、どこか奇妙な小説世界が展開される。実際に起きた出来事を題材として、現代社会に生きる人々の孤独な宿命を描きだす、気鋭の著者の意欲作!
2013年 8月 21日
読者の皆様へ
日頃より小社刊行物をご愛読いただき、ありがとうございます。
小社はかねてより、取次店との間で、いわゆる「再販売価格維持契約」を締結し、定価販売を旨としてまいりましたが、一部の小売書店(とくにインターネット書店)がポイントサービスに名をかりた値引販売を行っているのはまことに遺憾です。
このたび小社は、10%という高率の値引販売を1年近くにわたって継続しているアマゾン社および同社に書籍を卸している日販、大阪屋に対して、8月6日付で、下記のような申し入れを行いました。かりにアマゾン社が値引販売をやめないのであれば、小社としては、更なる対応措置をとらざるを得ないと考えております。
なお、申し添えれば、小社の加盟しております日本出版者協議会の会員社50社以上が、同様の趣旨の申し入れを3社に対して行っております。
読者の皆様のご支持、ご支援をどうぞよろしくお願い致します。
2013年8月20日
(株)水声社 代表取締役
鈴木宏
*
申入書
貴社ポイントサービスから小社商品を除外してください
2013年8月6日
Amazon.com Int’l Sales, Inc. 御中
株式会社 水声社
代表取締役 鈴木宏
東京都文京区小石川 2—10—1
tel.03-3818-6040 fax.03-3818-2437
謹啓
日頃は、小社出版物の販売にご尽力いただき、誠にありがとうございます。
さて、貴社が昨年8月より、「〈Amazon Student〉プログラム」の名のもとに、10%ものポイントサービスを実施しつづけていることは、極めて遺憾です。ポイントカードによる販売行為は、公正取引委員会の判断をまつまでもなく、値引であり、再販売価格維持契約違反であることは明白です。同時に、契約を遵守されている書店との公正な競争を阻害し、ひいては、再販制度そのものを崩壊させかねません。これらの点につきましては、小社の加盟する日本出版者協議会が貴社に対して再三にわたり、問題を指摘し、改善を求めてきたはずですが、今日に至るも何らの改善もみられないのは、まことに遺憾です。小社としましては、貴社による値引販売をこれ以上放置することはできません。
つきましては、小社の出版物を貴社のポイントサービスの対象から1ヵ月以内に除外されるよう、お願い申し上げます。
なお、貴社が小社商品をポイントサービスの対象から除外しないということであれば、小社としましては、取次店に対して、小社商品の貴社への出荷を停止するよう指示することになる可能性もあり得ますことをあらかじめお知らせいたします。
誠に勝手ながら、小社要望につき、文書にて8月20日までにご回答いただきますようお願い申し上げます。
謹白
*
申入書
アマゾン・ポイントサービスから小社商品を除外するよう、アマゾンに対する指導を要望します
2013年8月6日
日本出版販売株式会社
代表取締役社長 平林彰 殿
株式会社 水声社
代表取締役 鈴木宏
東京都文京区小石川 2—10—1
tel.03-3818-6040 fax.03-3818-2437
謹啓
日頃は、小社出版物の販売にご尽力いただき、誠にありがとうございます。
さて、Amazon.com Int’l Sales, Inc.が昨年8月より、「〈Amazon Student〉プログラム」の名のもとに、10%ものポイントサービスを実施しつづけていることは、ご高承の通り、極めて遺憾な事態です。ポイントカードによる販売行為は、公正取引委員会の判断をまつまでもなく、値引であり、再販売価格維持契約違反であることは明白です。同時に、契約を遵守されている書店との公正な競争を阻害し、ひいては、再販制度そのものを崩壊させかねません。これらの点につきましては、小社の加盟する日本出版者協議会が貴社に対して再三にわたり、問題を指摘し、改善を求めてきたはずですが、今日に至るも何らの改善もみられないのは、まことに遺憾です。小社としましては、Amazon.com Int’l Sales, Inc.による値引販売をこれ以上放置することはできません。
つきましては、小社の出版物をAmazon.com Int’l Sales, Inc.のポイントサービスの対象から早急に除外するよう、Amazon.com Int’l Sales, Inc.に対して指導いただきますようお願い申し上げます。
なお、Amazon.com Int’l Sales, Inc.が小社商品をポイントサービスの対象から除外しないということであれば、小社としましては、小社商品のAmazon.com Int’l Sales, Inc.への出荷を停止するようお願いすることになる可能性もあり得ますことを、あらかじめお知らせいたします。
誠に勝手ながら、8月20日までに文書にてご回答いただきますようお願い申し上げます。
謹白
*
申入書
アマゾン・ポイントサービスから
小社商品を除外するよう、アマゾンに対する指導を要望します
2013年8月6日
株式会社大阪屋
代表取締役社長 南雲隆男 殿
株式会社 水声社
代表取締役 鈴木宏
東京都文京区小石川 2—10—1
tel.03-3818-6040 fax.03-3818-2437
謹啓
日頃は、小社出版物の販売にご尽力いただき、誠にありがとうございます。
さて、Amazon.com Int’l Sales, Inc.が昨年8月より、「〈Amazon Student〉プログラム」の名のもとに、10%ものポイントサービスを実施しつづけていることは、ご高承の通り、極めて遺憾な事態です。ポイントカードによる販売行為は、公正取引委員会の判断をまつまでもなく、値引であり、再販売価格維持契約違反であることは明白です。同時に、契約を遵守されている書店との公正な競争を阻害し、ひいては、再販制度そのものを崩壊させかねません。これらの点につきましては、小社の加盟する日本出版者協議会が貴社に対して再三にわたり、問題を指摘し、改善を求めてきたはずですが、今日に至るも何らの改善もみられないのは、まことに遺憾です。小社としましては、Amazon.com Int’l Sales, Inc.による値引販売をこれ以上放置することはできません。
つきましては、小社の出版物をAmazon.com Int’l Sales, Inc.のポイントサービスの対象から早急に除外するよう、Amazon.com Int’l Sales, Inc.に対して指導いただきますようお願い申し上げます。
なお、Amazon.com Int’l Sales, Inc.が小社商品をポイントサービスの対象から除外しないということであれば、小社としましては、小社商品のAmazon.com Int’l Sales, Inc.への出荷を停止するようお願いすることになる可能性もあり得ますことを、あらかじめお知らせいたします。
誠に勝手ながら、8月20日までに文書にてご回答いただきますようお願い申し上げます。
謹白
2013年 8月 9日
平素より小社の刊行物にご声援を賜り、誠にありがとうございます。
小社は8月12日(月)より16日(金)まで
夏期休業をいただき、19日(月)より、通常通り営業を開始いたします。
期間中ご不便をおかけすることもあるかと存じますが、
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
2013年 7月 22日
小社より好評発売中の『ジョルジュ・バタイユ——神秘経験をめぐる思想の限界と新たな可能性』の著者、岩野卓司さんによる公開講義が行われます。中沢新一さんが所長となって立ち上げられた、明治大学の「野生の科学研究所」(*)にて、3回にわたって行われますので、ふるってお運びください。
第一回「贈与の現象学」
講師:岩野卓司
コメンテーター:中沢新一
日時:2013年7月31日(水)18:00〜
場所:明治大学野生の科学研究所
資料代:500円
明治大学野生の科学研究所では、本学教授岩野卓司先生を講師に招き、「贈与の哲学ージャン・リュック=マリオンの思想」と題する公開連続講座を行います。この研究会は、これまで当研究所が主として行って来た人類学・社会学・経済学の方向から、現代における「贈与」の主題の重要性についての研究に、現代フランス哲学を代表する一人であるジャン・リュック=マリオンの思想を考察することによって、さらに新しい展望を開こうという試みです。
マリオンはハイデッガーの強い影響のもとに現象学を研究してきた哲学者であり、同時にカトリック神学・哲学の奥深い研究者としても知られている。「存在」と「贈与」のつながりに今までにない視点からの探求が進められ、デリダの贈与論批判に対して、強力な批判の論陣を張ってきたことでも知られています。
日本にまだあまり知られていない、このマリオンの思想について、岩野先生による解説をふまえ、贈与の研究をさらに深化させていくための方向性を開いていきます。
第1回 贈与の現象学
交換と贈与。(モース、レヴィ=ストロース、バタイユ)
哲学における贈与論(ハイデッガー、デリダ)
形而上学(存在-神学)批判
現象学とその神学的転回
フッサールの「原理のなかの原理」と〈贈与〉(donation)
自然的態度の変更 :エポケー(主体、客体、対象性、存在者、存在者性の還元):贈与(don)から〈贈与〉(donation)へ
出来事と偶然
飽和した現象(phénomène saturé):啓示
贈与される者(l’adonné):主体に先立つもの、応答、責任
(主に扱うマリオンのテクスト:Réduction et donation, Etant donné )
第2回 デリダVSマリオン:贈与をめぐる論争
デリダ:贈与の不可能性
マリオン:贈与(don)と〈贈与〉(donation)の差異
可能性の条件と出来事:アプリオリ(言語)と絶対的アポステオリ(経験)
現前性なき現前者の可能性
コーラ(場)と否定神学
Es gibt:「ある」
啓示(Offenbarung)と開示(Offenbarkeit)
(主に扱うマリオンのテクスト:Etant donné, Figures de phénoménologie)
第3回 キリスト教と贈与
偶像(idole)と聖像(icône):不可視なものの可視化と可視を通して不可視のものを表現すること
存在なき神:×を施された神:贈与としての神
愛:贈与
聖体の秘跡と時間論:イエスの死と復活をベースにした「過去」と「未来」
中心の時間論:現在は神の贈与の結果
キリスト教の哲学:発見的思考
(主に扱うマリオンのテクスト:L’idole et la distance, Dieu sans l’être)
伝統への反逆者、バタイユ。
その思想はアリストテレスから続く、伝統的な哲学の系譜・形而上学に裏付けられ、またそれを乗り越えるものだった……。バタイユの経済理論、哲学・文学作品を精査し、形而上学そのものを問い直しながら、その「外」へと開かれた「経験」の思想をあばく、極限の哲学。
2013年 7月 22日
日系人を救った政治家ラルフ・カー
——信念のコロラド州知事
アダム・シュレイガー/池田年穂訳
四六判上製/456頁/定価=4500円+税
978-4-89176-973-4 C0022 好評発売中
「〈ニッポン人〉を傷つけるなら、まず〈私〉を傷つけよ!」
第二次世界大戦中、政治的キャリアを犠牲にしても、合衆国憲法に則って日系人を擁護した政治家がいることを、いま、どれほどの人が知っているだろうか……。
*
《ラルフ・カーはアメリカの杉原千畝である。(……)第二次大戦中、合衆国民を差別することは憲法に反するという確固とした信念から各州が嫌がった日系人を引き受け、収容にも反対した。(……)カーは頑固な男だったのだろう。でも信念を貫く時は頑固さが必要である。(……)いざというとき、いかに生くべきか、カーは我々に教えてくれる。》——藤崎一郎(前駐米大使)
2013年 7月 18日
薔薇の柩
山崎剛太郎詩集
A5判変形上製/56頁/定価=2500円+税
978-4-89176-983-3 C0092 好評発売中!
マチネ・ポエティク最後の詩人・山崎剛太郎。
95歳、研ぎ澄まされた瞳が見据える
過去と現在、生と死、そして愛、あるいは永遠……。
寂寥の現実と甘美な幻想とを巧みに交錯させながら、静かに過ぎゆく日常の時間を豊かに、そして壮絶にうたいあげた新作11篇にくわえ、敗戦直後に執筆された幻の未発表詩篇5篇を収録。
*
【既刊】
山崎剛太郎詩集 夏の遺言 3000円+税
2013年 7月 12日
境界なき土地
ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/176頁/定価=2000円+税
978-4-89176-952-9 C0397 7月16日頃発売予定
〈フィクションのエル・ドラード〉、第3回配本はホセ・ドノソの中篇小説『境界なき土地』をお届けします。
悪魔的精神世界に酔いしれろ!
大農園主ドン・アレホに支配され、文明から取り残され消えゆく小村を舞台に、性的「異常者」たちの繰り広げる奇行を猟奇的に描き出す唯一無二の〈グロテスク・リアリズム〉。バルガス・ジョサに「最も完成度の高い作品」といわしめたチリの知られざる傑作。
《錯綜した神経症的世界と豊かな文学的想像力》(マリオ・バルガス・ジョサ)
《そこに描き出された世界では、あらゆる生物が歪み、普通とされる次元を失っていきます。すべてがほとんど判別不可能な実体となり、道徳的、性的、感情的に正常とされるものの規範が意味を失って、バラバラと崩れ落ちていきます。》(ホセ・ドノソ)
〈フィクションのエル・ドラード〉
世界文学に依然として強烈なインパクトを放ち続けるラテンアメリカ文学。いまだ紹介されていない才能ある作家たちや評価の定まった巨匠たちの、とりわけ想像力に富む小説(フィクション)を中心に厳選し、文学シーンの最前線をお届けするシリーズです。
セルヒオ・ラミレス『ただ影だけ』……2,800円(価格税別)
フアン・ホセ・サエール『孤児』……2,200円(価格税別)
* お問い合わせの多い アレホ・カルペンティエル『バロック協奏曲』は鋭意作業中です。いましばらくお待ちください。
2013年 7月 12日
レーモン・クノー
2013年 7月 4日
2013年 7月 4日
2013年 6月 26日
バルザックが「私は書いたもののなかでもっとも美しい作品」と語った、『人間喜劇』の極北に位置しながら、『人間喜劇』全体に光を放射するバルザック文学の真骨頂!