11月の新刊:アートとエージェンシー——ある人類学的な理論《人類学の転回》

2025年 11月 21日 コメントは受け付けていません。

アートとエージェンシーアートとエージェンシー
ある人類学的な理論
《人類学の転回》
アルフレッド・ジェル(著)
内山田康・中谷和人・吉田ゆか子・深川宏樹・渡辺文(訳)

判型:A5判上製
頁数:435頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0938-7 C0010
装幀:宗利淳一
11月下旬発売!

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エージェンシーの迷路を進む思考
アルフレッド・ジェルは美学的な観点から芸術作品を評価することから徹底して距離を置き、芸術を人類学的観点から社会の関係項としてみなす。そしてジェルは世界のさまざまな地域の芸術に目を向ける。ポリネシアのイレズミ、切り裂かれたヴィーナス、アフリカの呪物、デュシャン……時間と空間を縦横無尽に駆けながらジェルは芸術作品を生み出した人々の認知の過程に迫っていく。



目次

序文(ニコラス・トーマス)
謝辞(シメラン・ジェル)
第1章 問題を定義する――ある芸術の人類学の必要性について
第2章 芸術のネクサス理論
第3章 芸術のネクサスとインデックス
第4章 芸術のネクサスにおけるインデックスの内旋
第5章 インデックスの創始
第6章 インデックス批判
第7章 分配された人格
第8章 様式と文化
第9章 結論 拡張した心

原注
訳注
参照文献
索引
訳者あとがき(内山田康)

著者について
アルフレッド・ジェル(Alfred Gell)
1945年生まれ、1997年没。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスなどで教鞭をとった。主な著書に、Metamorphosis of the Cassowaries: Umeda Society, Language and Ritual(1975, The Athlone Press)The Anthropology of Time: Cultural Constructions of Temporal Maps and Images.(1992, Berg)、Wrapping in Images: Tattooing in Polynesia.(1993, Oxford University Press)などがある。

訳者について
内山田康(うちやまだやすし)
1955年、神奈川県に生まれる。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス人類学博士課程修了。筑波大学名誉教授。専攻、社会人類学。主な著書に、『美しい顔――出会いと至高性をめぐる思想と人類学の旅』(春秋社、2024年)などがある。
中谷和人(なかたにかずと)
1981年、香川県に生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、京都先端科学大学非常勤講師。専攻、文化人類学。主な論文に、「物語る私のドローイング――ある心身障害者の例にみる、「線」が切り開く生の新たな可能性について」『文化人類学』81(3)などがある。
吉田ゆか子(よしだゆかこ)
1976年、京都府に生まれる。筑波大学大学院人文社会
科学研究科博士課程修了。現在、東京外国語大学准教授。専攻、文化人類学。主な著書に、『バリ島仮面舞踊劇の人類学――人とモノの織りなす芸能』(風響社、2016年)などがある。
深川宏樹(ふかがわひろき)
1981年、福岡県に生まれる。筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了。現在、神戸大学准教授。専攻、社会人類学。主な著書に、『社会的身体の民族誌――ニューギニア高地における人格論と社会性の人類学』(風響社、2021年、第50回澁澤賞、第21回日本オセアニア学会賞受賞)などがある。
渡辺文(わたなべふみ)
大分県に生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、同志社大学助教。専攻、文化人類学。主な著書に、『オセアニア芸術――レッド・ウェーヴの個と集合』(京都大学学術出版会、2014年、第14回日本オセアニア学会賞受賞)などがある。

関連書
部分的つながり/マリリン・ストラザーン/3000円+税
自然と文化を越えて/フィリップ・デスコラ/4500円+税
わたしの声――一人称単数について/アルフォンソ・リンギス/3200円+税

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