2025年 11月 5日
〈日本しま紀行〉(乾政秀=著)刊行開始!
[第1回配本]2025年11月(第1巻)
以下毎月1冊ずつ刊行。2027年3月頃完結予定。
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内容見本呈!

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〈日本しま紀行〉内容見本(
表面/
中面)
〈刊行にあたって〉
乾政秀
日本は島国である。本島と呼ばれる北海道、本州、四国、九州、沖縄本島の五島を中心に、国土地理院の調査によると14125の島がある。このうち人が住みかつ橋などで本島とつながっていない島は約320島に及ぶ。著者は現役生活引退後の2012年から約11年半をかけて、東京都小笠原村の硫黄島と南鳥島を除く321島(訪問時に無人島になっていた島も含む)を巡り、島の人々の暮らしと生業を調査し、記録に留めてきた。
島は海で隔絶していたから、かつて多くの島では、自然に依拠する自給自足の生活が営まれ、独自の文化を育んできた。日本列島は南北に細長く、亜寒帯から亜熱帯までを含むことから多様な生物が棲み、それぞれの水土に合わせた暮らしが成立していた。島の周りは海に囲まれているからどの島でも基本的に漁業が営まれ、そして平地や水が乏しい島では、「耕して天に至る」と形容されるように山の上まで段々畑を造成し、麦や芋が作られた。貧しかったが豊かな暮らしをしていたのである。
しかし、高度経済成長を境に島でも貨幣経済化が進むと、自給自足的な生活は放棄を迫られる。農作物は換金作物へと転換し、漁業は重要な現金収入源となった。そして島から都市へと人口が流出し、島の人口は減少、高齢化が進んだ。この間、無人島になった島も多い。島社会は日本社会の少子高齢化を先取りしたのである。
しかし島は、国益の確保、多様な文化や自然の維持、水産海洋資源の利用などのためにかけがえのない存在であり、無人島化を阻止し、島を再生させることはきわめて重要な課題になっている。若い人々の島への移住や新しい産業育成も芽吹き始めている。著者が旅をした21世紀前半は高度経済成長以前の島の暮らしを経験した最後の世代がまだ島で活躍していた時期であり、一方で新しい人材に入れ替わりつつあった時代ともいえる。本シリーズは21世紀前半のこうした時勢における日本の島々の暮らしの記録である。
〈本シリーズの特色〉
・海洋環境と水産業のコンサルタントとして、農水省や各地の漁協等への助言、指導に長年たずさわってきた著者が、民間人の住む日本のすべての有人離島をめぐり歩いた紀行文集。
・計321島のすべてについて島ごとに書きついだ紀行文を全17巻に集成。著者自身が撮影した写真も多数収録。
・荒波にさらされる島々の産業、文化、人々の暮らしのありさまを活写する珠玉の文章群。
46判並製8ポ1段組 各巻平均350頁程度
予価3000〜3500円(+税)
〈著者について〉
乾政秀(いぬいまさひで)
1948年、神奈川県に生まれる。県立横浜翠嵐高校、東京水産大学(現東京海洋大学)に学び、同大学大学院修士課程修了。株式会社水土舎代表取締役、最高顧問を経て、現在、同社相談役。主な著書に、『島の暮らしを支える漁業と生業』(青娥書房、2025年。漁業経済学会学会賞受賞)などがある。
〈各巻収録内容〉
第1巻「日本海の島々(Ⅰ)」……………………………8島
利尻島、礼文島、天売島、焼尻島、奥尻島、飛島、粟島(粟島浦村)、佐渡島
第2巻「日本海の島々(Ⅱ)」……………………………13島
舳倉島、島後島、中ノ島、西ノ島、知夫里島、萩大島、櫃島、相島、見島、蓋井島、六連島、馬島、藍島
第3巻「太平洋の島々(Ⅰ)」……………………………19島
気仙沼大島、出島、江島、金華山、網地島、田代島、寒風沢島、野々島、桂島(塩竃市)、朴島、伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島
第4巻「太平洋の島々(Ⅱ)」……………………………17島
父島、母島、硫黄諸島、初島、佐久島、日間賀島、篠島、上島、答志島、菅島、坂手島、渡鹿野島、間崎島、中の島、沖島、手羽島、戸島
第5巻「太平洋の島々(Ⅲ)」……………………………17島
沖の島、鵜来島、八幡浜大島、戸島、嘉島、日振島、竹ケ島、地無垢島、保戸島、大入島、大島(佐伯市)、屋形島、深島、黒島、島野浦島、大島(南郷町)、築島
第6巻「瀬戸内海の島々(Ⅰ)」……………………………23島
伊島、沼島、男鹿島、家島、坊勢島、西島、鹿久居島、頭島、大多府島、鴻島、長島、前島、黒島、黄島、犬島、小豆島、沖之島、豊島(土庄町)、小豊島、石島、大島、男木島、女木島
第7巻「瀬戸内海の島々(Ⅱ)」……………………………25島
石島、直島、向島、屏風島、牛ケ首島、六口島、松島、小与島、本島、牛島(丸亀市)、広島、手島、小手島、高見島、佐柳島、志々島、粟島(三豊市)、高島(笠岡市)、白石島、北木島、真鍋島、大飛島、小飛島、六島(笠岡市)、走島
第8巻「瀬戸内海の島々(Ⅲ)」……………………………23島
百島、伊吹島、新居大島、高井神島、魚島、弓削島、豊島、佐島、生名島、岩城島、津波島、赤穂根島、津島、鵜島、来島、小島、馬島、比岐島、小大下島、大下島、斎島、安居島、鹿島
第9巻「瀬戸内海の島々(Ⅳ)」……………………………18島
細島、小佐木島、佐木島、大久野島、大崎上島、生野島、長島、契島、三角島、情島、津和地島、怒和島、中島、二神島、野忽那島、睦月島、興居島、釣島
第10巻「瀬戸内海の島々(Ⅴ)」……………………………22島
金輪島、似島、厳島、阿多田島、端島、柱島、前島、黒島、浮島、情島、笠佐島、平郡島、八島、馬島、佐合島、牛島、祝島、黒髪島、大津島、野島、姫島、青島
第11巻「玄界灘の島々」……………………………17島
地島、宗像大島、相島、能古島、玄界島、小呂島、姫島、対馬島、海栗島、赤島・泊島、沖ノ島(対馬市)、島山島、壱岐島、若宮島、原島、長島(壱岐市)、大島(壱岐市)
第12巻「東シナ海北部の島々」……………………………31島
高島(唐津市)、神集島、小川島、加唐島、松島、馬渡島、向島、飛島(松浦市)、黒島、青島、的屋大島、度島、高島(平戸市)、宇久島、寺島、小値賀島、六島、野崎島、納島、斑島、黒島、小値賀大島、高島(佐世保市)、黒島(佐世保市)、江島、平島、松島、池島、高島(長崎市)、端島、竹ノ島
第13巻「五島列島」……………………………18島
中通島、頭ケ島、桐ノ小島、若松島、漁生浦島、有福島、日島、奈留島、前島、久賀島、蕨小島、椛島、福江島、島山島、嵯峨ノ島、赤島、黄島、黒島
第14巻「天草・甑・大隅諸島」……………………………16島
湯島、横浦島、御所浦島、牧島、獅子島、桂島(出水市)、上甑島、中甑島、下甑島、新島、種子島、屋久島、口永良部島、竹島、硫黄島、黒島(三島村)
第15巻「トカラ列島・奄美群島」……………………………15島
口之島、中之島(十島村)、諏訪之瀬島、平島、悪石島、小宝島、宝島、奄美大島、喜界島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島
第16巻「沖縄諸島」……………………………18島
北大東島、南大東島、伊平屋島、野甫島、伊是名島、伊江島、水納島(本部町)、津堅島、久高島、粟国島、渡名喜島、座間味島、阿嘉島、慶良間島、渡嘉敷島、久米島、奥武島、オーハ島
第17巻「先島諸島」……………………………19島
宮古島、池間島、大神島、来間島、伊良部島、下地島、多良間島、水納島(多良間村)、石垣島、竹富島、西表島、鳩間島、由布島、小浜島、黒島(竹富町)、新城島、波照間島、嘉弥真島、与那国島