9月の新刊:脱近代宣言
2018年 9月 3日
脱近代宣言
落合陽一+清水高志+上妻世海(著)
判型:四六判並製
頁数:304頁
定価:2000円+税
ISBN:978−4−8010−0350−7 C0004
装幀:石塚俊
9月18日発売!
すべての近代人に捧ぐ
落合陽一が、同時代を疾駆する哲学者・清水高志、キュレーター・上妻世海とともに、脱近代、デジタルネイチャーの〈哲学〉、アート、仏教、あらゆる関心領域を語りつくし、応酬しあう。新しいカルチャーの誕生を予期させる、密度と速度と深い歓びに満ちた、歴史的会談!!
「近代の超克」がグローバリズムとローカルの対比や日本的デモクラシーの中で幾度となく議論されてきた。第二次世界大戦時のファシズムの接近から一部でレッテル貼りに使われてきたこの種の議論は、言語的な枠組みと歴史の意図的な振り返りや批評によって行われてきていたもので、テクノロジーや芸術論による非言語的アプローチによって、脱することを議論されたことは少ないのではないだろうか。
近代的な成長社会から成熟社会に臨んだ今、われわれはヒューマニズムの枠組みのなかの成長とは違った解釈を取りうるのではないだろうか。テクノロジーによるアプローチや、芸術的な美意識や価値の勃興に基づいたわれわれの文化的側面の再考は、平成の時代が終わろうとしている今、必要なことに思える。
この鼎談本を収録した際、非常に楽しいキャッチボールの時間になった。近代を超えるのではなく静かに脱して醸成するそう言った考え方は、今の世界の言語理解とは馴染まないところが多いかもしれない。しかし、インターネット以後、その計算機を用いた実装と人との間のフィードバックループは明らかに違ったカルチャーを生みつつある。そんな時代感を感じながら読んで頂ければ幸いだ。
――はじめに(落合陽一)より