1月の新刊:『ヌーヴェル・ヴァーグの全体像』

2014年 7月 30日

ヌーヴェルヴァーグ書影ヌーヴェル・ヴァーグの全体像

ミシェル・マリ

矢橋透訳

四六判上製/280頁/定価=2800円+税

ISBN978-4-8010-0015-5 C0074 好評発売中

装幀=齋藤久美子

1950年代末のフランス、旧来の映画製作の常識を根底から覆す「新しい映画」が続々と出現した。
その担い手となったのは、ゴダール、トリュフォー、シャブロル、ロメールといった若き映画監督たち、そしてアンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド、ジャン=ピエール・レオーら気鋭の役者陣であった……。
映画史上未曾有の大変動=革命《ヌーヴェル・ヴァーグ》。
誰もが知っているようで知らないその実態とは、いかなるものであったのか?
時代背景、経済状況、撮影技術、美学、監督、俳優・女優……さまざまな側面からこの映画革命の真相/深層に迫る、最良の概説書。

【目次】


第一章 ジャーナリスティックなスローガン、新世代
一 『エクスプレス』のキャンペーン
二 映画批評誌のほうへ
三 ラ・ナープルでの討論集会
四 誕生の日付
五 陰鬱なる「若きアカデミー」
六 1958年におけるフランス映画、現状一覧

第二章 批評的コンセプト
一 批評的流派
二 アレクサンドル・アストリュックによるマニフェスト
三 フランソワ・トリュフォーの攻撃文書
四 脚色の理論
五 『アール』の「一面記事」
六 作家政策
七 アメリカ映画というモデル
八 ひとつの「芸術流派」としてのヌーヴェル・ヴァーグ

第三章 製作・配給方法
一 経済的コンセプト
二 「システム外」製作の二本の低予算映画
三 経済的好調
四 補助金を受ける映画
五 超大作映画の告発
六 自主製作された映画
七 三人のプロデューサー
八 新旧世代の映画の興行成績比較

第四章 技術的実践、美学
一 ヌーヴェル・ヴァーグの美学
二 作家=監督
三 装置としてのシナリオ
四 脚本テクニックとしてのエクリチュールとの関係性
五 スタジオからの解放と場の再発見
六 録音・録画テクニック
七 編集
八 同時音声

第五章 新しいテーマと身体――登場人物と訳者
一 マリヴォーダージュと「サガンぽさ」
二 作家たちの世界
三 新しい世代の俳優たち
四 ヌーヴェル・ヴァーグの女優陣

第六章 国際的影響関係、今日に残る遺産
一 先駆的運動
二 ヌーヴェル・ヴァーグの外国への影響
三 ヌーヴェル・ヴァーグ、前衛映画、実験映画
四 運動の歴史的帰結、今日のヌーヴェル・ヴァーグ
五 作品の永続性
六 生誕50周年において

注/参考文献/訳者後記

【著者】
ミシェル・マリ(Michel Marie) 1945年生まれ。フランス国家博士(芸術学)。パリ第三大学教授。専攻、映画史。おもな著書に、『サイレント映画』(Le Cinéma muet, Cahiers du cinéma, 2005)、『ゴダールを理解する』(Comprendre Godard, travelling avant sur À bout de souffle et Le Mépris, Armand Colin, 2006)、『映画における大いなる倒錯者たち』(Les Grands pervers au cinéma, Armand Colin, 2009)、ジャック・オーモンらとの共著に、『映画理論講義』(武田潔訳、勁草書房、2000年)などがある。

【訳者】
矢橋透(やばせとおる) 1957年生まれ。筑波大学博士(文学)。岐阜大学教授。専攻、フランス文学、表象文化史。近年の著訳書に、『演戯の精神史』(水声社、2008年)、『〈南仏〉の創出』(彩流社、2011年)、ミシェル・ド・セルトー『ルーダンの憑依』(みすず書房、2008年)、ジャック・デリダ『留まれ、アテネ』(みすず書房、2009年)などがある。

【書評】
1950年代の映画界、新たな批評潮流、制作・配給システムから技術、美学の変容、新しいテーマや俳優たち、今日に残る遺産まで、未曽有の映画運動―革命の全体像が明らかに。(『出版ニュース』2014年3月中旬号)
著者マリは個々の作品の考察はむしろ控えめにし、映画人の自覚と矜持、彼らの多彩な表現に通じるものに目を向ける。「ヌーヴェル・ヴァーグの全体像」では脚光を浴びる以前の40年代の映画状況から、〝新しい波〟後も製作の炎を燃やし続けた半世紀近い彼らの足跡をたどっている。(林進一、『岐阜新聞』2014年3月22日付)
「ヌーヴェル・ヴァーグの全体像」では、特に映画の経済的側面、新旧世代の興行成績の比較も含め、起こったことの意味を多角的に伝えていく。(筒井武文、『フリースタイル』26号、2014年4月)
ミシェルは「経済的技術的な語りの力」で読む者の目から鱗を落としてくれる。その感触は、理論書や評論本の類よりもむしろヌーヴェル・ヴァーグ映画そのものに近い。あの「勝手にしやがれ」や「大人は判ってくれない」のようにリアルで、軽やかなスピード感があり、簡潔かつ具体的で、コクがあり、情熱もたっぷりだ。(渡辺幻、『キネマ旬報』2014年5月下旬号)
映画を撮ろうとする者の前に広がるのは、もはや処女地ではなく、無数の作品で埋め尽くされた賑やかで混沌とした風景なのである。その風景をしっかりと見据えることで、彼らは新たな道を切り拓いた。映画を撮ることが、映画を観て論じることと切り離せなくなった時代において。(谷昌親『図書新聞』2014年6月28日)

【関連書】[価格税別]
フランソワ・トリュフォーの映画  アネット・インスドーフ/和泉涼一+二瓶恵訳 4800円
トリュフォーの映画術  アンヌ・ジラン編/和泉涼一+二瓶恵訳 5000円
ロベール・ブレッソン研究  淺沼圭司 4000円
タルコフスキイの映画術  アンドレイ・タルコフスキイ/扇千恵訳 2500円
キェシロフスキ映画の全貌  マレク・ハルトフ/吉田はるみ+渡辺克義訳 3000円
ふたりのキェシロフスキ  アネット・インスドーフ/和久本みさ子+渡辺克義訳 3000円
ジーン・セバーグ  ギャリー・マッギー/石崎一樹訳 3500円
FBI vs. ジーン・セバーグ  J・R・ラーソン+G・マッギー/石崎一樹訳 2500円
フィルム・スタディーズ  グレアム・ターナー/松田憲次郎訳 2800円
ロシア・アヴァンギャルドの映画と演劇  岩本憲児 3000円

【矢橋透の本】[価格税別]
劇場としての世界 3500円
仮想現実メディアとしての演劇 4000円
演戯の精神史 2500円
世界は劇場/人生は夢 2800円(共著)

 

1月の新刊:『ウーリカ ある黒人娘の恋』

2014年 7月 30日

ƒE[ƒŠƒJƒWƒƒƒP’¼‚µウーリカ ある黒人娘の恋

クレール・ド・デュラス夫人

湯原かの子訳

四六判上製/104頁/定価=1500円+税

装幀=齋藤久美子

978-4-8010-0017-9 C0097 好評発売中

悲しいかな、私はもはや
誰にも属していなかったのです。
私は人類すべてに対して
異邦人だったのです!

18世紀、フランス革命のさなか、パリの貴族社会で愛に焦がれ、「悲恋」に存在を賭した黒人少女の、異色の愛の告白小説。
「内面は白人貴族として成長したにもかかわらず、シャルルへの恋をきっかけに自分の肌の色と黒人奴隷という出自を意識せざるをえなくなったウーリカの、外面と内面の乖離。〔……〕どこにも自分の場を見出せない永遠の異邦人としての宿命。いくら問いかけても答の得られない、この世の不条理と神の沈黙。ウーリカの苦悩と絶望、心を蝕む病理は、まさに20世紀の実存主義や精神分析を先取りしている、といっても過言ではない。」(訳者解説より)

【著者】
クレール・ド・デュラス夫人(Mme Claire de Duras) ブルターニュ地方の由緒ある貴族を父に、マルティニク島の富裕な一族出身の女性を母に、1777年、ブレストで誕生。女子修道院の寄宿学校で教育を受けるが、フランス革命期にルイ16世の処刑に反対した父が革命裁判所で死刑判決を受け、母とともに海外で亡命生活を送る。革命終結後、ルイ18世に仕えるデュラス公爵と結婚、王政復古後はサロンの中心的人物となり、スタール夫人やシャトーブリアンらと親しく交遊、みずからも創作活動に従事する。1828年歿。主な作品に、『ルイ16世の思索』、『エドゥアール』、『オリヴィエまたは秘密』、『サン=ベルナールの僧侶』、『ソフィーの日記』、『不可触賤民』、『アメリとポリーヌ』などがある。本書は、フランス文学において有色人種の女性を主人公にした最初の作品として、近年、再評価が著しい。

【訳者】
湯原かの子(ゆはらかのこ) 上智大学仏文学科卒。九州大学大学院、上智大学大学院を経てパリ第Ⅳ大学文学博士号取得。フランス文学・比較文学専攻。上智大学他非常勤講師。評伝作家。主な著書に、『カミーユ・クローデル――極限の愛を生きて』(朝日新聞社、1988)、『ゴーギャン――芸術・楽園・イヴ』(講談社、1995)、『絵のなかの生』(ミネルヴァ書房、2003)、『藤田嗣治――パリからの恋文』(新潮社、2006)、主な訳書に、テレーズ・ムールヴァ『その女(ひと)の名はロジィ――ポール・クローデルの情熱と受苦』(原書房、2011)などがある。

 

1月の新刊:《フィクションの楽しみ》『バルバラ』

2014年 7月 30日

バルバラバルバラ

アブドゥラマン・アリ・ワベリ

林俊訳

四六判上製/184頁/定価=2000円+税

装幀=宗利淳一

978-4-8010-0016-2 C0097 好評発売中
 
沈黙と苦痛に声を与える。
ジブチ文学の本邦初紹介。

死ぬ前に証言する、
消滅する前に書く。
植民地時代の悪弊、帝国主義列強の支配、氏族独裁主義の迷妄と内紛……
血塗られたジブチの歴史的悲劇、混迷する日常のなかで格闘する、ワイス、ディレイタ、ヨニス、アナブら4人の若者の抵抗を描く実験的心理小説。

【著者】
アブドゥラマン・アリ・ワベリ(Abdourahman A. Waberi) 1965年、ジブチ(当時はフランス領ソマリ海岸)の首都ジブチに生まれる。1985年、フランス政府の給費留学生として内地に赴き、カーンおよびディジョンに在住。しばらく教職に就いたのち、1994年、処女作『影のない国』(ベルギー王立アカデミー・フランス語圏文学大賞およびパリのアルベール・ベルナール賞受賞)、1996年、『遊牧民手帳』(アフリカ文学大賞受賞作)発表の頃から作家生活に入る。フランス語圏のポストコロニアル文学の旗手のひとり。ル・クレジオはノーベル賞受賞受諾スピーチをワベリに献呈した。『トランジット』(2003)、『アフリカ共和国』(2006)、『涙の通り道』(2009)など多数の作品が、すでに英語、ドイツ語等に翻訳され、高い評価を受けている。

【訳者】
林俊(はやしたかし) 1950年、広島県三原市に生まれる。通訳、翻訳業。日本文藝家協会会員。著書に、『アンドレ・マルロオの「日本」』(中央公論社、1993)、『小松清 ヒューマニストの肖像』(共著、白亜書房、1999)、編著に『藤尾龍四郎作品集』(ギャラリー毛利、1995)、訳書に、イエルーン・ブラウワーズ『うわずみの赤』(水声社、2001)などがある。

【林俊の本】
うわずみの赤 イエルーン・ブラウワーズ 1800円+税

 

中村真一郎の会 第9回総会のお知らせ

2014年 4月 21日

中村真一郎の会

第9回総会のお知らせ

2014年4月26日(土)

於:明治大学駿河台校舎

(リバティ・タワー7階,1075番教室)

[pm3:00~]

総会

[pm3:30~]

記念シンポジウム

〈マチネ・ポエティク〉と中村真一郎

パネリスト=安藤元雄・池内輝雄・菅野昭正・清水徹

司会=鈴木貞美 朗読=長谷川勝彦

* 今総会の議題は,①役員改選,②事業計画および決算,予算の承認,などを予定しています。

* 総会のあと,今回は,若き日の中村真一郎,福永武彦,加藤周一,原條あき子,窪田啓作などの〈マネチ・ポ

エティク〉グループが挑んだ日本語による定型押韻詩の試みを,今日の時点から振り返るシンポジウムを行い

ます。記念シンポジウムは会員は無料ですが,非会員の方は有料(1,000円)です。

* 総会への出欠を,同封の返信用葉書にて4月15日(火)までにご連絡下さい。なお,年会費(一口5,000円

[学生会員は2,000円,法人会員は20,000円])も,同封の郵便振替用紙にてお振込み下さい。欠席の場合に

は,同じ返信用葉書に委任する旨のチェックをお願いいたします。

[pm5:00~]

懇親パーティー

於:サロン燦

(明治大学駿河台校舎内,リバティ・タワー23F)

* 懇親パーティーは,会員も有料(5,000円)です。懇親会費は,当日,会場(サロン燦)入口の受付にてお支払

いください。出欠のご予定のみ,同封の返信用葉書にてご連絡ください。

* お問い合わせは,事務局(Tel.03-5689-8410 Fax.03-3818-2437 水声社内)にお願いいたします。

 

12月の新刊:『キアロスクーロ』

2013年 12月 17日

1106363872キアロスクーロ

 
 織江耕太郎

四六判上製/339頁/定価=2800円+税
978-4-89176-999-4 C0098  12月17日頃発売

 

鈴木邦男氏(一水会最高顧問)絶賛!
「3・11に至る日本の戦後を支配してきた原発利権が、ついにフィクションとして描かれた。この意味は大きい。」

 

「標的は……根っこだな。日本という国。」
原発利権との闘いを描く、骨太の書き下ろし900枚!

原発によって最愛のものを奪われた5人の男たち——。都心のナイトクラブ《キアロスクーロ》に巣食い、原発利権をむさぼる政治家、官僚、財界、マスコミ、そして電力資本の暗部を告発し、復讐を誓った彼らの命運は……?

 


 

[関連書]

日本原発小説集  
井上光晴/野坂昭如/豊田有恒/清水義範/平石貴樹  1800円+税

 

12月の新刊:『サーカスと革命』

2013年 12月 17日

サーカスと革命-カバーサーカスと革命——道化師ラザレンコの生涯

大島幹雄

装幀=西山孝司
四六判上製/272頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-976-5 C0074  12月中旬発売

 

革命に生き、革命に死んだ道化師の肖像

 20世紀初頭のロシア。
サーカスの力によって世界感覚の変革を試みた男たちがいた――。


ロシア革命の旗手として民衆の絶大な支持を集めた「赤い道化師」、ヴィターリイ・ラザレンコ。その波乱に満ちた生涯を追うとともに、彼の盟友として同時代のアヴァンギャルド芸術を力強く牽引したマヤコフスキイ、メイエルホリド、エイゼンシュテインらの足跡もたどる、臨場感あふれるドキュメント。また、革命期のロシアを再現する貴重な図版を約120点収録し、ロシア・アヴァンギャルドとは何だったのかを再検証する。

 

 

12月の新刊:第2期《ヘンリー・ミラー・コレクション》スタート!

2013年 12月 17日

《ヘンリー・ミラー・コレクション》第2期刊行開始!

大胆な性描写や、現代文明への批判にあふれた作風で 「性文学の巨匠」などと呼ばれるヘンリー・ミラー。小社で刊行されました《ヘンリー・ミラー・コレクション》の第2期が始まります! 第1期では収録されなかった中・短篇小説やエッセーなどを中心に、精選した不動の作品をお届けします。

 

『母』書影ヘンリー・ミラー・コレクション11

 母

小林美智代訳
装幀=宗利淳一
四六判上製312頁/定価3000円+税
ISBN978-4-8010-0000-1 C0398 12月16日頃発売 

 

 

第1回配本は中・短篇集『母』!

アメリカでの作家修業時代に書かれた「エヴァグレースへ」、旺盛な創作力にあふれた中期の作品「ニューヨーク往復」、ミラーを惹きつけた占星術師、コンラッド・モリカンを描いた後期作品「楽園の悪魔」、そして最晩年の「母」、「中国」。初期から最晩年までの作品5点を収録した、年齢を重ねるにつれて一個人として次第に円熟していくヘンリー・ミラーの実像を彷彿とさせる中・短篇集です。「楽園の悪魔」、「母」、「中国」は新訳、そして「エヴァグレースへ」と「ニューヨーク往復」は本邦初訳になります!

 



 

【同時配本】

さらにヘンリー・ミラー関連書として、
ホキ徳田著『ヘンリー・ミラーの八人目の妻』を同時配本!

 

8l–ڂ̍ȁƒJƒo[.inddヘンリー・ミラーの八人目の妻
ホキ徳田

装幀=宗利淳一
四六判上製416頁/定価3200円+税
ISBN978-4-8010-0006-3 C0095 12月16日頃発売

 

文豪ヘンリー・ミラーの最後の妻が、1960、70年代のロサンゼルスを駆け巡る! 
自由人ミラーの私生活とハリウッドの古き良き時代、そしてナイトクラブ開店騒動を描くドタバタエッセー集。

 

*ヘンリー・ミラー・コレクション第2期の内容見本は全国の書店で配布中です。

直接お申し込みいただくには、小社営業部へお願いいたします。郵便切手80円分を同封のうえ、

〒112-0002 文京区小石川2-10-1-202  水声社営業部・ヘンリー・ミラー内容見本係 まで

 

 

 

 

12月の新刊:『フランソワ・トリュフォーの映画』

2013年 12月 17日

トリュフォー書影フランソワ・トリュフォーの映画
アネット・インスドーフ
和泉涼一/二瓶恵訳

四六判上製/504頁/定価=4,800円+税
978-4-89176-975-8 C0074 好評発売中


 

緻密で刺激的、初の本格的作品論!

トリュフォー映画の基調をなすテーマとスタイルはなにか? ——みずみずしい初期の作品から自伝的なドワネル・シリーズ、そして晩年の傑作『終電車』まで、師と仰ぐヒッチコック/ルノワールとの比較を通してトリュフォー映画の魅力をあますところなく論じ尽くす。

 

関連書———価格税抜き

『トリュフォーの映画術』アンヌ・ジラン編/和泉涼一+二瓶恵訳 5,000円

『ロベール・ブレッソン研究 シネマの否定』淺沼圭司 4,000円

『ジーン・セバーグ』ギャリー・マッギー/石崎一樹訳 3,500円

『FBI vs. ジーン・セバーグ』J・R・ラーソン+G・マッギー/石崎一樹訳 2,500円

『ヌーヴェル・ヴァーグの全体像』ミシェル・マリ/矢橋透訳 2,800円(近刊)

 

11月の新刊:『マラルメの現在』

2013年 11月 28日

書影ラルメの現在

大出敦 編
執筆者=竹内信夫+立花史+松村悠子+永倉千夏子+中畑寛之+黒木朋興+坂口周輔+安川智子

 

 

A5判上製/400頁/定価=6000円+税
978-4-89176-991-8 C0098 11月28日頃発売予定

〈マラルメ〉とは何だったのか?


21世紀においてもなお色褪せない輝きを放ち続ける詩人マラルメ。
現代文学のみならず、様々な領域においてパラダイム変換をなしえた背景には19世紀の文化資本を共有していたという事実があった……。
同時代の言語学/韻文詩/音楽/写真などを詩人はいかに受容し、いかにそこから逸脱していったのか、最新の研究を踏まえながら多角的な視点から詩人の独創性に迫る。

関連書(価格税抜き)
祝祭としての文学——マラルメと第三共和制  佐々木滋子 5000円
マラルメと音楽——絶対音楽から象徴主義へ  黒木朋興 7000円
世紀末の白い爆弾——ステファヌ・マラルメの書物と演劇、そして行動  中畑寛之 8000円
〈彼女〉という場所——もうひとつのマラルメ伝  永倉千夏子 12000円

 

 

11月の新刊:『ミューリエル・スパークを読む』

2013年 11月 28日

1106356228ミューリエル・スパークを読む

大社淑子

 
装幀=齋藤久美子
四六判上製/302頁/定価=3200円+税
978-4-89176-998-7 C0098 11月28日頃発売予定

 

薫り立つ文体とエスプリ、
グロテスクなまでの人間模様……。

 いま、もっとも再評価が求められている英国の作家、ミューリエル・スパーク。有無を言わせない圧倒的な叙述によってエスカレートする、愛、諧謔、そして暴力。比類ない魅力をたたえたその文学を概観する、必携の作家論/作品論。

関連書

ドリス・レッシングを読む 大社淑子 3000円+税

 

 

11月の新刊:『ジョルジュ・エナン 追放者の取り分』

2013年 11月 28日

ジョルジュ・エナン=カバージョルジュ・エナン 追放者の取り分

《シュルレアリスムの25時》
著者=中田健太郎
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/296頁/定価=3000円+税
978-4-89176-768-6 C0398 11月28日頃発売予定

 
沈黙と雄弁の葛藤のうちに、詩と批評の現代的地平を切り開いた
エジプト・シュルレアリストの全貌!


 ニヒリズムの破壊的な明晰さ(イヴ・ボヌフォワ)

編集者、批評家、活動家、そして詩人……. 数多の顔をもつコスモポリタンにしてエジプト・シュルレアリスム運動の主導者、ジョルジュ・エナン。西欧諸国を渡り歩いた幼年時代、カイロの政治青年としての活動、ブルトンとの共闘と離別、そして祖国エジプトからの亡命—。詩篇を読解しながら波瀾万丈の生涯と思想の足跡をたどる。

 

《シュルレアリスム25時》全10巻、ついに完結!
既刊好評発売中!  *価格税別

ジョゼフ・シマ 無音の光 谷口亜沙子 3200円
クロード・カーアン 鏡のなかのあなた 永井敦子 2500円
マクシム・アレクサンドル 回心の不可能性 鈴木雅雄 2800円
ルネ・クルヴェル ちりぢりの生 鈴木大悟 3000円
ヴィクトル・ブローネル 燐光するイメージ 齊藤哲也 3500円
ロジェ・ジルベール=ルコント 虚無へ誘う風 谷昌親 3500円
ヴォルフガング・パーレン 幻視する横断者 齊藤哲也 3500円
ゲラシム・ルカ ノン=オイディプスの戦略 鈴木雅雄 2500円
ジャン=ピエール/デュプレー 黒い太陽 星埜守之 2500円

 

 

11月の新刊:『フローベールにおけるフォルムの創造』

2013年 11月 22日

9784891769970フローベールにおけるフォルムの創造

ジャン=ピエール・リシャール/芳川泰久+山崎敦訳

《批評の小径》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/248頁/定価=3000円+税
978-4-89176-997-0 C0098 11月下旬発売予定!


恋する者は、
液化するまえに、
愛のなかでねばつく。

「生地」(ペースト)と「ねばつくもの」(タール)をめぐり、
〈フローベール的存在〉の様態を鮮やかに描き出す。
20世紀文芸批評を一変させた主題論的批評(テマティスム)の核心的書物。

 

11月の新刊+イベント『秘められた生』

2013年 11月 13日


秘められた生_書影(帯無)秘められた生


パスカル・キニャール/小川美登里訳

《フィクションの楽しみ》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/520頁/定価=4800円+税
978-4-89176-996-3 C0097 11月中旬発売予定!

 

「目を閉じること」で愛がはじまる

〈かつての愛〉から、異郷を求めて自己、
外部へと〈出立〉(エクスタシー)する愛の物語。

ことばと沈黙、秘事、セクシュアリティの蠱惑から人間の官能と〈再生〉(ルネッサンス)に迫る愛のエクリチュール

 

*  *  *  *  *

 

来たる11月中旬、パスカル・キニャール氏が来日し、連日、対談・シンポジウム等が各所で行なわれます。上掲した渾身の最新作『秘められた生』も先行発売いたします。また、『秘められた生』のサイン会および『日本のうしろ姿』の著者クリスチャン・ドゥメ氏のトーク+サイン会は、日仏会館のシンポジウム会場にて開催いたします。是非、ご来場ください。

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《パスカル・キニャール 『秘められた生』サイン会》

11月16日(土)18時~ @日仏会館

 

《クリスチャン・ドゥメ トーク+サイン会》

◎ 11月16日(土)11時~ @日仏会館
「理解不可能なものの眩惑」(シンポジウムでの発表)

◎ 11月17日(日)15時~ @日仏会館
『日本のうしろ姿』トーク+サイン会(司会=千葉文夫、日本語通訳あり)

 

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《パスカル・キニャール イベント情報》

◎ 11月14日(木)18時~

「別れを告げる女」(→
(朗読:パスカル・キニャール/ピアノリサイタル:博多かおる)

アンスティチュ・フランセ関西 − 京都 稲畑ホール
(一般:800円、クラブ・フランス会員:500円/朗読はフランス語)
京都市左京区吉田泉殿町8 Tel: 075-761-2105

 

11月15日(金)19時~21時

「文学における「喪失」と「創造」」(→
対談:パスカル・キニャール+津島佑子(司会=川竹英克)

アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
東京都新宿区市谷船河原町15/Tel:03-5206-2500)
入場無料/フランス語・日本語(同時通訳付)

 

11月16日(土)10時~18時/11月17日(日)9時30分~15時

国際シンポジウム・プログラム「パスカル・キニャール——文学の東方(オリエント)」

事前申し込みは、右の日仏会館webサイト等にて(→
日仏会館(東京都渋谷区恵比寿3-9-25/Tel: 03-5421-7641)
入場無料/フランス語・日本語(同時通訳あり)
詳細はこちら→(

http://www.mfj.gr.jp/agenda/_data/P_Quignard_20131116-17_programme.pdf

 

11月16日(土)

本からスクリーンへ~ パスカル・キニャール原作映画上映会

14時~ 『めぐり逢う朝』(『アマリアの別荘』原作)(→

17時~ 『ヴィラ・アマリア』(『アマリアの別荘』原作)(→

アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ/入場無料

 

11月17日(日)18時~

語りと響き 「別れを告げる女」
(朗読:パスカル・キニャール/ピアノリサイタル:博多かおる)

アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ(→
一般1200円/学生・会員800円/フランス語

 

 

11月の新刊:『日本のうしろ姿』

2013年 11月 12日

日本のうしろ姿カバー日本のうしろ姿


クリスチャン・ドゥメ/鈴木和彦訳
《批評の小径》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/145頁/定価=2000円+税
978-4-89176-990-1 C0097 11月中旬発売予定!

 

私たちには見えない《日本》がここにある

日本について何の予備知識も持たないフランス人作家が、ある日突然、京都という町が見せる日本のイメージに直面することになった……。

古本屋、ATM、カラス、お花見、道路工事、クリーニング屋――私たちの日常生活にまぎれこんだ何気ない瞬間の数々が、今、新たな輝きを帯びて立ち現われる。批評でもありエッセイでもある、さらには小説や詩のようでもある、叙情的な日本論!

 

絶賛発売中:『Wあるいは子供の頃の思い出』

2013年 11月 12日

W Wカバーあるいは子供の頃の思い出

ジョルジュ・ペレック/酒詰治男訳

《フィクションの楽しみ》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/236頁/定価=2800円+税
978-4-89176-995-6 C0097 好評発売中!

 

13歳の少年が幻視する、オリンピック国家
W
(ドゥブルヴェ)のグロテスクな機構


少年時代の回想がときに微笑ましく、ときに哀切に綴られる「子供の頃の思い出」。世界の涯に位置し、オリンピックの理想がすべてを、個人の自由意思までをも支配する島の冷酷無慈悲な実体を描く「W」。

相異なる二種類のテクストが並行して進む、その先に横たわる全人類の悲劇とは……?

虚構と現実、歴史と記憶とが〈読むことによって〉架橋される、珠玉の読書体験を実現する平行世界モノの白眉にして、鬼才ジョルジュ・ペレックの痛切な自伝的小説!

 

2013年 11月 12日

kenji絵本で読みとく宮沢賢治

中川素子/大島丈志編

A5版上製/272頁/定価3500円+税
978-4-89176-987-1  C0095 絶賛発売中

 
没後80年——賢治作品の新たな魅力を探る

現代美術研究者、日本語・日本文学研究者、絵本学者、美術館学芸員、絵本編集者などさまざまな分野の執筆陣が画像化・絵本化された賢治ワールドを多彩な視点から読みとく。

すきとおったほんとうのたべもの 松田素子
宮沢賢治童話にみる夜の光と色の視覚化 久保村里正
抽象美術家による宮沢賢治童話の絵本化 中川素子
「雪わたり」からみる国語教育と賢治絵本 山本純子
いわさきちひろのなかに息づく宮沢賢治 上島史子
イメージの選択「銀河鉄道の夜」の場合 今田由香
絵本『気のいい火山弾』を考える 鈴木健司
小林敏也と「画本宮沢賢治」 笹本純
「注文の多い料理店」の絵本化に関する三つの考察 大島丈志
片山健と『狼森と笊森、盗森』 石井光恵
小林敏也『ポラーノの広場』を謎解きする 赤田秀子
賢治童話の絵本化 関口安義
「グスコーブドリの伝記」との「出会い」に絵本はどう関われるのか? 近藤研至
「銀河鉄道の夜」の映像化 加倉井厚夫
文字の絵本 風の又三郎 和田直人
ワークショップで表現する宮沢賢治の世界 齋藤正人
絵で表現することからはじめる「風の又三郎」の楽しみ方 清水早知子
「宮沢賢治絵本リスト」とその作成 藤倉恵一

 

絶賛発売中:『ブーニンの「眼」』

2013年 11月 12日

ブーニンーニンの「眼」
イメージの文学


宮川絹代
A5版上製/432頁/定価6000円+税
978-4-89176-984-0  C0098 絶賛発売中

 

すべては一瞬、すべては閃光……すべての中に美がある、美が!

ロシア初のノーベル文学賞詩人にして小説家のイワン・ブーニンの恋愛小説集『暗い並木道』『日射病』『ミーチャの恋』『最も美しい太陽』などを中心に恋愛、記憶、死を〈イメージ=具体的表象〉の視点から浮き彫りにしブーニン文学の不可視な本質にせまる。

 

絶賛発売中:『中上健次の「ジャズ」』

2013年 11月 12日

ƒJƒo[‘S‘́I中上健次の「ジャズ」

安岡真
四六判上製/256頁/定価=2800円+税
978-4-89176-993-2 C0095  絶賛発売中!
装幀=野本卓司

 

中上にとって「ジャズ」とは何か? 

戦後生まれで初の芥川賞受賞者である中上健次。
彼の土台にあったもの、そしてたどりついたものはいったい何か?
ジャズ、芸能、神話、古典から中上の〈根〉を探る。

 

 

10月の新刊:『コミュニズムの仮説』

2013年 10月 23日

4891769890コミュニズムの仮説

アラン・バディウ/市川崇訳
四六判上製/267頁/定価=3000円+税
978-4-89176-989-5 C0010  10月25日頃発売!
装幀=宗利淳一

 

21世紀の〈共産主義〉を闘え!

パリ・コミューン、文化大革命、五月革命……それらは果たして「敗北」だったのか? コミュニズムの「理念」の復権を試み、解放の政治の可能性を問う〈論争的〉状況論。



関連書
C. ドゥージナス+S. ジジェク 共産主義の理念      4500円+税
A. バディウ+N. トリュオング 愛の世紀         2200円+税
A. バディウ サルコジとは誰か?             2200円+税

 

 

10月の新刊:『さよならは何度でも』

2013年 10月 18日

‚³‚æ‚È‚çƒWƒƒƒP“üeŒ©–{さよならは何度でも
ガンと向き合った医師の遺言

 
ダヴィッド・セルヴァン=シュレベール/二瓶恵訳
四六判並製/190頁/定価1500円+税
978-4-89176-985-7 C0047 10月25日頃発売予定
装幀=齋藤久美子

 

優しさと感動に溢れたガン闘病記 

ガンが発見されて以来、自ら考案した「ガン克服」法を実践し、人生を賭けてガンと闘ったフランス人医師が遺した最後の言葉。家族や友人たち、すべての愛しいひとたちに〈さよなら〉を告げる希望に溢れたメッセージ。

 

「悲しい本というわけではない。だが、読み終わると胸が締め付けられる」

《Sud Ouest Dimanche》

 

「著者は大胆さと謙虚さ、そして溢れんばかりの愛情をもって闘い抜いた」

《Elle》

 

「勇気溢れるこの本は、われわれに人生を精一杯生きるためのの力を与えてくれる」

《Gala》

 

「読者たち、同じ病気で苦しんでいる人たち、家族、そしておそらくは医師たちに向けて、本当に伝えたかった人生の教訓がちりばめられた1冊」

《Le Quotidien du médecin》