10月の新刊:太陽の都市《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション6》
2025年 10月 3日 コメントは受け付けていません。
太陽の都市
トンマーゾ・カンパネッラ(著)
澤井繁男(訳)
判型:A5判上製
頁数:160頁
定価:2700円+税
ISBN:978-4-8010-0776-5 C0310
装幀:西山孝司
10月中旬発売!
《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション》(全6巻)完結!
教会とスペイン帝国に対し武装蜂起を企図したカトリック僧が、逮捕された獄中にて執筆したユートピア論。
神政政治、結婚と生殖の管理、財産の共有、卓越した科学技術……
混迷の17世紀イタリアで千年王国到来の予感とともに夢想する、原始共産制社会の驚くべきビジョン。
《土星の遠地点が「磨羯宮」に入り、水星のそれが「人馬宮」に入り、火星のそれが「処女宮」に入り、またカシオペア座で、新星が出現した後に大きな合が第一番目の三宮に戻るとき、新しい偉大な君主国の創建、法令や学芸の刷新、新たな預言者たちの誕生、それに大いなる改新が起こるだろう。それはキリスト教徒に大きな利益をもたらすと彼らはいう。だがまず世界は根こそぎ浄化され、それから再建、統合されるだろうさ。》 (本文より)
【目次】
太陽の都市
訳注
カンパネッラ略年譜
訳者解説
【著者について】
トンマーゾ・カンパネッラ(Tommaso Campanella)
1568年、南イタリアのカラブリアに生まれる。詩人、自然哲学者、自然魔術師、占星術師。詩作で頭角を現わし、14歳でドミニコ会士となるが、次第に異端思想に接近し、また、ガリレイの知遇を得て近代自然科学に触れる。預言者を自称して革命を計画するが、発覚して逮捕され、四半世紀におよぶ獄中生活のなかで著作の執筆を続ける。釈放後はフランスに亡命し、フランス宮廷に仕え、1639年、パリで客死。主な著作に、本書のほか、『太陽の都』(1602年)、『事物の感覚と魔術について』(1620年)などがある。
【訳者について】
澤井繁男(さわいしげお)
1954年、札幌市に生まれる。元関西大学文学部教授。専門はイタリアルネサンス文学・文化論。カンパネッラ関連の主な著書に、『ルネサンスの知と魔術』(山川出版社、1998年)、『評伝 カンパネッラ』(人文書院、2015年)などが、訳書に、カンパネッラ『ガリレオの弁明――ルネサンスを震憾させた宇宙論の是非』(工作舎、1991年。ちくま学芸文庫、2002)年などがある。
【関連書】
哲学詩集 カンパネッラ/澤井繁雄訳/2700円+税