10月の新刊:『南回帰線』物語——ヘンリー・ミラーと知られざるキリスト
2025年 10月 17日 コメントは受け付けていません。
『南回帰線』物語
ヘンリー・ミラーと知られざるキリスト
本田康典(著)
判型:四六判上製
頁数:277頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0937-0 C0098
装幀:齋藤久美子
10月下旬発売!
新しいヘンリー・ミラー
ネルヴァル、ニーチェ、ベルクソン、ロレンス、バルザック、ロマン・ロラン、ヘッセ、そしてブラヴァツキー夫人の諸著作との対話のなかで次第に自己の探究、アポテオシス(人間の神化)の探究へと向かうミラーの姿を、『南回帰線』はもちろん、公刊・未公刊の諸作品、資料からノート、メモ、書簡の類までをも博捜しつつ活写する。従来のミラー像を覆し、未聞のミラー像を提示する。
【目次】
第1章 『南回帰線』の主題はなにか?
第2章 ブリキのヘンリー・ミラー――〈肉〉から〈からだ〉への推移
第3章 『南回帰線』の執筆が開始されたのはいつか?
第4章 ジェラール・ド・ネルヴァルとヘンリー・ミラー――『オーレリア』と『南回帰線』……「彼女」の変身
第5章 『南回帰線』という題名と古代星学――蟹座、山羊座、竜座をめぐって
第6章 「ニーチェの再来」としてのヘンリー・ミラー
第7章 最初の作品『切断された翼』をめぐって
第8章 怪力無双のサムソン・ラッカワナとしてのヘンリー・ミラー
第9章 自己としての「幸福な岩」、あるいはアポテオシスを主張するヘンリー・ミラー
第10章 ヘンリー・ミラーのD・H・ロレンス批判――個性化の実現・成就
第11章 ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー夫人とヘンリー・ミラー――『沈黙の声』と『南回帰線』
第12章 アメリカのバルザックとしてのヘンリー・ミラー
第13章 ヘンリー・ミラーにおけるロマン・ロランとヘルマン・ヘッセ――知られざるキリスト
第14章 ウェスタン・ユニオン電信会社退職後のヘンリー・ミラー
終章 ノーベル文学賞を目指したヘンリー・ミラー
【著者について】
本田康典(ほんだやすのり)
1938年、熊本市に生まれる。早稲田大学大学院修士課程修了。宮城学院女子大学名誉教授。専攻、20世紀英米小説。主な著書に、『D・H・ロレンスとヘンリー・ミラー』(北星堂、1994年)、『ヘンリー・ミラーを読む』(共編著、水声社、2008年)、『「北回帰線」物語』(水声社、2018年)、主な訳書に、ヘンリー・ミラー『北回帰線』(2004年)、トゥインカ・スィーボード編『回想するヘンリー・ミラー』(共訳、2005年、ともに水声社)などがある。
【関連書】
『北回帰線』物語/本田康典/4500円+税