11月の新刊:亡命ロシア演劇——ウクライナ侵攻後の亡命演劇とロシア国内の演劇《水声文庫》
2025年 11月 20日 コメントは受け付けていません。
亡命ロシア演劇
ウクライナ侵攻後の亡命演劇とロシア国内の演劇
《水声文庫》
岩田貴(著)
判型:四六判上製
頁数:299頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0939-4 C0074
装幀:宗利淳一
11月下旬発売!
ロシア演劇2022-2025
ウクライナ侵攻開始後に亡命したロシア演劇人たちは、侵略を続ける祖国と混迷を極める世界情勢に対して、いかなる演劇を作り出しているのか? そして、国内にとどまった演劇人たちの運命は? 最新のロシア演劇のレポート。
【目次】
はじめに
第1部 亡命ロシア演劇
序章 ロシア・ウクライナ戦争とロシア演劇
Ⅰ ウクライナ侵攻前夜――ゴーゴリ・センターの一〇年
Ⅱ ウクライナ侵攻後のロシアの演劇状況――文化の中央集権化
芸術監督の辞任・解任
〈演出家の劇場〉から〈支配人の劇場〉へ
劇場の統廃合/演劇人同盟の改組
第1章 ロシアにおける亡命
Ⅰ ロシアにおける亡命の歴史
亡命の〈波〉
新しい亡命の波
Ⅱ ロシア人にとっての亡命
ノスタルジア
〈帰還〉への誘い
ボゴモーロフのエッセー
亡命者に対するロシア社会の見方
第2章 亡命した演劇人たち――それぞれの場合
Ⅰ 亡命した演出家たち
ドミトリイ・クルィーモフ
キリール・セレブレンニコフ
チモフェイ・クリャービン
ユーリイ・ブトゥーソフ
マクシム・ディデンコ
リマス・トゥミナス
ユリヤ・アウグ
マリーナ・ダヴィドワ
Ⅱ 亡命した俳優たち
チュルパン・ハマートワ
マクシム・スハーノフ
アナトリイ・ベールイ
マリヤ・マシコーワ
Ⅲ 亡命した劇作家たち
イワン・ヴィルィパエフ
ミハイル・ドゥルネンコフ
アーシャ・ヴォローシナ(エステル・ボール)
Ⅳ 亡命したフェスティバル、あるいは亡命者のためのイベント
亡命フェスティバル〈リュビーモフカ〉
〈読み合わせ〉の演劇化
Ⅴ とりあえずの総括
〈亡命演劇〉はロシア文化の一部
〈亡命演劇〉の主要テーマ
広がる〈亡命演劇〉
第2部 ロシア・ウクライナ戦争下の演劇――シーズンの総括
第1章 2021/2022年シーズン
Ⅰ 国内演劇
クルィーモフ作・演出『二人』
トゥミナス演出『戦争と平和』
マトヴェーエワ作・演出『異国の岸』
その他の注目作品
Ⅱ 亡命演劇
ハマートワ主演『追伸』
セレブレンニコフ演出『黒衣の僧』
第2章 2022/2023年シーズン
Ⅰ 国内演劇
『美しき勇士フィニスト』事件
古典への逃避
ソビエト回帰
ボゴモーロフ演出『新楽天的悲劇』
Ⅱ 亡命演劇
クリャービン演出『プラトーノフ』
セレブレンニコフ演出『ヴィイ』
クルィーモフ演出『断片』
第3章 2023/2024年シーズン
Ⅰ 国内演劇
『美しき勇士フィニスト』事件――続報
フォーキン作・演出『メイエルホリド。無縁の劇場』
ボゴモーロフ演出『バリ島の別荘の人々、あるいは三〇年後の〝アッサ〞』
モグーチイ演出『奴隷たち』
フョードロフ演出『犬の心臓』
Ⅱ 亡命演劇
ブトゥーソフの〈亡命演劇〉
クルィーモフ演出『ピーター・パン・シンドローム』と『レクイエム』
第4章 2024/2025年シーズン
Ⅰ 国内演劇
プロジェクト「特別軍事作戦(自分たちのこと)。ノンフィクション」
Ⅱ 亡命演劇
アレクサンドル・モロチニコフ
セレブレンニコフ作・演出『伝説』
クルィーモフ作・演出『狂人たちの日記』
注
亡命ロシア演劇を上演した劇場とその作品
図版出典一覧
索引
あとがき
【著者について】
岩田貴(いわたたかし)
1948年、東京都に生まれる。ロシア演劇研究家、翻訳家。主な著書に、『街頭のスペクタクル――現代ロシア゠ソビエト演劇史』(未来社、1994年)、『スラヴャンスキイ・バザアル――ロシアの文学・演劇・歴史』(水声社、2021年)、『現代ロシア演劇――ソ連邦崩壊からパンデミックとウクライナ侵攻まで』(水声社、2022年)などが、主な訳書に、『ロシア・アヴァンギャルド Ⅰ・Ⅱ』(共編訳、国書刊行会、1988年、1989年)、『メイエルホリド・ベストセレクション』(共訳、作品社、2001年)、スタニスラフスキー『俳優の仕事』全三部(共訳、未来社、2008-2009年)などがある。
【関連書】
現代ロシア演劇——ソ連邦崩壊からパンデミックとウクライナ侵攻まで 岩田貴/3200円+税