7月の新刊:『モダニスト ミナ・ロイの月世界案内』

2014年 8月 21日 コメントは受け付けていません。

ミナジャケモダニスト ミナ・ロイの月世界案内——詩と芸術

フウの会編
執筆・翻訳=高田宣子、吉川佳代、大久保誠、カーラー国見晃子、松沢英子、柳田昌子、ヤリタミサコ、吉田実登里、ロジャー・L・コノヴァー、高島誠
A5判上製/387頁+別丁図版8頁/定価=4000円+税 好評発売中
978-4-8010-0042-1 C0093
装幀=齊藤久美子

〈女たちよ、もしも自己実現したいなら……中途半端は許されない―—伝統でできたゴミ山の表面をひっかく程度では、改革はありえません。完全な廃棄しかないのです。〉

19世紀末にロンドンで生まれ、十代後半からパリ、フィレンツェで画家、女優、デザイナーとして活躍し、その後、詩集『ジョアンズへのラヴソング』『ライオンたちの戯れごと』などを発表したミナ・ロイは、エズラ・パウンド、T・S・エリオットらの賛辞を浴び、またマルセル・デュシャンにも影響を与え、ブランクーシ、ジョセフ・コーネルらとも親交をふかめた。その詩、散文の翻訳アンソロジーと研究者たちの論考によって、ロイの芸術家としての全体像を読み解き、その多面性を浮き彫りにする本邦初の試み。

【目次】
詩篇
散文
論考 月世界の案内人、ミナ・ロイの生涯 吉川佳代/ミナ・ロイ―—世紀の詩人 ロジャー・L・コノヴァー/「ジョアンズへのラヴソング」——逸脱する恋愛ポリティックス 吉川佳代/ミナ・ロイと与謝野晶子とフェミニストたち ヤリタミサコ/隠れた美を照らし出す 松沢英子/モダンの光跡——表現の探求者に捧げる 高田宣子/ミナ・ロイ―—月とランプシェイドの詩人 高島誠
年譜/参考文献/図版一覧
解説
編者あとがき

【執筆者、訳者】
高田宣子(たかたのりこ)東京都に生まれる。シカゴ大学大学院人文研究科修了。専攻、英語圏の女性詩人。現在、明治学院大学ほか非常勤講師。主な著訳書に、『英米文学の地平 W・ワーズワスから日系アメリカ人作家まで』(共著、金星堂、2012)、シルヴィア・プラス『湖水を渡って シルヴィア・プラス詩集』(共訳、思潮社、2001)、ジョン・ソルト『北園克衛の詩と詩学—―意味のタペストリーを細断する』(共訳、思潮社、2010)などがある。
吉川佳代(よしかわかよ)東京都に生まれる。サザンコネティカット州立大学英語学科修士課程修了。文学博士(昭和女子大学)。専攻、現代英米詩。現在、サザンコネティカット州立大学ほか非常勤講師。主な訳書に、アルベルト・マングェル、ジアンニ・グアダルーピ、高橋康也監訳『完訳 世界文学にみる架空地名大事典』(共訳、講談社、2002)などがある。

【関連書】
カミングズの詩を遊ぶ ヤリタミサコ+向山守編訳 2000円+税

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