書評『サルコジとは誰か?』(『週刊文春』)

2009年 7月 9日 コメントは受け付けていません。

フランスの構造改悪路線を推し進め、就任2年後の現在もなお同国に混沌と幻滅を
放ち続けるニコラ・サルコジ大統領。この国家元首に対して徹底批判によって応じたのが、
現代思想を代表する哲学者アラン・バディウによる
『サルコジとは誰か?——移民国家フランスの臨界』
です。

sarkozy2フランス国内では大きな話題となったベストセラー書ですが、
この美麗なジャケットの邦訳もおかげさまでスマッシュヒット中。
『週刊文春』(7/16号)には、簡にして要を得た、
きわめて明晰な書評が掲載されました。評者は気鋭の批評家、
廣瀬純氏(龍谷大学教員)。日本の現実ともけっして無縁ではない、
この大統領の今後を注視するうえでも、本書は必読です。
ぜひ全国の書店/ネット書店で手にとってみてください。
(編集部:naovalis)

いったい何がサルコジに権力を与え、彼の行動を支えているのか——
これが本書を貫く問いだ。/〔……〕グローバル資本への隷属を
「改革」の名のもとに推進し、過去との「断絶」を強調する——
これはまた、日本で我々が小泉純一郎とともに経験したことではなかったか。
本書は「小泉とは誰だったか」をより広い視野で再考するのにも役立つ一冊だ。


アラン・バディウ著/榊原達哉訳

『サルコジとは誰か?——移民国家フランスの臨界』

四六判上製224頁/定価=2200円+税 絶賛発売中!
ISBN978-4-89176-703-7 C0030

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