11月の新刊:三島由紀夫小百科

2021年 11月 8日

三島由紀夫小百科=カバー.indd三島由紀夫小百科
井上隆史、久保田裕子、田尻芳樹、福田大輔、山中剛史(編)
高沼利樹、藤田佑、鈴木ふさ子、佐藤秀明、梶尾文武、中元さおり、柳瀬善治、九内悠水子、有元伸子、田村景子、木谷真紀子、スティーヴン・ドッド、ダミアン・フラナガン、イルメラ・日地谷=キルシュネライト、レベッカ・マック、トマ・ガルサン、郭勇、南相旭、杉山欣也、三輪太郎、J・キース・ヴィンセント、奥畑豊、マイケル・K・ボーダッシュ、浜崎洋介、小松靖彦、村上克尚、武内佳代、山内由紀人、縄田雄二、エリック・ローラン(著)

判型:A5判上製
頁数:474頁
定価:7000円+税
ISBN:978-4-8010-0601-0 C0095
装幀:宗利淳一
人形制作・写真:石塚公昭
11月25日発売!

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黙示録の時代を生きるために

没後半世紀を経てますます詳らかになる三島由紀夫の人生、文学、思想、創造力、洞察力、後世への影響力と予言、さらには来るべき時代を根底から揺さぶる衝撃、未来への警鐘。
日に日に昏迷を深める現代世界を鋭く剔抉し、人類の明日を眩く照射する、三島文学が斬り拓く曠然たる沃野を今こそ見晴るかす。

秘蔵資料をふくむ豊富な写真・図版とともに作家の生涯を鳥瞰する[第Ⅰ部 略伝]
主要作品の概要と発表時の反響、今日そして今後の研究を整理する[第Ⅱ部 主要作品事典]
国内外における受容の状況と作家・作品研究の主要著作を解説する[第Ⅲ部 研究史・受容史]
新時代の三島研究に拓かれた豊饒なる可能性を論点ごとに展望する[第Ⅳ部 三島論の新潮流]


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11月の新刊:魔術的音楽のために――魂の宿す声、音に宿る神秘

2021年 11月 1日

魔術的音楽のために_書影魔術的音楽のために
魂の宿す声、音に宿る神秘
滑川英達(著)

判型:四六判上製
頁数:164頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0608-9 C0073
装幀:齋藤久美子
11月下旬頃発売!

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音楽゠肉体の形而上化
前近代における音楽の重要性を明らかにし、近代が抑圧した魔術的世界を呼び覚ます。
《宗教に対する忌避の感情、近代の「信念」は、同時に何かしらの聖なるものとしか呼びようのない事象への畏怖に対する、忘却という形をとった妄執を、その背景に持っています。
 現実というカオスと、これをコスモスと認識することなしには成立しない人間の「知覚」、そしてこの認識゠知覚を基礎とするカッコつきの「現実」。
 カオスとしての現実と、通常僕らが現実と呼んでいるもの、という二つの領域を繋ぎ止めているのが、宗教であり、音楽であると言えるのかもしれません。》
(本文より)
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11月の新刊:ハンス・ベルメール——身体イメージの解剖学

2021年 10月 20日

ハンス・ベルメール書影ハンス・ベルメール
身体イメージの解剖学
松岡佳世(著)

判型:A5判上製
頁数:338頁
定価:4500円+税
ISBN:978-4-8010-0606-5 C0070
装幀:Gaspard Lenski
11月中旬頃発売!

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〈交換可能〉な身体
ダダ・シュルレアリスムの運動を背景にしながらも、独自の芸術を探求し続けたハンス・ベルメール。人形のみならず版画・彫刻・デカルコマニーなど多様なメディアを通して取り組んだ「身体のイメージ」はいかなるものか? 
初期の人形写真、同時代作家との協働を通じて、制作者も含んだ身体の想像力の問題へと接続する制作・理論の両面を、「交換可能性」という視点から包括的に論じる。

《本書は人形制作も含め、ベルメールが最も旺盛な制作活動を見せた1930年代から60年代に焦点をあてて考察するものであり、その制作活動を網羅することや芸術家の生涯を概観することを目的とはしていない。人形制作を起点として定めることから始め、その後も様々な表現媒体に関わりながら一貫して「身体イメージ」に取り組み続けたベルメールの制作実践を、そこに底流していると思われるひとつの観点から記述してみようという試みである。》(「はじめに」より)

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10月の新刊:宮川淳とともに《水声文庫》

2021年 10月 14日

宮川淳とともに=カバー.indd宮川淳とともに
《水声文庫》
吉田喜重+小林康夫+西澤栄美子(著)

判型:四六判上製
頁数:164頁
定価:1500円+税
ISBN:978-4-8010-0604-1 C0070
装幀:宗利淳一
10月下旬頃発売!

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思い出の余白に
学生時代の宮川淳(みやかわあつし)と誰よりも親しかったのちの映画監督・吉田喜重が宮川との思い出を語ったインタビューと、哲学者・小林康夫が宮川、吉田の二人を戦後思想史のなかに位置づけるテクストを収録。薄明のなかから、宮川淳の後ろ姿が鮮やかに浮かび上がる。
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10月の新刊:フローベール 文学と〈現代性〉の行方

2021年 10月 14日

書影_フローベールフローベール 文学と〈現代性〉の行方
松澤和宏+小倉孝誠(編)

判型:A5判上製
頁数:399頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0602-7 C0098
装幀:宗利淳一
10月下旬頃発売!

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生誕200年記念!

現代文学の端緒を開いたフローベール。同時代への徹底した不信から文学への信を鍛え上げた作家の彫心鏤骨の作品世界は、膨大な書簡や草稿とともに、常に現代作家を虜にし、文学批評・研究の試金石となってきた。同時代を鋭く見抜き、未来の読者を待望するフローベールへ、既成の作家像を超えて迫る19のアプローチ!

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10月の新刊:恋愛のディスクール――セミナーと未刊テクスト《記号学的実践叢書》

2021年 10月 13日

恋愛のディスクール恋愛のディスクール
セミナーと未刊テクスト
《記号学的実践叢書》
ロラン・バルト (著)
桑田光平・桑名真吾・鈴木亘・須藤健太郎・内藤真奈・平田周・本田貴久・宮脇永吏(訳)

判型:A5判上製
頁数:562頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-489-4 C0098
装幀:中山銀士
10月下旬頃発売!


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バルトの思考の生成過程がここに!
大学の官僚主義や順応主義を逃れ、フランス思想に大きな影響を与えてきた、コスモポリタン的な教育機関である高等研究実習院で、1974年から1976年の2年間にわたって開講された「恋愛のディスクール」に関するセミナーの記録。
当初100あったフィギュールは80に縮減され『恋愛のディスクール・断章』として刊行されているが、2年間のセミナーと未刊テクストからなる本書では、バルトが展開した知的な作業の全体をまるごと見ることができ、バルトの創造の舞台裏が、講義から書物へ、口述から筆記への移行だけでなく、草稿からテクストへの変容の道筋が明らかとなる。

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10月の新刊:午前四時のブルー/Ⅳ いま、夜が明ける

2021年 9月 28日

四時のブルー4 書影午前四時のブルー
Ⅳ いま、夜が明ける
小林康夫(責任編集)

判型:A5判並製
頁数:128頁
定価:1500円+税
ISBN:978-4-8010-0344-6 C0370
装幀:Gaspard Lenski
10月上旬頃発売!

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水声社の新たな雑誌「午前四時のブルー」第Ⅳ巻、完結!
 本号では、音楽にまつわる特集として「いま、夜が明ける!――音楽の光」と題し、ソプラノ歌手・田中彩子さんとの対談をはじめ、指揮者・木許裕介さん、サクソフォン奏者・清水靖晃さんのテクスト、人気スタジオのエンジニア・オノ セイゲンさんなどのインタビューを掲載。
 巻頭は「スラッシュ」との邂逅を果たした詩人・吉増剛造さんの詩篇原稿を掲載。
執筆者=吉増剛造、田中彩子、木許裕介、髙山花子、齊藤颯人、オノ セイゲン、千種さつき、清水靖晃、イレーヌ・ボワゾベール、小林康夫
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9月の新刊:レトロの街

2021年 9月 24日

レトロの街_書影童話詩集 レトロの街
須田慎吾(著)

判型:四六判上製函入
頁数:230頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0589-1 C0092
装幀:西山孝司
9月下旬発売!

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詩と童話の統合を試みた文学的挑戦!
組曲を思わせる独自の形式、童話詩集。モザイク広場に集まる子どもたち、卵の中で空の飛び方を考えていた鳥族、夢を運ぶ南十字のシリウス、マカロン六番街を転がるまるめろ、そして玩具祭とオモチャ・オブ・ジ・イヤーの受賞式……口笛吹きの歌声からこだまする《レトロの街》の物語。
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9月の新刊:シュタイナー教育から“みふじ”の保育へ

2021年 9月 16日

シュタイナー教育からみふじの保育へ書影シュタイナー教育から“みふじ”の保育へ
高橋明男(著)

判型:四六判上製
頁数:240頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0597-6 C0037
装幀:齋藤久美子
9月下旬頃発売!

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那須みふじ幼稚園のあゆみ
日本で最初にシュタイナー教育をとりいれた那須みふじ幼稚園の45年をふりかえり、その地の環境・文化にシュタイナー教育がどのように作用していくのか、そしてこれからの幼児教育のあり方を、教諭へのインタビュー、年間行事、日々のカリキュラム等をとおして考察する。
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9月の新刊:その夏は忘れない

2021年 9月 16日

その夏ジャケ_入稿その夏は忘れない
ジャン・ペロル(著)
末松壽(訳)

判型:四六判上製
頁数:384頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0583-9 C097
装幀:齋藤久美子
9月下旬頃発売!

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混迷の時代の中、少年は〈生〉をつかむ
友情と別れ、性のめざめ、そして詩との出会い――
第二次世界大戦末期のフランスを舞台に、歴史の波に翻弄され、時代の狂気にのみこまれながらも懸命に生きる少年ジャノの成長を細やかに描く。
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9月の新刊:ゴンクール兄弟とその時代

2021年 9月 13日

ゴンクールゴンクール兄弟とその時代
斎藤一郎(著)

判型:A5判上製
頁数:584頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0596-9 C0098
装幀:滝澤和子
10月上旬発売!

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ベル・エポックに肉薄する!
爛熟を極めた19世紀パリの風俗を、鋭い観察眼と綿密な調査によって描き出した兄のエドモンと弟のジュール。文人たちとの交流、度重なる政治的動乱、娼婦の華々しい生活、ジャポニスムの隆盛……ゴンクール兄弟の生涯からあざやかに蘇る、フランスの真の姿。

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9月の新刊:ル・アーヴルから長崎へ

2021年 9月 10日

ル・アーヴルから長崎へル・アーヴルから長崎へ
パスカル・キニャール+小川美登里 (著)

判型:四六判上製
頁数:207頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0559-4 C0098
装幀:滝澤和子
9月下旬頃発売!

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瓦礫と化した、二つの街をつなぐ旅
甚大な戦禍を被った港町ル・アーヴルで、幼年期を過ごしたキニャール。
死者たちに寄り添い、創作を続けてきたゴンクール賞作家が、
失われた故郷を皮切りに、日本を、そして長崎を旅する。
日本の友人とともに書き下ろした、<人生>という旅の記録。
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9月の新刊:美女と野獣《人類学の転回》

2021年 9月 8日

美女と野獣_書影美女と野獣
《人類学の転回》
マイケル・タウシグ(著)
上村淳志+田口陽子+浜田明範(訳)

判型:四六判上製
頁数:285頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0595-2 C0010
装幀:宗利淳一
9月下旬発売!


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美容整形のエスノグラフィ!?
豊胸、ヒップアップ、フェイスリフト、脂肪吸引、ボトックス注射、処女膜再生……サトウキビ・プランテーションのひろがるコロンビアを舞台に、美容整形に身をゆだねる女たちと暴力に手を染める男たちが織りなす、《自然の支配》のおとぎ話。

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10月の新刊:ドゥルーズ=ガタリ

2021年 9月 8日

ドゥルーズ=ガタリドゥルーズ=ガタリ
資本主義、開起せよ、幾千のプラトー
中田光雄(著)

判型:A5判上製
頁数:402頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0591-4 C0010
装幀:宗利淳一
10月上旬発売!

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インドラ的-散開思考に栄えあれ!

『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』が資本主義に、歴史に、そして未来にもたらすものは何か――
社会的欲求充足レヴェルの精神分析とマルクス主義に見切りをつけ、人間の条件を裂開する分裂分析が見出す無償の産出衝動から地成学的開展を通って宇宙論的シンセサイザーへといたるプロセスに、人類の未来への変貌を託す試み。
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9月の新刊:モーリス・ブランショ——レシの思想

2021年 9月 8日

ブランショ 書影モーリス・ブランショ
レシの思想
髙山花子(著)

判型:四六判上製
頁数:289頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-00599-0 C0098
装幀:山崎登
装画:Dominique-Pierre Limon
9月下旬頃発売!

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言葉が表出する場としてのレシ
モーリス・ブランショがその批評と作品を通して追求した「レシrécit」=物語とはなにか。初期から晩年までその思想をたどることにより,言葉が《出来事そのもの》として表出する空間を明らかにする。

書評など
表象文化論学会 Newsletter「REPRE 44」 新刊紹介(伊藤亮太)
「artscape」2021年12月15日号レビュー(星野太)
東京大学東アジア藝文書院 ブログ(著者)
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9月の新刊:運命の謎

2021年 9月 8日

運命の謎運命の謎
小島信夫と私
三浦清宏(著)

判型:四六判上製
頁数:270頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0592-1 C0095
装幀:宗利淳一
9月下旬発売!

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小島信夫と歩んだ文学人生

異才の小説家・小島信夫の導きによって文学と生き方に目覚めた著者が、高度成長期の活況、小島との出会いと居候生活、小島文学誕生の舞台裏、みずからの文学修行と見えない世界への関心、そして「長男の出家」での芥川賞受賞にいたる〈出来の悪い弟子〉の道のりを豊かに語る。

***

私は懐かしい、楽しい気分で仕事をした。しかし話す内容を原稿として書いているうちに、これは単なる回顧録ではない、小島信夫という人物を通じて、自分がどう変わっていったか、どういう影響を受けたのか。それにはどういう意味があり、どう評価すべきなのか。いったい、自分にとって、小島信夫とは何者だったのか。そう考えるようになってきた。(「あとがき」より)
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9月の新刊:運動としての大衆文化

2021年 9月 8日

書影_運動としての大衆文化運動としての大衆文化
大塚英志(編)

判型:A5判上製
頁数:480頁
定価:6500円+税
ISBN:978-4-8010-0594-5 C0036
装幀:宗利淳一
9月下旬発売!

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文化と政治の結節点

現代のポピュラーカルチャーは,かつてのカウンターカルチャーに連なると同時に,戦時下のプロパガンダとも密接に結びついている。各種メディアが大衆の動員に向けて活用されてゆく戦前・戦中から,創作と需要が市場を軸に循環する現代のファンカルチャーまで,分断されたアカデミズムの近視眼を越えて政治的社会的水脈を掘り起こし,歴史のダイナミズムを捉える。
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8月の新刊:文学時評1941-1944

2021年 8月 24日

文学時評文学時評1941-1944
モーリス・ブランショ(著)
郷原佳以・門間広明・石川学・伊藤亮太・髙山花子(訳)

判型:A5判上製
頁数:576頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0492-4 C0098
装幀:滝澤和子
9月上旬頃発売!

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<ブランショ>以前のブランショ
第二次大戦期に『ジュルナル・デ・デバ』紙に連載された、小説、詩、評伝、比較神話学、歴史言語学、神学、文明論など多岐にわたるジャンルの文学時評。批評家、思想家として本格的に活躍する以前の、ブランショの思想の原点!
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8月の新刊:エクエ・ヤンバ・オー《フィクションの楽しみ》

2021年 8月 19日

エクエ書影エクエ・ヤンバ・オー
《フィクションの楽しみ》
アレホ・カルペンティエール(著)
平田渡(訳)

判型:四六判上製
頁数:264頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0593-8 C0097
装幀:宗利淳一
8月下旬頃発売!


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キューバ黒人の日常に浸透する呪術的な信仰
サトウキビ畑で生まれ育ち、人妻と恋におち、殺人未遂をおこすが、ヴードゥー教と繋がった秘密結社に入り、結社間の抗争にまきこまれてゆく青年メネヒルドの運命。
どんな出来事も魔術的な性格をおびているキューバの黒人社会を躍動的に描いたデビュー作。

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8月の新刊:わたしの声――一人称単数について《人類学の転回》

2021年 8月 17日

わたしの声_書影わたしの声
一人称単数について
《人類学の転回》
アルフォンソ・リンギス(著)
水野友美子・小林耕二(訳)

判型:46判上製
頁数:263頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0580-8 C0010
装幀:宗利淳一
8月下旬発売!

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こだまするリトルネロ
ことばによって、来るべき未来の幻に身をゆだね、計算や利害の支配する世界と訣別すること――。哲学、言語学、人類学、精神分析を横断しながら、かけがえのない〈わたし〉の存在をめぐる旅へ。

《わたしたちはひそかに、自分たちにはだれかのために差しだすキスや配慮があることを知っている。世の恋人たちがいまだかつて差しだしたことのない、優しさや興奮があることを知っている。わたしたちは高揚のなかで、いまだかつてだれも踊ったことのないダンスを踊れるよう自身の身体を鍛え鼓舞するだけの、強靱さと精神を持ち合わせていることを確かに感じとる。心のなかで、自分たちには革命にともなうあらゆる危険、失敗、残忍さに耐える心情や度胸があることを感じている。》(本書より)

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