12月の新刊:ジゼル・プラシノス――ファム=アンファンの逆説《シュルレアリスムの25時》第2期

2018年 12月 20日 コメントは受け付けていません。

ジゼル・プラシノスジゼル・プラシノス
ファム=アンファンの逆説
《シュルレアリスムの25時》
鈴木雅雄(著)

判型:四六判上製
頁数:312頁+別丁4頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0305-7 C0398
装幀:宗利淳一
12月21日発売!


少女は大人を追い抜いて、文学と絵画を去勢する。
14歳にして完璧な自動記述を披露した天才少女、ジゼル・プラシノス。鮮烈なデビューをよそに黙りこんだかのようにみえた彼女は、次第に奇妙な小説を、そして壁掛けの制作を通じて特異なイメージを産出した。子ども/大人の狭間で、また兄マリオとの複雑な関係のなかで、遅れてやってきたシュルレアリスムと出会いなおす、逆説的な生を追う!

《シュルレアリスムと出会ったものにとって、その出会いが幸運であったか不運であったかをいうのはいつでも難しいが、とりわけプラシノスの場合、その災厄と救済は一つに結びつき、この運動の意外な可能性を照らし出すだろう。彼女の物語はシュルレアリスムを、過ぎ去った時代の記憶から切迫した現在へと引き戻してくれるような、秘められた水路を再発見するための地図なのである。》(「序章」より)

目次
序章 女性とオートマティスム
第1章 シュルレアリスムにとってプラシノスとは誰か
第2章 プラシノスにとってシュルレアリスムとは何か
第3章 「本質的な女性」の物語
第4章 『ブルラン・ル・フルー』あるいはイメージの勝利
第5章 マリオ・プラシノス――オイディプスの遺言
第6章 時間/他者/老い
終章 「ファム=アンファン」の逆説
付録 『夢』/ジゼル・プラシノス
註/略年譜/書誌/図版一覧/あとがき

著者について
鈴木雅雄(すずきまさお)
1962年、東京都に生まれる。パリ第7大学博士課程修了(文学博士)。現在、早稲田大学教授。専攻、シュルレアリスム研究。著書に、『シュルレアリスム、あるいは複数する痙攣性』(平凡社、2006)、『マンガ視覚文化論』(共編著、水声社、2017)、訳書に、ジョルジュ・セバッグ『崇高点――ブルトン、ランボー、カプラン』(水声社、2016)などがある。

シュルレアリスムの25時(第2期)
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