2月の新刊:私は知っている

2019年 2月 4日 コメントは受け付けていません。

私は知っている 書影私は知っている
イト・ナガ(著)
中山慎太郎(訳)

判型:A5変形判上製
頁数:144頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0359-0 C0097
装幀:宗利淳一
2月下旬頃発売!

日常にひそむ思いがけない「驚き」と、謎に満ちた世界への「愛」に満ちた眼差し――
私は知っている。
知っているの。もうすぐ当たるって。
私は知っている。
知ってるわよ! 知っているってば! ほっといてよ!
私は知っている。
知ってるわ。
私はしっている。
私は知っている……

《私は知っている、人間はみな死ぬ運命にあり、それは私も同じだと。私は知っている、人生には終わりがあるので、人間はずっと苦しむのだと。「私は知っている」という言葉にまして果てのない言葉を思いつくだろうか。知っていても疑いをもってしまうのだ。もしかしたら私はすべてを知っているわけではないのか? 知らぬまに現状が出来上がっているのは、たぶん確かな理由があっても、気づいていないからだ。結末を知っているなら、人生に何かしらの価値があるのか? 私は知っている、そして、その知っていることに支えられ、ニーチェが言う意味において軽快に、陽気に生きなければならない。そして、平凡だと思ってしまうのものに注意をはらって生きなければならないのだ。》(「はじめに」より)


著者について
イト・ナガ(Ito Naga)
1957年生まれ。現在、国立科学研究センター(CNRS)などで水星について研究。イト・ナガというペンネームで、NGC 224(2013, Cheyne éditeur)、Iro mo ka mo, la couleur et le parfum(2010, Cheyne)、Les petits vertige(2017, Cheyne)などの作品を刊行している。本書『私は知っている(Je sais)』は、英語、ポルトガル語にも翻訳されている。

訳者について
中山慎太郎(なかやましんたろう)
1978年生まれ。現在、学習院大学、拓殖大学ほか非常勤講師。専門はフランス近現代詩。主な論文に、« La _gure du sujet lyrique dans la poésie contemporaine – Jacques Dupin, Philippe Jaccottet et Jacques Réda »(リヨン第二大学、2016 年)、« Philippe Jaccottet et le haïku » (学習院大学文学部『研究年報61輯』、2015 年)、「現代詩と写真――ジャック・レダ『パリの廃墟』における「写真」」(学習院大学人文科学研究所『HÉLIOGRAMME 2017』、2018 年)などがある。

関連書
『ぼくは思い出す』/ジョルジュ・ペレック/2800円+税
『これは小説ではない』/デイヴィッド・マークソン/2800円+税
『100兆の詩篇』/レーモン・クノー/2500円+税

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