6月の新刊:サンティアゴへの回り道

2019年 6月 21日 コメントは受け付けていません。

サンティアゴへの回り道サンティアゴへの回り道
セース・ノーテボーム(著)
𠮷用宣二(訳)

判型:四六判上製
頁数:374頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0437-5 C0098
装幀:宗利淳一
6月下旬発売!

旅人は何度も、横道に、横道の横道に誘われる――
キリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す「私」。たび重なる回り道と彷徨、そして思索の果てに彼は、スペインの歴史・風土・宗教・物語の坩堝、茫漠たる時空間の襞へと絡めとられていく……。
ノーベル文学賞の呼び声も高い現代オランダ文学の最高峰による、思索的/幻想的旅行記。

目次
アラゴンを通りソリアへ
名前と時代を通る旅
死と歴史の世界
隠された宝
いまだサンティアゴではない
女王は笑わない
金色と褐色と鉛色のささやき
ドン・キホーテの跡を追って――ラマンチャの道の旅
セゴビア
王と小人
金色の洞窟の中の黒いマドンナ
神の記憶の中の瞬間
ナバーラの冬の日々
ウォルター・ミュアー・ホワイトヒル
鳩がそれを知っているかもしれない
なぜ人々は東海岸より遠くへ行かないのか
過去は常に現在的であるが、一方で現在的ではない
クレオーンのための謎
レオン
私はとにかくスペインに身を捧げた
マチャドの風景
ロルカからウベダへ、ある午後の夢
グラナダからの別れ――盲人と文字
時の終わりへの途上に
到着

訳者あとがき

著者について
セース・ノーテボーム(Cees Nooteboom)
1933年、デンハーグ(オランダ)に生まれる。小説家、詩人、エッセイスト。主な小説に、『楽園はとなりにある』(Philip en de anderen, 1955)、『騎士の死』(De ridder is gestorven, 1963)、『儀式』(Rituelen, 1980. 邦訳=論創社、2017)、『仮象と存在の歌』(Een lied van schijn en wezen, 1981)、『木犀!/日本紀行』(Mokusei! Een liefdesverhaal, 1982. 邦訳=論創社、2010)、『オランダの山の中で』(In Nederland, 1984)、『板塀のうしろのブッダ』(De Boeddha achter de schutting, 1986)、『これから話す物語』(Het volgende verhaal, 1991. 邦訳=新潮社、1996)、『万霊節』(Allerzielen, 1999)など、旅行記に、『ベルリン覚書』(Berliner Notizen, 1991)などがある。

訳者について
𠮷用宣二(よしもちせんじ)
1952年、滋賀県に生まれる。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、東北学院大学教授(ドイツ文学)。訳書に、ルートヴィヒ・ホール『覚書――性急ではない和解について』(晃洋書房、2016)がある。

関連書
みどりの国 滞在日記 エリック・ファーユ/三野博司訳/2500円+税

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