7月の新刊:美術・神話・総合芸術――「贈与としての美術」の源へ

2019年 7月 26日 コメントは受け付けていません。

美術神話総合芸術美術・神話・総合芸術
「贈与としての美術」の源へ
《水声文庫》
白川昌生(著)

判型:四六判上製
頁数:270頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0440-5 C0070
装幀:宗利淳一
7月下旬頃発売!

いま、ここの総合芸術
ネアンデルタール人や初期ホモ・サピエンス、さらにはトロブリアンド諸島人の社会における〈アート〉の在り方を探究するとともに、19世紀から20世紀にかけてのヨーロッパを席巻した、モデルネの怒濤のような運動を超え、《総合芸術》へと向かう。現代美術家である著者による、芸術の根源への問い。

目次
1.記憶の外化としての〈言語〉・〈自由な手〉・〈道具〉
2.原初におけるアート/感情と知性/記憶の歴史の五段階
3.リズム/シンボル/教育と模倣
4.儀式/クラ/クラ交換と近代哲学/農作業における美
5.〈贈与の身体〉/物語と財宝/主体の消去から共鳴―覚醒へ
6.「神々の仕事」の再現/技術・技能・アート/全体性を生きる
7.呪術というアート/アートは無から生まれるのではない/古代インドの「64芸」
8.“art”の訳語/野生の思考/ブリコラージュ/神話的「アート」から「美術」へ
9.ツェーマンの「総合芸術」展/ガウディ・シュタイナー・デュナン……/アスコナ
10.種村季弘と「全体芸術」/上山安敏とウェーバー/「モデルネ」の運動
11.日本での「総合芸術」展に向かって

あとがき

著者について
白川昌生(しらかわよしお)
1948年、北九州市戸畑に生まれる。ストラスブール大学、エコール・デ・ボザール等に学び、1981年、国立デュッセルドルフ美術大学卒業(マイスター)。美術作家。前橋市立工科大学非常勤講師。ヨーロッパ、アジア、日本の各地で、個展、グループ展、多数。主な著書に『日本のダダ 1920-1970』(編著、1988/2005)、 『美術、市場、地域通貨をめぐって』(2000)、『美術・マイノリティ・実践』(2005)、『美術・記憶・生』(2007)、『美術館・動物園・精神科施設』(2010)、『西洋美術史を解体する』(2011)、『白川昌生 ダダ、ダダ、ダ』(アーツ前橋編、2014)、『贈与としての美術』(2014)、『芸術と労働』(共編著、2018、いずれも水声社)などがある。

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