11月の新刊:ペトラルカ恋愛詩選――『カンツォニエーレ――俗事詩片』から

2020年 12月 9日 コメントは受け付けていません。

ペトラルカ書影_掲載用ペトラルカ恋愛詩選
『カンツォニエーレ――俗事詩片』から
岩崎宗治(編訳)

判型:A5変型判上製クロス装
頁数:232頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0532-7 C0098
装幀:滝沢和子
12月上旬頃発売!

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イタリア・ルネサンスを代表する詩集『カンツォニエーレ』から49篇を選び,流麗な日本語に甦らせた稀有なアンソロジー。詩人の生涯と作品,そして後代への影響を探る編訳者による論考を付す。

《本書『カンツォニエーレ』がペトラルカ以後の抒情詩人たちの範例となりえたのは,ヨー ロッパの近代初期に自己の内面を深く意識するようになった人間の愛のさまざまな側面が,新鮮なイメージと洗練された筆致で描き出されていたからである。詩集の第一部でペトラルカは,美しく高貴で貞潔な女性ラウラに対する半ば宗教的な憧れと讃美を歌い,抑えがたい愛を告白し,第二部ではラウラ亡きあとの嘆きと喪失感を吐露し,死を前にして自らの魂の救済を聖母マリアに祈っている。
美しいイタリアの自然のイメージで飾られ,優雅な措辞で描かれたペトラルカの愛の世界にわれわれがまず認めるものは,突然詩人を襲いその自由を奪う〈愛〉の力,ラウラの美貌と貞潔の讃美,彼女を愛する喜びと報いられぬ苦しみ,である。》(編訳者の「解説」より)


目次
はじめに

ペトラルカ恋愛詩選
第Ⅰ部
ラウラに捧げる
第Ⅱ部
死せるラウラに捧げる
訳注

断章 『カンツォニエーレ』とソネットの伝統

あとがき

編訳者について
岩崎宗治(いわさきそうじ)
一九二九年,三重県に生まれる。名古屋大学岡崎高等師範学校,愛知学芸大学,ケンブリッジ大学大学院に学ぶ。長らく名古屋大学で教鞭をとった。Master of Letters(ケンブリッジ大学),文学博士(名古屋大学),名古屋大学名誉教授。専攻は,シェイクスピア,英米現代詩,二十世紀文学批評。
主な著書に,『シェイクスピアのイコノロジー』(三省堂,一九九四年),『シェイクスピアの文化史』(名古屋大学出版会,二〇〇二年),『薔薇の詩人たち』(国文社,二〇一二年),主な訳書に,W・エンプソン『曖昧の七つの型』(研究社,一九七四年/岩波文庫,二〇〇六年),T・S・エリオット『荒地』(岩波文庫,二〇一〇年),『英国ルネサンス恋愛ソネット集』(岩波文庫,二〇一三年),W・シェイクスピア『ソネット集と恋人の嘆き』(国文社,二〇一五年)等がある。

関連書
ピエリアの薔薇/沓掛良彦編訳/5000円+税
夜のガスパール アロイジウス・ベルトラン散文詩集/及川茂訳/4000円+税
ビリティスの歌/ピエール・ルイス/沓掛良彦訳/6000円+税
マチネ・ポエティク詩集/福永武彦・加藤周一ほか/4000円+税
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