3月の新刊:アートはどこへ行く? 小倉正史著作選集

2022年 2月 24日 コメントは受け付けていません。

アートはどこへいく?_書影アートはどこへ行く?
小倉正史著作選集
『小倉正史著作選集』編集委員会(編)

判型:A5判上製
頁数:334頁
定価:4500円+税
ISBN:978-4-8010-0631-7 C0070
装幀:太田琴美
3月上旬頃発売!

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不屈の批評
混迷する時代の中で、アーティストに何ができるのか。アートに何の意味があるのか。私たちはいかにアートと向き合い、そこから何を受け取るべきなのか。
時代状況に迎合することなく、アート、そして社会のあり方を鋭く問い続けた孤高のアナキスト―批評家の軌跡。


目次

Ⅰ 拡散するアートの場
今日の日本の芸術/二十世紀美術の展開/「今日の作家」展の二十五年/「アインロイヒテン」展――ベルリンの壁が崩れた日/「特異さ」からの脱却を――日本現代美術の海外展/海外展とナショナリズム/現代美術国際展 「ドクメンタ9」――精神性の回復めざす/国境のない現代美術/ポンピドゥー・センターの二十年/ヨーロッパからの8人/「パサージュ」展にみる傾向/西洋中心主義から離れて/プラテーア・デッルマニタ――人間の新しい舞台/現代美術と民族学――一九八九年「大地の魔術師」展がもたらしたもの/「ドクメンタ13」で思うこと――カオス的な現実を反映した展覧会

Ⅱ 不可視の権力を問う
盛大介の嘲笑/美術館と現代/展覧会と作品/アナキズムの美術とアンテルナシオナル・シチュアシオニスト/フィリピン社会の問題点写す役割/美術館でサヴァイヴァル・ツールの展覧会をすること/「パブリック・アート」ということ/アートの権力――問題提起のためのノート/場所に根づいたアート――カナダの地道な実践を見る/観客の独裁権

Ⅲ 問いかけるアーティスト
伊藤隆康の絵画/三木富雄の翼のある耳/三木富雄と現代美術の一断面/家具としての美術――岡崎乾二郎/美術する装置――宮島達男/クリスチャン・ボルタンスキー――土星の星の下に/サルキスと私、そのほか/柳幸典をめぐるノート/杉本博司 Time Sealed/エコロジカル・コンテキスト――磯辺行久の場合/ソフィ・カル――他者と共存する最善の方法/ラニ・マエストロ――To sleep, perchance to dream/影の側で/クロード・レヴェックの空間/ゼロセンターの思い出と坂口恭平のアート/眞島竜男の言葉から/美術の広がり――高橋家の物語

Ⅳ アートはどこへ行く?
ARTと社会/アーティストのサヴァイヴァル/アーティストの発見と紹介/エマージング・アーティスト/アーティストとキュレーター/架空講演の原稿――最初のメモ/アーティストになるには

初出・解題

【資料編】
主要著作文献一覧
『アトリエ』の仕事
アートレクチャー活動一覧
小倉正史年譜

小倉正史さんのこと 小澤洋一郎
あとがき

【別丁付録】
アートはどこへ行く?


著者について
小倉正史(おぐらまさし)
1934年千葉県生まれ。美術ジャーナリスト、美術評論家、インディペンデント・キュレーター、翻訳家。国際美術評論家連盟会員。82年より美術雑誌『アトリエ』編集長を務める(91年まで)。93年Tokyo Art Speak を設立して活動。94年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエを受勲。96年よりICPA北関東現代アート研究所所長を務める(98年まで)。以後、美学校、ヒグレギャラリー、若山美術館など各地でアートレクチャー活動を展開する。2020年3月1日、横浜港南台の済生会南部病院で没(享年85)。『現代美術 アール・ヌーヴォーからポストモダンまで』(海野弘との共著、新曜社、1988年)他、記事、評論、エッセイ、翻訳など多数。

関連書
現代美術/パラダイム・ロスト/中村敬治/5000円+税
現代美術/パラダイム・ロストⅡ/中村敬治/5000円+税
ミュージアムの憂鬱――揺れる展示とコレクション/川口幸也編/6000円+税

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