11月の新刊:マンガ探求13講

2022年 11月 10日 コメントは受け付けていません。

マンガ探求13講_書影マンガ探求13講
小山昌宏・玉川博章・小池隆太(編)

判型:四六判並製
頁数:409頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0679-9 C0095
装幀:齋藤久美子
11月下旬頃発売!

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拡張するマンガの世界
好評の前著『マンガ研究13講』を補完するマンガ研究の最前線。マンガ読解の基礎と応用を例示する第Ⅰ部、マンガ産業の流通から今後の課題を探る第Ⅱ部、グローバル世界のなかのマンガを論じた第Ⅲ部を通して、マンガ研究をアップデートする。



目次

まえがき

Ⅰ テクスト読解の基礎と応用

第1章――*画像描態論*
『テレビくん』にみる画像としてのマンガ 増田展大 

第2章――*描線創生論*
コマとアリストテレスの運動イメージ――楳図かずお『別世界』と高野文子『黄色い本』を例に 高橋明彦 

第3章――*描画生態論*
物語マンガの文字と描画はいかにして読解にかかわるのか?――形態学的描線論と生態学的描画論の統合可能性を探る 小山昌宏 

第4章――*物語生成論*
マンガにおける「語り」の生成 小池隆太 

第5章――*キャラクター論*
キャラクター論は、現実と表現の関係を問い続ける――現実の表象としてのキャラクターから、キャラクターという名の現実へ 足立加勇

Ⅱ 文化・産業におけるコミックの課題

第6章――*読者・読書論*
マンガ経験のさらなる探求に向けて――読者・読書論を超えて 池上賢
  
第7章――*翻訳文化論*
マンガ翻訳という場 原正人 

第8章――*産業労働論*
多数の「ある無名作家」から成るマンガ出版の場を巡って 玉川博章 

第9章――*出版流通論*
「マンガ流通」はいかに問えるか――マンガ流通論の可能性と現代的困難  山森宙史

Ⅲ グローバル化世界におけるコミックの現在

第10章――*バンド・デシネ論*
バンド・デシネのアルバムの規範化をめぐる問題 古永真一

第11章――*日仏制作流通論*
「日本」から「日本語」へ――マンガの国境をこえた展開に係る在仏マンガ出版社Ki-oonのケーススタディ 三原龍太郎・豊永真美 

第12章――*北米作品受容論*
「世界マンガ」としての『劇画漂流』――北米における辰巳ヨシヒロ像の構築 椎名ゆかり
  
第13章――*東南アジア文化論*
東南アジアのコミックと国造り トリシア・アビゲイル・サントス・フェルミン 

編者・著者について
小山昌宏(こやま・まさひろ)
筑紫女学園大学教授・自然医科学研究所研究員(情報メディア研究)。著書に『戦後「日本マンガ」論争史』(2007年)、『宮崎駿マンガ論』(2009年、以上、現代書館)、共編著に『マンガ研究13講』(水声社、2016年)、『アニメ研究入門【応用編】』(現代書館、2018年)など。
玉川博章(たまがわ・ひろあき)
日本大学、武蔵野美術大学ほか非常勤講師(文化研究、文化社会学)。共編著に『マンガ研究13講』(水声社、2016年)、共著に『アニメの社会学』(ナカニシヤ出版、2020年)、『メディア・コンテンツ産業のコミュニケーション研究』(ミネルヴァ書房、2015年)など。
小池隆太(こいけ・りゅうた)
山形県立米沢女子短期大学教授(記号学、メディア論)。共編著に『マンガ研究13講』(水声社、2016年)、共著に『メディア・コンテンツ・スタディーズ』(ナカニシヤ出版、2020年)、『アニメ研究入門【応用編】』(現代書館、2018年)など。

増田展大(ますだ・のぶひろ)
九州大学大学院芸術工学研究院講師(映像メディア論)。著書に『科学者の網膜――身体をめぐる映像技術論:1880-1910』(青弓社、2017年)、訳書に『映像が動き出すとき――写真・映画・アニメーションの考古学』(共訳、みすず書房、2021年)など。
高橋明彦(たかはし・あきひこ)
金沢美術工芸大学教授(日本文学、マンガ研究)。著書に『楳図かずお論――マンガ表現と想像力の恐怖』(青弓社、2015年)。論文に「別世界のその人――楳図かずおは最初から芸術家だった」(『楳図かずお大美術展[公式カタログ]』同制作委員会、2022年に所収)など。
足立加勇(あだち・かゆう)
立教大学ほか兼任講師(マンガ・アニメ研究)。著書に『日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象』(現代書館、2019年)、共著に『アニメの社会学――アニメファンとアニメ制作者たちの文化産業論』(ナカニシヤ出版、2020年)など。
池上賢(いけがみ・さとる)
拓殖大学准教授(メディア・オーディエンス研究) 著書に『〝彼ら〟がマンガを語るとき、』(ハーベスト社、2019年)、『マンガを知る――歴史と現状』(webjapanese、2021年)、共著に『アニメの社会学』(ナカニシヤ出版、2020年)など。
原正人(はら・まさと)
フランス語翻訳者。監修に『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』(玄光社、2013年)、訳書に、バスティアン・ヴィヴェス『年上のひと』(リイド社、2019年)、ダヴィッド・プリュドム『レベティコ――雑草の歌』(サウザンブックス社、2020年)など。
山森宙史(やまもり・ひろし)
共立女子大学専任講師(メディア史・サブカルチャー研究)。著書に『「コミックス」のメディア史――モノとしての戦後マンガとその行方』(青弓社、2019年)、共著に『パブリッシング・スタディーズ』(印刷学会出版部、2022年)など。
古永真一(ふるなが・しんいち)
東京都立大学准教授(表象文化論)。著書に『BD――第九の芸術』(未知谷、2010年)、訳書に、ティエリ・グルンステン『線が顔になるとき──バンドデシネとグラフィックアート』(人文書院、2008年)、パスカル・ラバテ『イビクス──ネヴローゾフの数奇な運命』(国書刊行会、2010年)など。
三原龍太郎(みはら・りょうたろう)
慶應義塾大学経済学部准教授(文化人類学、創造産業論)。著書に『ハルヒ in USA――日本アニメ国際化の研究』(NTT出版、2010年)、論文に“Involution: a perspective for understanding Japanese animation’s domestic business in a global context”( Japan Forum, Vol.32, Issue 1, 2020)など。
豊永真美(とよなが・まみ)
昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員(日仏文化交流)。共著に『日本のポップパワー』(日本経済新聞社、2006年)、論文に「パワーレンジャーをヒットさせた男――ハイム・サバンと日本のコンテンツ」(『一橋ビジネスレビュー 検証COOL JAPAN 2010年冬号』に所収)など。
椎名ゆかり(しいな・ゆかり)文化庁参事官付芸術文化調査官(メディア芸術担当)。訳書に、スコット・マクラウド『マンガ学――マンガによるマンガのためのマンガ理論』(復刊ドットコム、2020年)、ティー・ブイ『私たちにできたこと――難民になった少女とその家族の物語』(フィルムアート社、2020年)など。
トリシア・アビゲイル・サントス・フェルミン(Tricia Abigail Santos Fermin)
城西国際大学助教(英語教育、ジェンダー論)。共著に『女性マンガ研究』(青弓社、2015年)、論文に“Appropriating Yaoi and Boys Love in the Philippines”( Electronic Journal of Contemporary Japanese Studies, 2013)など。

関連書
マンガ研究13講/小山昌宏・玉川博章・小池隆太/3000円+税

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