12月の新刊:聖なる自己――カリスマ派の癒しの文化現象学《人類学の転回》

2023年 12月 25日 コメントは受け付けていません。

聖なる自己聖なる自己
カリスマ派の癒しの文化現象学
《人類学の転回》
トーマス・J・チョルダッシュ(著)
飯田淳子+島薗洋介+川田牧人(監訳)
津村文彦+野波侑里+堀口佐知子+村津蘭(訳)

判型:四六判上製
頁数:457頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0770-3 C0010
装幀:宗利淳一
12月下旬発売!

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内なる他者性との邂逅へ
集会のさなか気を失ったり、異言や預言を発したりする信徒たちの身には、なにが起こっているのか――。カリスマ派キリスト教の宗教体験をめぐって、現象学をはじめとするさまざまな分野の知見を渉猟しながら、身体性の次元から人間の経験にせまる、《聖なるもの》の民族誌。



目次

日本語版への序文 
緒言 

第1章 序論 
第2章 儀礼的癒し――苦悩と変容 
第3章 治療的プロセスと経験 
第4章 身体化されたイメージ群と神の啓示 
第5章 想像的パフォーマンスと記憶の癒し 
第6章 イメージ・記憶・効力 
第7章 悪魔と解デリバランス放 
第8章 悪との遭遇 
第9章 憤怒と癒し 
第10章 結び――聖なる自己 

原注 
訳注 

参照文献 
索引 
訳者あとがき 

著者について
トーマス・J・チョルダッシュ(Thomas J. Csordas) 
1952年、アメリカ合衆国オハイオ州に生まれる。人類学者。現在、カリフォルニア大学サンディエゴ校特別栄誉教授(Distinguished Professor)。主にカリスマ派カトリック教徒や北米先住民ナバホなどを対象として、医療人類学的・心理人類学的・比較宗教学的研究をおこなってきた。主な著書に、Embodiment and Experience: The Existential Ground of Culture and Self (Editor, Cambridge University Press, 1994), Language, Charisma, and Creativity: The Ritual Life of a Religious Movement (University of California Press, 1997), Body/Meaning/Healing (Palgrave Macmillan, 2002) などがある。

監訳者について
飯田淳子(いいだじゅんこ)  
1971年、東京都に生まれる。総合研究大学院大学文化科学研究科修了。博士(文学)。現在、川崎医療福祉大学医療福祉学部教授。専門は医療人類学。主な著書に、『タイ・マッサージの民族誌――「タイ式医療」生成過程における身体』(明石書店、2006年)、『医師・医学生のための人類学・社会学――臨床症例/事例で学ぶ』(共編著、ナカニシヤ出版、2021年)などがある。
島薗洋介(しまぞのようすけ)  
1973年、石川県に生まれる。オックスフォード大学大学院社会人類学専攻博士課程修了。Ph.D.(社会人類学)。現在、大阪大学グローバルイニシアティブ・センター専任講師。専門は医療人類学。主な著書に、『新型コロナウイルス感染症と人類学』(共著、水声社、2020年)、おもな論文に、“Repaying and Cherishing the Gift of Life: Gift Exchange and Living-related Kidney Transplantation in the Philippines” (Anthropology in Action 15 (3), 2008) などがある。
川田牧人(かわだまきと)
1963年、愛知県に生まれる。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。博士(人間環境学)。現在、成城大学文芸学部教授。専門は宗教人類学。主な著書に、『祈りと祀りの日常知――フィリピン・ビサヤ地方バンタヤン島民族誌』(九州大学出版会、2003年)、主な訳書に、レイナルド・C・イレート『キリスト受難詩と革命』(共訳、法政大学出版局、2005年)などがある。

訳者について
津村文彦((つむらふみひこ)  
1974年、大阪府に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。現在、名城大学外国語学部教授。専門は文化人類学。主な著書に、『東北タイにおける精霊と呪術師の人類学』(めこん、2015年)、『身体を彫る、世界を印す――イレズミ・タトゥーの人類学』(共編著、春風社、2022年)などがある。
野波侑里(のなみゆり)
1960年、大阪府に生まれる。オックスフォード大学大学院社会人類学専攻博士課程修了。Ph.D. (社会人類学)。現在、大手前大学国際日本学部教授。専門は医療人類学。主な論文に、The Reception and Transformation of Homeopathy in Japan (DPhil thesis, University of Oxford, 2016),「すり足と日本人論」(『生活文化史』72号、2017年)などがある。
堀口佐知子(ほりぐちさちこ)  
1976年、東京都に生まれる。オックスフォード大学大学院社会人類学専攻博士課程修了。Ph.D.(社会人類学)。現在、テンプル大学日本校教授。専門は社会・医療人類学。主な著書に、Critical Issues in Contemporary Japan (Contributor, Routledge, 2019 [Second Edition])、主な訳書に、J・ヘンドリー『〈増補新版〉社会人類学入門』(共訳、法政大学出版局、2017年)などがある。
村津蘭(むらつらん)  
1983年、大阪府に生まれる。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。現在、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教。専門は文化人類学。主な著書に、『ギニア湾の悪魔――キリスト教系新宗教をめぐる情動と憑依の民族誌』(世界思想社、2023年)、主な作品に、映画『トホス』(2018年東京ドキュメンタリー映画祭短編部門奨励賞受賞)などがある。

関連書
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