3月の新刊:『未来のイヴ』を読みなおす——《水声文庫》
2026年 2月 16日 コメントは受け付けていません。
『未来のイヴ』を読みなおす
《水声文庫》
福田裕大(編)
判型:四六判上製
頁数:322頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0956-1 C0098
装幀:宗利淳一
3月上旬発売!
〈時代の知〉と〈物語の知〉の異種格闘技戦
人造人間に夢中な科学者エジソンと、その不気味な存在感にたじろぐ青年エワルドは、現代のわれわれの姿そのものではないだろうか。作中最大の謎であるソワナが生んだ物語の矛盾は、現実世界の多重性をほのめかす特異点であり、〈科学〉対〈文学〉の背反を越えて、二つの論理が並行する物語世界を起動させる仕掛けであった。時を超えてなおアクチュアルな小説を、知の考古学的に読み尽くす!
【目次】
はじめに――『未来のイヴ』を読みなおす/福田裕大
第Ⅰ部 導入編
『未来のイヴ』の時代(福田裕大)
ハダリーの複数性――人造人間の類型論①/福田裕大
「現実2.0」のロジック――人造人間の類型論②/福田裕大
ふたつの理解線――エジソン・サイド/エワルド・サイド/福田裕大
第Ⅱ部 考古学編
夢遊症者ソワナ――歴史的背景としてのメスメリスム・催眠/井上卓也
人形物語として読む――ピュグマリオン神話の変遷とともに/中筋朋
ハダリーと近代ヨーロッパの「喋る機械」/福田裕大
ロボット論として読む――エジソンの眼と人間性の穴/宇佐美達朗
有機体ハダリーの造形術――作品の哲学的背景をめぐって/上尾真道
第Ⅲ部 解釈編
探偵小説として読む――科学者についての寓話/中筋朋
『未来のイヴ』におけるふたつの「未来」/上尾真道
ジェンダー闘争から見るソワナ/木元豊
思考機械としての物語――物語が知能として機能するとき/中筋朋
おわりに/福田裕大
【編者・執筆者について】
福田裕大(ふくだゆうだい)
1979年、大阪府に生まれる。京都大学大学院博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、近畿大学准教授。専攻、フランス文学・メディア史。主な著書に、『シャルル・クロ 詩人にして科学者――詩、蓄音機、色彩写真』(水声社、2014年)、『声と文学』(共著、平凡社、2017年)などがある。
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中筋朋(なかすじとも)
1979年、京都府に生まれる。京都大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。現在、京
都大学大学院准教授。専攻、演劇理論、フランス演劇。主な著書に、『フランス演劇にみるボディワークの萌芽――「演技」から「表現」へ』(世界思想社、2015年)、『日本の文学理論』(共著、水声社、2017年)などがある。
上尾真道(うえおまさみち)
1979年、福岡県に生まれる。京都大学大学院博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、広島市立大学准教授。専攻、哲学・思想史、精神分析学、精神医療史。主な著書に、『ラカン 真理のパトス――1960年代フランス思想と精神分析』(人文書院、2017年)、『発達障害の時代とラカン派精神分析――〈開かれ〉としての自閉をめぐって』(共編著、晃洋書房、2017年)などがある。
木元豊(きもとゆたか)
1965年、広島県に生まれる。パリ第四大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在、武蔵大学教授。専攻、十九世紀フランス文学。主な著書に、『人形の文化史』(共著、水声社、2016年)、主な訳書にヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ』(水声社、2026年)などがある。
宇佐美達朗(うさみたつろう)
1988年、大阪府に生まれる。京都大学大学院博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、鹿児島大学助教。主な著書に、『シモンドン哲学研究――関係の実在論の射程』(法政大学出版局、2021年)などがある。
井上卓也(いのうえたくや)
1984年、大阪府に生まれる。パリ・ディドロ大学大学院博士課程修了。博士(精神分析・精神病理学)。現在、京都大学ほか非常勤講師。主な論文に、De la catharsis au transfert : l’histoire du
sujet et la formation de la technique psychanalytique(Thèse dedoctorat, 2021)などがある。
【ヴィリエ・ド・リラダン・コレクション】
未来のイヴ/木元豊/4000円+税
残酷物語/田上竜也/3500円+税