3月の新刊:あの重い足音のにおい
2026年 2月 20日 コメントは受け付けていません。
あの重い足音のにおい
イブラヒーム・サミュエル(著)
石垣聡子・岡崎弘樹(訳)
判型:四六判上製
頁数:172頁
定価:1800円+税
ISBN:ISBN978-4-8010-0959-2 C0097
装幀:宗利淳一
3月上旬発売!
独裁体制下の生と愛
すれちがう家族、危険をおかす恋人たち、貧困に追い詰められる女性たち――拘束の恐怖や飢えが日常に影をおとす1970-80年代のシリア。人間らしさを手放さないがゆえに葛藤し、狂気に直面する市井の人びとを、獄中生活を経た作家が静謐なまなざしでとらえた9編。
【目次】
面会
墓地
大きく瞠いた目
もはや父親ではなくなった男
あの重い足音のにおい
今回は
箱――ユーセフ・アブデルキーに捧ぐ
レイヤ
なあ、ファドワー
カデイヤ――掲げる大義とあるべき課題/マンドゥーフ・アドワーン
なぜ今、イブラヒーム・サミュエルなのか?/岡崎弘樹
訳者あとがき/石垣聡子
【著者について】
イブラヒーム・サミュエル(Ibrahim Samuel)
1951年、ダマスカス生まれ。ダマスカス大学哲学・心理学部に入学後、独裁政権を批判する世俗的な青年運動組織に加わって拘束され、1977年から1980年まで3年にわたり政治囚として収監。1988年に『あの重い足音のにおい』でデビュー後、短編集計4冊と評論集1冊を刊行。汎アラブ紙にコラムを寄稿する傍ら、外国人向けのアラビア語教師も務める。2012年からヨルダンに移住し、2026年現在は在ヨルダン仏中東研究所(IFPO)にてアラビア語教員を務める。
【訳者について】
石垣聡子(いしがきあきこ)
清泉女子大学卒業後、企業勤務を経て、アジア・アフリカ語学院アラビア語学科卒業。ヨルダン、シリアへの留学中、イブラヒーム・サミュエル氏に師事。帰国後は各所でアラビア語講師を務める。主な著書に『はじめてのアラビア語』(共著、ナツメ社、2010年)、『単語でカンタン! 旅行アラビア語会話』(共著、Jリサーチ出版、2019年)などがある。その他、アラビア語著作物の校正・校閲多数。
岡崎弘樹(おかざきひろき)
亜細亜大学国際関係学部多文化コミュニケーション学科准教授。専門はアラブ近代政治思想、現代シリア文化研究。主な著書に『アラブ近代思想家の専制批判――オリエンタリズムと〈裏返しのオリエンタリズム〉の間』(東京大学出版会、2021年)、訳書にヤシーン・ハージュ・サーレハ『シリア獄中獄外』(みすず書房、2020年)、カースィム・アミーン『アラブの女性解放論』(共訳、法政大学出版局、2024年)などがある。