4月の新刊 :《フィクションの楽しみ》『連邦区マドリード』

2014年 7月 30日 コメントは受け付けていません。

連邦区マドリード=カバー連邦区マドリード

著者=J・J・アルマス・マルセロ

訳者=大西亮

四六判上製/344頁/定価=3500円+税

978-4-8010-0038-4 C0097 好評発売中

装幀=宗利淳一

現実か? 妄想か?

2つの旅……スティーブ・マックイーンを探しにティフアナへ、ポール・ボウルズに会いにタンジールへ。2つの未解決事件……エバ・ヒロンとハビエル・ウンブロサの死。2人の女……エバ・ヒロンとトゥリア・サントメ。2つの偽装……ポロックを模倣する画家と同時に小説の語り手。都市はただ1つ……マドリード。

妄想と現実が混ざりあった都市〈マドリード〉を背景に、嫉妬/偽装/計略/簒奪が織りなされる美しくも謎めいた物語。
 
【著者】
J・J・アルマス・マルセロ(J. J. Armas Marcelo) 1946年、カナリア諸島ラス・パルマス生まれ。作家、批評家。マドリードのコンプルテンセ大学で文献学、古典文学を専攻。1974年、『絨毯の上のカメレオン』でガルドス賞受賞。『昏睡状態』(1976年)、『神々自身』(1989年、プラサ&ハネス賞受賞)、『ほとんどすべての女性』(2004年)といった小説作品を刊行する一方、ラテンアメリカ文学に精通する批評家としても著名で、『バルガス・リョサ――〝書く〟という病』(2002年)は特に評価が高い。現在も『ABC』紙のコラムを担当しているほか、RTVEを中心にテレビやラジオの文芸番組に出演するなど、精力的な活動を続けている。

【訳者】
大西亮(おおにしまこと) 1969年、神奈川県生まれ。神戸市外国語大学大学院博士課程修了(文学博士)。現在、法政大学国際文化学部准教授。専攻、ラテンアメリカ文学。主な訳書に、アドルフォ・ビオイ=カサーレス『メモリアス――ある幻想小説家の、リアルな肖像』(2010年)、アナ・マリア・マトゥテ『北西の祭典』(2012年、以上現代企画室)などがある。

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