11月の新刊:サドのエクリチュールと哲学、そして身体

2016年 11月 2日 コメントは受け付けていません。

書影_サドのエクリチュール
サドのエクリチュールと哲学、そして身体

鈴木球子(著)

判型:A5判上製
頁数:273頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0203-6 C0098
装幀:宗利淳一
11月17日頃発売!


美徳と悪徳の彼岸

「サドは歴史に翻弄されただけではない。サドの身体は歴史を横切り、それを手玉に取ったのだ。この猥褻な聖侯爵は、その作品とその実在を通して、我々に一つの哲学的難問を突きつけたのである!」――鈴木創士
理性によって秩序が編制された啓蒙の時代に、同時代の文芸・思想を捻じ曲げるようにして「道徳」を、そして「自然」を暴力的に書き綴った彼の戦略と射程を見極める。

目次
日本の読者へ ミシェル・ドゥロン
第1章 美徳を巡る命題
    1 近代と美徳
    2 試練を受ける美徳
    3 ジュスティーヌ・ジュリエット物語
第2章 サドのエクリチュール
    1 言葉の役割
    2 人称
    3 閉鎖空間と抜け穴――語られるものと語られないもの
第3章 サドの哲学
    1 スピノザと機械的唯物論
    2 政治と宗教
    3 サン・フォンと至高存在
    4 ピウス6世の唯物論
    5 『新ジュスティーヌ』と自然への反抗
    6 魔女と予兆
第4章 エクリチュールと身体
    1 快感を得ること、痛みを感じること
    2 身体の痙攣
    3 言葉と身体
註/略年譜/人名索引/あとがき

著者について
鈴木球子(すずきたまこ)
1979年,愛知県豊橋市に生まれる。パリ第4大学(ソルボンヌ)博士課程修了。博士(文学)。専攻は、フランス文学・哲学。

マルキ・ド・サド全集
1 ソドム百二十日あるいは放蕩学校・閨房哲学/橋本到・中村英俊訳/近刊
2 美徳の不運・ジュスティーヌあるいは美徳の不幸 他/植田祐次・余語毅憲訳/近刊
3 新ジュスティーヌあるいは美徳の不幸/鷲見洋一訳/近刊
4 ジュリエットの物語あるいは悪徳の栄え(上)/真部清孝訳/近刊
5 ジュリエットの物語あるいは悪徳の栄え(下)/真部清孝訳/近刊
6 恋の罪、壮烈悲惨物語/私市保彦・橋本到訳/8000円
7 小咄、昔話、おどけ話 他/橋本到・太原孝英訳/近刊
8 アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語(上)/原好男訳/4500円
9 アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語(下)/原好男訳/5500円
10 ガンジュ侯爵夫人/橋本到訳/3500円
11 フランス王妃イザベル・ド・バヴィエール秘史 他/原好男・中川誠一訳/7000円
[価格はすべて税別]


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