4月の新刊:小説は環流する――漱石と鷗外、フィクションと音楽

2018年 4月 5日 コメントは受け付けていません。

小説は環流する小説は環流する
漱石と鷗外、フィクションと音楽
山本亮介(著)

判型:A5判上製
頁数:274頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0328-6 C0095
装幀:齋藤久美子
4月2日発売!

小説の言葉は傍若無人の動きを見せる。時間を折りたたみ、空間を重ね合わせ、人の心のうちへと立ち入り、言葉の〈世界〉を語り成す。
近代の夏目漱石、森鷗外から現代の奥泉光『シューマンの指』、村上春樹『IQ84』、古川日出男『南無ロックンロール二十一部経』、伊坂幸太郎『魔王』などをとりあげ、複数の世界を越境する小説をめぐる芸術理論的探究。

目次
はじめに   


第一章 「吾輩は猫である」――「語り手」という動物
第二章 「心」――行為の主体/罪の主体
第三章 「明暗」――お延と漱石の不適切な関係
第四章 「うたかたの記」――初期鷗外の美学とヴァーグナー
第五章 「イタ・セクスアリス」――権力と主体
第六章 「青年」――小説における理想と現実


第一章 奥泉光「シューマンの指」――音楽の「隠喩」としてのメタミステリ小説
第二章 村上春樹「1Q84」、「色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年」――小説世界の音楽
第三章 古川日出男「南無ロックンロール二十一部経」――動物とロックンロール
第四章 文学という不遜、虚構の現在――奥泉光の戦場
第五章 闘争/暴力の描き方――現代小説ノート

注   
あとがき   

著者について
山本亮介(やまもとりょうすけ)  
1974年、神奈川県に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は日本近現代文学。現在、東洋大学文学部教授。主な著書に『横光利一と小説の論理』(笠間書院、2008年)、『コレクション・モダン都市文化61 旅行・鉄道・ホテル』(編著、ゆまに書房、2010年)などがある。

関連書
日本の文学理論 アンソロジー 大浦康介編/6000円+税
漱石の文法 北川扶生子/4000円+税

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