2009年 7月 13日
都内では本日発売の『AERA アエラ』 (7/20号)の
「今週の3冊」欄で、『サルコジとは誰か?』が
ピックアップされています。500字ほどの無署名記事ですが、
本書のコンセプトを手際よくまとめていただいてますので、
ぜひご覧ください。デモや暴動など、個人の権利にこだわる
フランスでは、原書が3万部のベストセラーといいます。
「愚か者」ばかりが汲々として権力を握る日本でも、
もっと読者を獲得してくれないものか、と(個人的には)願っています。(編集部 naovalis)
本書で一貫して描かれることは、「愚か者」を国家元首にしてしまう
「資本主義」の猛威についてだ。著者は圧倒的な「貧富」の「壁」を
崩す可能性を模索し、提案する。「移民問題」も「経済格差」も
他人事ではない。フランス本国ではベストセラーになったという本書から
我々は何を学ぶべきだろうか。
ちなみに、著者の アラン・バディウについては、以下のリンク先で原書刊行後の
動画を観ることができます(邦訳つき)。おもしろいですよ!
http://www.dailymotion.com/video/x3vjw6_alain-badiou-sub_politics
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アラン・バディウ著/榊原達哉訳
2009年 7月 9日
フランスの構造改悪路線を推し進め、就任2年後の現在もなお同国に混沌と幻滅を
放ち続けるニコラ・サルコジ大統領。この国家元首に対して徹底批判によって応じたのが、
現代思想を代表する哲学者アラン・バディウによる
『サルコジとは誰か?——移民国家フランスの臨界』です。
フランス国内では大きな話題となったベストセラー書ですが、
この美麗なジャケットの邦訳もおかげさまでスマッシュヒット中。
『週刊文春』(7/16号)には、簡にして要を得た、
きわめて明晰な書評が掲載されました。評者は気鋭の批評家、
廣瀬純氏(龍谷大学教員)。日本の現実ともけっして無縁ではない、
この大統領の今後を注視するうえでも、本書は必読です。
ぜひ全国の書店/ネット書店で手にとってみてください。
(編集部:naovalis)
いったい何がサルコジに権力を与え、彼の行動を支えているのか——
これが本書を貫く問いだ。/〔……〕グローバル資本への隷属を
「改革」の名のもとに推進し、過去との「断絶」を強調する——
これはまた、日本で我々が小泉純一郎とともに経験したことではなかったか。
本書は「小泉とは誰だったか」をより広い視野で再考するのにも役立つ一冊だ。
—
アラン・バディウ著/榊原達哉訳
2009年 7月 3日
淺沼圭司
2009年 7月 3日
道躰章弘
2009年 7月 1日

2009年 6月 29日

2009年 6月 24日
6月20日(土)、渋谷ユーロスペースで初日を迎えた「キェシロフスキ・プリズム」の様子を見に行ってきました。映画の初日に立ち会うのは久々のことだったのですが、今回は小社でも二冊、キェシロフスキ関連本を出している以上、彼の映画の特集上映を少しでも盛り上げたいし、担当者としては客入りが心配で、気が気ではありませんでした。
『ふたりのベロニカ』で始まった初回から満員状態がつづき、初公開の『地下道』『初恋』も立ち見が出るほどでした。順調な滑り出しで、若い客層が多く、翌日上映された『トリコロール』三部作も大入りだったとのこと。これから7月17日まで全29作品の連続上映が続きますが、詳しくは下記の「キェシロフスキ・プリズム」公式サイトをご覧下さい。
キェシロフスキは亡くなって13年たちますが、生前、『トリコロール』三部作のキャンペーンで来日した頃から彼の映画にかかわってきた私も仕事の合間をぬって出来るだけ映画館に通うつもりです。
館内では特製パンフレット(500円)のほか、小社刊の『ふたりのキェシロフスキ』『キェシロフスキ映画の全貌』も販売しています(写真参照)。 また、東京での公開に続き、大阪、名古屋をはじめ各地方でも順次、特集上映されます。乞うご期待!(編集部 K S )
*
[キェシロフスキ・プリズム]
(公式サイト http://www.kieslowski-prism.com)
キェシロフスキの軌跡をたどるドキュメンタリー映画『スティル・アライヴ』と
日本初公開作品ほか、ヨーロッパ映画界の名匠のきらめく作品群を一挙特集上映!
●6月20日(土)〜7月17日(金) 東京・渋谷ユーロスペース http://www.eurospace.co.jp/
●7月11日(土)〜8月7日(金) 大阪シネ・ヌーヴォー http://www.cinenouveau.com/
●7月18日(土)〜8月14日(金) 名古屋シネマスコーレ http://www.cinemaskhole.co.jp /cinema
●以後、福岡、金沢、仙台、札幌などを予定。
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【最新刊】キェシロフスキ映画に愛をこめて
『ふたりのキェシロフスキ』
アネット・インスドーフ著/和久本みさ子+渡辺克義訳
A5判上製304頁/定価=3000円+税
【姉妹書】彼の目には、世界の終わりが映っていた。
『キェシロフスキ映画の全貌』
マレク・ハルトフ著/吉田はるみ+渡辺克義訳
A5判上製320頁/定価=3000円+税
※以上2冊についての詳細はこちら→*
2009年 6月 22日
◆柴田元幸氏推薦!
「塵に訊け!」 とかつてジョン・ファンテは言った。
「都甲幸治に訊け!」 と私は言いたい。
〈 偽アメリカ文学の誕生 〉 を告げる本書は、
すぐれた 〈 偽アメリカ文学者〉 の登場を告げてもいる。
アメリカ文学のいまを知る上で最良の書。
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都甲幸治(とこう・こうじ)
1969年生まれ。早稲田大学文学部准教授、翻訳家。
専攻はアメリカ文学・文化論。
おもな訳書に、ファンテ『塵に訊け!』、ブコウスキー『勝手に生きろ!』、
フィッツジェラルド『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』など話題作多数。
『BRUTUS』誌による2009年のキーパースンのひとり。
2009年 6月 16日
アーヴィング・ステットナー/本田康典+三保子ステットナー訳
ああ、パリ、ぼくの恋人、わが人生の街角よ……
アルベール・コスリー/田中良知訳
2009年 6月 16日
小島信夫
『演劇の一場面』
四六判上製200頁/定価=2000円+税 水声文庫
ISBN978-4-89176-710-5 C0095
→青木健氏(図書新聞、09年06月20号)
「私たちは、ただ小島のこの気ままな歩行に同伴すればよいのである。」
→芳川泰久氏(中日新聞/東京新聞、09年3月15日)
「著者は演劇の場面を小説のようにも読み、同時に、小説について考えている。」
2009年 6月 5日
東辰之介
『バルザック——「脳」と「知能」の小説家』
A5判上製307頁/定価=4000円+税
ISBN978-4-89176-733-4 C0098
脳で読む『人間喜劇』
≪近代リアリズム文学≫の怪物バルザックは、なぜ「脳」に執着し、
「脳」を描いたのか? 脳生理学から、バルザック秘術の人間学に肉薄する。
気鋭の研究者による、斬新なバルザック論の試み。
「バルザックは描写したのではない。ヒトを解剖したのだ」
2009年 6月 3日
高橋 薫
『歴史の可能性に向けて——フランス宗教戦争期における歴史記述の問題』
A5判上製600頁/定価=8,000円+税
ISBN 978-4-89176-730-3 C0022 6月10日頃発売!
フランス16世紀に魅せられて
ルネサンス/宗教改革から「考証の時代」へ——フランス16世紀の後期,
「歴史考証」の洗礼を受けた5人の歴史家の膨大な記述を仔細に読み解く。
動乱の時代に魅せられた著者による, 宗教戦争期フランス史研究の集大成。
2009年 6月 2日
アラン・バディウ著/榊原達哉訳
『サルコジとは誰か?——移民国家フランスの臨界』
四六判上製224頁/定価=2200円+税 6月9日頃発売!
ISBN978-4-89176-703-7 C0030
サルコジという「事件」
パリ郊外の移民を「社会のクズ」と呼んだ男、ニコラ・サルコジ。
なぜ彼はフランス大統領に選ばれたのか?
現代フランスを代表する哲学者が、新自由主義と排外主義を標榜する現職大統領を徹底的に批判し、
新たなコミュニズムを提起する。本国でベストセラーとなった話題の書、ついに刊行!
2009年 6月 1日
本年3月に刊行した大石雅彦著『彼我等位——ロシア・アヴァンギャルド/日本・モダニズム』の書評が、
『週刊読書人』(09年6月5日号)に掲載されました。評者は博覧強記で知られる海野弘氏です。
「〈彼我等位〉の方法は、読者に、ロシアと日本の同時代性の思いがけないヒントを与えてくれる。
さらに、等位とは、ロシアと日本の1920・30年代の結びつきだけでなく、モダニズムの時代を私たちの今との、
20世紀と21世紀との照応、そして引きつぎについての可能性を開いてくれる」
*
大石雅彦
『彼我等位——ロシア・アヴァンギャルド/日本・モダニズム』
四六判上製324頁/定価=3500円+税
ISBN978-4-89176-722-8 C0090
20世紀を切り裂いた精神の水脈
マレーヴィチ、ヴェルトフ、ソクーロフ、平戸廉吉、神原泰、
稲垣足穂、江戸川乱歩、牧野信一……。ジャンルやメディアを超えて
時代の先鋭なる領域を獲得した、20世紀の表現者たち。〈前衛〉を駆け抜けた彼らの
前史/後史を精緻に読み解き、日本—ロシアを往還する表象文化論集。
2009年 5月 29日
*頁数、定価は予定です。
2009年 5月 28日
松本和也
『太宰治「人間失格」を読み直す』
水声文庫 四六判上製213頁/定価=2500円+税 09年6月上旬刊行
ISBN978-4-89176-731-0 C0095
太宰治生誕100年
閉塞した社会を人間的に生きようとすれば、
破滅せざるをえない——
2009年 5月 28日
アネット・インスドーフ著/和久本みさ子+渡辺克義訳
『ふたりのキェシロフスキ』
A5判上製304頁/定価=3000円+税 2009年6月上旬刊行
キェシロフスキ映画に愛をこめて
ふたつの人生, もうひとつの運命———
『トリコロール』三部作、『ふたりのベロニカ』、『デカローグ』を
はじめ、美と愛と輝きにみちた多彩な映像世界が甦る。
キェシロフスキ映画をこよなく愛する著者が「ダブル・ライフ/セカンド・チャンス」を
キーワードに、夭逝した名匠の全体像を見事に解明する。
*
[キェシロフスキ・プリズム](公式サイト http://www.kieslowski-prism.com)
キェシロフスキの軌跡をたどるドキュメンタリー映画『スティル・アライヴ』と
日本初公開作品ほか、名匠のきらめく作品群を一挙特集上映!
6月20日より渋谷ユーロスペースほか、全国順次公開。
*
【姉妹書】好評発売中!
マレク・ハルトフ著/吉田はるみ+渡辺克義訳
『キェシロフスキ映画の全貌』
A5判上製320頁/定価=3000円+税
彼の目には、世界の終わりが映っていた——
1996年3月13日、『トリコロール/赤の愛』を最後に、
ヨーロッパ映画の巨匠は突如として世を去った……。
だが、彼の早すぎた死を惜しみ、影響を受けた者たちは後を
絶たない。キェシロフスキの深遠な映像世界を読み解く、初の本格的な作家&作品論。
2009年 5月 28日
三原弟平
『ベンヤミンと精神分析——ボードレールからラカンへ』
四六判上製254頁/定価=2500円+税 絶賛発売中
ISBN978-4-89176-727-3 C0010
いま、《 恋 》 は可能なのか?
21世紀という出口のない日常のなかで、男女の「性関係」は
どのようにありえるのか? ベンヤミンの精神分析解釈をプリズムに、
ボードレール、フロイト、カフカ、そしてラカン派へと反射する書き下ろし批評。
パサージュ—強制収容所—現代を横断する、スリリングな 《 欲動の精神史 》。
2009年 5月 27日
エルンスト・ブロッホ著/池田浩士・藤原辰史・本庄史明訳
『ナチズム——地獄と神々の黄昏』
A5判上製424頁/4,500円+税 絶賛発売中
ISBN 978-4-89176-685-6 C0010
正面の敵、ナチス。
ナチズム・ファシズムはいかにして批判可能なのか?
「もはや意識されていないもの」と「まだ意識されていないもの」を
キーワードに、ヒトラー政権下の日常を同時代の現場から批判し、瞞着者たちの暴力と野蛮を
あばきだした稀有な《思想的実戦》。名著『この時代の遺産』に続く、ブロッホの1930年代論集、
本邦初訳。
書評:
読売新聞(09年1月13日付朝刊)書評欄(評者=片山杜秀氏)
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20090113bk06.htm
『インパクション』 168号 (評者=平井玄氏)
http://www.jca.apc.org/~impact/magazine/impaction.html
*
好評発売中
エルンスト・ブロッホ著/池田浩士訳
『この時代の遺産』
A5判上製688頁/定価=7000円+税
ISBN978-4-89176-684-9 C0010
なぜファシズムが勝利するのか?
サラリーマン文化、通俗読物、表現主義、ベンヤミン、
オカルト、ヴァーグナー、ニーチェ、そして映画……。
“ 黄金の1920年代 ” に民衆を陶酔させたサブカルチャーをモンタージュし、
ナチス政権前夜の危機の瞬間=空洞をとらえた《思想的実験》。
旧版の訳文を全面的に再検討し、大幅に註を増補した決定版、待望の刊行。