2月の新刊:意味と脱–意味

2018年 2月 8日 コメントは受け付けていません。

意味と脱意味
意味と脱–意味
ソシュール、現代哲学、そして……
中田光雄(著)

判型:A5判上製
頁数:288頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0324-8 C0010
装幀:齋藤久美子
2月25日発売!


意味はいかにして可能となるか?
哲学は「真理」の探究だが、20世紀哲学は、人文・文化・歴史科学とともに、「真理」に先立つ「意味」の次元を開闢した。ソシュール(「言語」)とハイデガー(「真理」)の間から広がり、フランス20世紀思想史の中軸を貫き、これからのグローバル・デモクラシーの普遍的媒介項となる「意味」の地平。すでに始まっている「意味」批判の思惟をも包摂しつつ、この「第四の地平」の開削に着手する。

目次
まえがき

序 意味とは?
1 存在と意味
2 意味の語義
3 意味と現代

第一部 ソシュールと現代思惟
  ――意味はいかにして可能となるか

Ⅰ ソシュール言語思想と意味問題
1 ソシュール言語思想――意味論議との異質さ
2 ソシュール言語思想――意味論議への敷衍
(1)意味論議への方向づけ――木田元、メルロ=ポンティ
(2)意味論的解釈――丸山圭三郎、メルロ=ポンティ
(3)言語科学における意味問題の排除と補填の必要――竹内芳郎
Ⅱ 意味の成り立つところ――到達点と出発点
Ⅲ 現代思惟と意味問題
1 意味の「成立」――サルトル
2 意味の「分泌」――メルロ=ポンティ
3 意味の「出来」――ドゥルーズ
4 意味の「産出」――バルト
5 意味の「生成」――クリステーヴァ
6 意味の「現成」――レヴィ
7 意味の「来起」――デリダ
8 意味の「開起」――ハイデガー
結 ソシュール言語思想:「脱-意味」か、「原-意味」か
  ――言語論的・記号論的・情報論的-規定に向けて

第二部 「脱-意味」「非-意味」「反-意味」の思惟
  ――意味はいかにして不可能たりえないか

Ⅰ 「意味という病」「意味に憑かれた男」――柄谷行人
Ⅱ 「意味への抗い」――北田暁大
Ⅲ 「意味の穴」「意味の以前」――バルト
Ⅳ 「意味の可能と不可能」――ブランショ、湯浅博雄
Ⅴ 「外の思考」――フーコー
Ⅵ 「ノンセンス」「ナンセンス」――高橋康也
結 「脱‐意味」「反‐意味」「無‐意味」論の帰着するところ

結 人間・意味・脱‐意味



付論 「虚構、偶然性、投擲」――マラルメ、菅野昭正


著者について
中田光雄(なかたみつお)
1939年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。同大学大学院人文科学研究科博士課程中退。パリ大学大学院哲学科博士課程修了。仏国文学博士(哲学)(Doc. es Lettres)。筑波大学名誉教授。仏国学術勲章。
主な著書に、『現代を哲学する』(理想社、2008年)、『政治と哲学』(上下、岩波書店、2002年)、『哲学とナショナリズム』(水声社、2014年)、『抗争と遊戯』(勁草書房、1987年)、『ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か』(共編著、水声社、2015年)、『ベルクソン哲学』(東京大学出版会、1977年)、『ベルクソン読本』(共著、法政大学出版局、2005年)、『文化・文明』(創文社、1990年)、『正義、法‐権利、脱‐構築』(創文社、2008年)、『現代思想と〈幾何学の起源〉』(水声社、2014年)、『差異と協成』(水声社、2014年)、『創造力の論理:テクノ・プラクシオロジー序論』(創文社、2015年)、『デリダ 脱–構築の創造力』(水声社、2017年)、『21世紀のソシュール』(共著、水声社、2018年)などがある。

中田光雄の本
哲学とナショナリズム――ハイデガー結審/4000円+税
現代思想と〈幾何学の起源〉――超越論的主観から超越論的客観へ/4000円+税
差異と協成――B・スティグレールと新ヨーロッパ構想/5000円+税
ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か――「黒ノート」をめぐる討議(共編著)/3000円+税
デリダ 脱–構築の創造力――メタポリアを裁ち起こす/5000円+税
21世紀のソシュール(共著)/5000円+税

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