9月の新刊:移民の記憶――マグレブの遺産 叢書《エル・アトラス》

2019年 9月 4日 コメントは受け付けていません。

移民の記憶 書影移民の記憶
マグレブの遺産
叢書《エル・アトラス》
ヤミナ・ベンギギ(著)
石川清子(訳)

判型:四六判上製
頁数:227頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0244-9 C0397
装幀:宗利淳一
9月中旬頃発売!

この本は、フランスにおけるマグレブ移民のただなかを旅した私の記録である。

マグレブ諸国からフランスに単身でわたり、悲惨な住環境で働く〈父たち〉。自国の伝統と異国への統合の軋轢に苦しむ〈母たち〉。ふたつの文化のあいだで自らのアイデンティティを問い直す〈子どもたち〉。
 マグレブ移民たちが直面した困難な現実を三部構成のインタビューによって重層的に可視化した傑作ノンフィクション。

目次
まえがき

Ⅰ 父たち
キキ――ヴィクトル・ユゴーのフランス 
アブデル――重なる不当な仕打ち 
アフメド・ブーラス――メダルの裏側 
ハムーとマフムード――旧従軍兵士 

Ⅱ 母たち
ヤミナ――ノートに綴った日記 
ゾフラ――ほかの人たちより頭が悪いなんてことはない 
ファトゥマとアフメド――「ポーランド」の貨車 
ジャミラ――埋葬の地 

Ⅲ 子どもたち
ファリード――仮住まい団地
ムンシ――言葉の力 
ワヒーブ――大きなお兄さん 
ナイーマ――知らぬまの修道院への誘惑 
メリエム――虐げられた人の弁護 
ワルダ――ブールの行進 

訳者あとがき

著者について
ヤミナ・ベンギギ(Yamina Benguigui)
1955年、北仏リール生まれ。両親はアルジェリア人。映画監督、作家。外務大臣付フランス語圏担当大臣、パリ市助役を歴任後、現在は〈ヨーロッパのためのロベール・シューマン協会〉会長。主な監督作品に、『イスラームの女たち』(ドキュメンタリー、1994年)、『インシャーアッラー日曜日』(ドラマ、2001年)、『ガラスの天井』(ドキュメンタリー、2004年)、『9-3 ある行政地区の記憶』(ドキュメンタリー、2008年)、『アイシャ』(テレビドラマ、2009〜12年)などがある。

訳者について
石川清子(いしかわきよこ)
千葉県生まれ。ニューヨーク市立大学大学院博士課程修了。博士(フランス語・フランス文学)。現在、静岡文化芸術大学教授。専攻、現代フランス文学、フランス語圏マグレブ文学。主な著書に、Paris dans quatre textes narratifs du surréalisme(L’Harmattan, 1998)、主な訳書に、ベン・ジェルーン『不在者の祈り』(国書刊行会、1998年)、ジェバール『愛、ファンタジア』(みすず書房、2011年)、クノー『イカロスの飛行』(水声社、2012年)などがある。

叢書 エル・アトラス
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