8月の新刊:かなり緩やかな愛の前進

2022年 7月 29日 コメントは受け付けていません。

かなり緩やかな愛の前進_書影かなり緩やかな愛の前進
ジャン・ポーラン(著)
榊原直文(訳)

判型:四六判上製
頁数:245頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0660-7 C0097
装幀:宗利淳一
8月下旬発売!

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どこにでもいる男になるために?!
内向的な性格を矯正するために3人の女性と愛を試みる男が登場する表題作、戦場で負傷することに世界との繋がりを見出す主人公を描く「ひたむきな戦士」をはじめ、マダガスカル滞在と第一次世界大戦の経験を色濃く残す全5作品を収録。20世紀フランス文壇の中心人物による、知られざる初期短篇小説集。

***

なぜぼくは、今宵、あれらの白い花や、窓縁に透けて見えるまた別の花を、もっと上手く利用できないのだろうか。――またあの遠くの松やゆったりと流れ落ちるあの滝を。こうして押さえられ締めつけられる感覚によって、ぼくは再びあの病に罹ったことを察知する。あまりの快楽に身を委ねると捕らえられるのだ。(本文より)




目次

ひたむきな戦士 
かなり緩やかな愛の前進 
苛酷な恢復 
渡られし橋 
習慣を失くすエトレ 

ジャン・ポーランの短篇小説の世界 榊原直文 
訳者あとがき

著者について
ジャン・ポーラン(Jean PAULHAN)
1884年ニームに生まれ、1968年ヌイイ゠シュル゠セーヌに没する。フランスの作家、文芸批評家、編集者。アカデミー・フランセーズ会員。フランスを代表する文芸誌『新フランス評論(La Nouvelle Revue Française)』の編集長を長らく務める。おもな著書に、『タルブの花あるいは文学における恐怖政治(Les Fleurs de Tarbes ou la Terreur dans les lettres)』(晶文社、1968年)がある。

訳者について
榊原直文(さかきばらなおぶみ)
1955年、茨城県に生まれる。東北大学文学部卒業。同大学同学部仏文学科助手(1987―89年)、奥羽大学文学部フランス語フランス文学科助教授・教授(1989―2007年)。専攻=フランス文学。おもな訳書に、M・ド・モージュ他『フランス人の幕末維新』(共訳、有隣堂、1996年)がある。

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