12月の新刊:ガリレオ書簡集——天文学的発見から聖書解釈まで《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション⑤》

2022年 12月 5日 コメントは受け付けていません。

ガリレオ・書影ガリレオ書簡集
天文学的発見から聖書解釈まで
《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション⑤》
ガリレオ・ガリレイ(著)
小林満(訳)

判型:A5判上製
頁数:246頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0405-4 C0344
装幀:西山孝司
12月中旬発売!

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〈近代科学の祖〉の肉声
数々の科学史上の偉業を達成するも宗教裁判で弾圧された科学者は、いかなる交友関係を結び、いかなる研究活動を送っていたのか。
木星の衛星や太陽黒点をはじめとする天文学的新発見の熱を帯びた報告にはじまり、地動説の反対勢力に対抗して展開した、科学的真理と聖書解釈の関係の捉え直しをはかる革新的議論まで、ガリレオの知的活動の軌跡を立体的に浮かび上がらせる書簡を選び収録。詳細な訳注と略年譜を付す。

《〔……〕太陽が自然の最大の執行者として、そしてある意味で世界のアニマとして心臓として、太陽を取り囲む他の天体に光を与えるだけでなく、自転することによって運動をも与えていると言っても、しっかりした哲学的考察からかけ離れてはいないだろうと思うのです。ですから、動物の心臓の動きが止まれば、その諸器官の他のすべての動きが止まってしまうであろうのと同様に、太陽の回転が止まれば、すべての惑星の回転が停止してしまうでしょう。》



目次

ヨハネス・ケプラーへの書簡Ⅰ  (1597年8月4日)
オノフリオ・カステッリへの書簡 (1605年1月)
ヴェネツィア総督レオナルド・ドナートへの書簡 (1609年8月24日)
アントニオ・デ・メディチへの書簡 (1610年1月7日)
ベリサリオ・ヴィンタへの書簡Ⅰ  (1610年1月30日)
ベリサリオ・ヴィンタへの書簡Ⅱ (1610年2月13日)
ベリサリオ・ヴィンタへの書簡Ⅲ (1610年3月19日)
ベリサリオ・ヴィンタへの書簡Ⅳ (1610年5月7日)
ヨハネス・ケプラーへの書簡Ⅱ (1610年8月19日)
ベリサリオ・ヴィンタへの書簡Ⅴ (1610年8月20日)
ジュリアーノ・デ・メディチへの書簡Ⅰ (1610年11月13日)
クリストフ・クラヴィウスへの書簡 (1610年12月30日)
ベネデット・カステッリへの書簡Ⅰ  (1610年12月30日)
ジュリアーノ・デ・メディチへの書簡Ⅱ (1611年1月1日)
パオロ・サルピへの書簡  (1611年2月12日)
マッフェオ・バルベリーニへの書簡 (1612年6月2日)
パオロ・グアルドへの書簡  (1612年6月16日)
ルドヴィコ・カルディ・ダ・チゴリへの書簡  (1612年6月26日)
ベネデット・カステッリへの書簡Ⅱ  (1613年12月21日)
ピエロ・ディーニへの書簡Ⅰ  (1615年2月16日)
ピエロ・ディーニへの書簡Ⅱ (1615年3月23日)
クリスティーナ大公母への書簡

訳注

ガリレオ・ガリレイ略年譜
主要参照文献

イタリア文学におけるガリレオ/小林満

著者について
ガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei)  
1564年、イタリアのピサに生まれる。1642年没。数学者、天文学者、哲学者。近代科学の基礎を築いた。ピサ大学、パドヴァ大学の教授職を経て、トスカーナ大公付き数学者兼哲学者となる。自ら製作した望遠鏡を用いて、木星の衛星や太陽黒点などを発見し、コペルニクス説を支持した。その後、宗教裁判を受けて、異端誓絶を余儀なくされる。主な著作に、『星界の報告』(1610年)、『偽金鑑識官』(1623年)、『世界の二大体系についての対話』(1632年)などがある。

訳者について
小林満(こばやしみつる)
1961年、島根県雲南市に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在、京都産業大学外国語学部教授。実用イタリア語検定協会会長。専攻、イタリア語学、イタリア文学。主な論文に、La lingua di Galileo in L’italiano tra scienza, arte e tecnologia, 2010; 「バロック期の感覚主義と「ナイチンゲール」をめぐる考察――ガリレオ、カンパネッラ、マリーノ、ゴンゴラを対象にして」(『天野恵先生退職記念論文集』、京都大学文学部イタリア語学イタリア文学研究室、2018年)などがある。

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