1月の新刊:オペラ/音楽劇研究の最前線
2026年 1月 19日 コメントは受け付けていません。
オペラ/音楽劇研究の最前線
(編)佐藤英・大西由紀・岡本佳子・萩原里香・森本頼子
判型:A5判上製
頁数:452頁
定価:6500円+税
ISBN: 978-4-8010-0946-2 C0073
装幀:滝澤和子
1月下旬頃発売!
研究の新展開を示す17のアプローチ!
オペラ、バレエ、ミュージカル、それらを原作とする漫画まで……複合芸術として自らの裾野を拡大し続けてきたオペラ/音楽劇は、各国の政治情勢、異文化との邂逅、新メディアの隆盛を受けて、どのように変容を重ね、現在にいたったのか。舞台上で、学術研究で、いま追究される課題を17名の専門家が多角的に論じる。
【目次】
まえがき(佐藤英)
第Ⅰ部 オペラ/音楽劇における作品の源流とジャンル形成
ヴァーグナーのヴィーナスと中世(石井道子)
バロック・オペラにおけるプロローグの機能とその演劇的意義(萩原里香)
ヴィーラント《アルケステ》とジングシュピールの理念(江口大輔)
第Ⅱ部 オペラ/音楽劇と時代思潮
ハンブルクの祝祭劇とその台本――ラインハルト・カイザーの《豊穣なポーモーナの勝利》を中心に(荻野静男)
20世紀初期ウィーンにおけるジャポニスムの音楽劇(釘宮貴子)
オペレッタにおけるジャズとハリウッド――1928年から1938年にかけてのアメリカニズム(小川佐和子)
持て余された「グロテスク」――《中国の不思議な役人》の変容と評価からみる作者像の問題(岡本佳子)
第Ⅲ部 オペラ/音楽劇における教育と人材育成
北村季晴の音楽劇と実験的試み――お伽歌劇《ドンブラコ》にみる「歌と動作」の結びつき(井上登喜子)
「ロシア大歌劇団」からメトロポリタン・オペラへ――メゾソプラノ歌手ブルスカヤのオペラ活動の軌跡(森本頼子)
英国ロイヤル・オペラ・ハウスにおける教育普及活動と資金調達戦略――1970年代 ジョン・トゥーリーのリーダーシップに見る改革の軌跡(大野はな恵)
第Ⅳ部 オペラ/音楽劇の身体表象
19―20世紀転換期のバレエに描かれた日本と日本人――英国ロンドンの場合(山田小夜歌)
ホフマンスタールとメイエルホリド――《エレクトラ》における古代性の美学(神竹喜重子)
歌う俳優とその受難――現代のオペラ上演における演技の問題(新田孝行)
ギルバート&サリヴァン《ミカド》をめぐる議論と上演の現在地(大西由紀)
第Ⅴ部 オペラ/音楽劇とメディア
1925―37年のザルツブルク音楽祭におけるオペラ公演とラジオ放送(佐藤英)
クルト・ヴァイルの社会派音楽劇と社会的メディアとしての音楽劇(大田美佐子)
ローゲの表象――あずみ椋・池田理代子プロダクション・里中満智子による《ニーベルングの指環》の漫画化を中心に(笠原真理子)
あとがき(佐藤英)
【編者・執筆者について】
佐藤英(さとうすぐる)
1975年、秋田県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、日本大学教授。専攻、ドイツ文化研究、放送文化史。主な著書に『オペラ/音楽劇研究の現在――創造と伝播のダイナミズム』(共編著、水声社、2021年)、主な訳書にミーシャ・アスター『第三帝国のオーケストラ』(共訳、早川書房、2009年)などがある。
大西由紀(おおにしゆき)
1979年、愛媛県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、大東文化大学講師。専攻、比較文学・翻訳論。主な著書に『日本語オペラの誕生』(森話社、2018年)、主な論文に「喜歌劇『ミカド』に引用された日本の旋律について」(『鷗外』第115号)などがある。
岡本佳子(おかもとよしこ)
1985年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、神戸大学准教授。専攻、舞台芸術学、西洋音楽史。主な著書に『神秘劇をオペラ座へ』(松籟社、2019年)がある。
萩原里香(はぎはらりか)
石川県生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、武蔵野音楽大学非常勤講師。専攻、西洋音楽史、イタリア・オペラ。主な著書に『コラーゴ――オペラ黎明期の舞台上演責任者』(法政大学出版局、2025年)がある。
森本頼子(もりもとよりこ)
愛知県生まれ。愛知県立芸術大学大学院博士後期課程修了。博士(音楽)。現在、名古屋音楽大学ほか非常勤講師。専攻、西洋音楽史、ロシア音楽史。主な著書に『シェレメーチェフ家の農奴劇場――18世紀ロシアのオペラ文化史』(道和書院、2024年)などがある。
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石井道子(いしいみちこ)
1963年、東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、博士後期課程中退。現在、早稲田大学理工学術院創造理工学部教授。専攻、ドイツ語、ドイツ語圏文学。主な訳書に『ミンネザング――ドイツ中世恋愛抒情詩撰集』(共訳、大学書林、2001年)などがある。
江口大輔(えぐちだいすけ)
1976年、千葉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科ドイツ語ドイツ文学専攻単位取得退学。現在、早稲田大学法学部准教授。博士(文学)。専攻、18―19世紀ドイツ語圏文学。主な論文に「ジャン・パウル『自叙伝』における固有名「パウル」」(『固有名と虚構性』日本独文学会研究叢書第130号)などがある。
荻野静男(おぎのしずお)
1954年、岡山県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、早稲田大学名誉教授、早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所顧問。専攻、オペラ/音楽劇研究、ドイツ語圏文化研究。主な著書に、『キーワードで読むオペラ/音楽劇研究ハンドブック』(共編著、アルテスパブリッシング、2017年)などがある。
釘宮貴子(くぎみやたかこ)
徳島県生まれ。名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(学術)。現在、徳島文理大学短期大学部教授。専攻、日本の洋楽受容、ドイツ・オーストリアの音楽のジャポニスム。主な論文に「20世紀初頭のドイツにおける日本の学校唱歌」(『音楽教育学』47‐2号)などがある。
小川佐和子(おがわさわこ)
1985、山梨県生まれ。早稲田大学文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、北海道大学大学院文学研究院准教授。専攻、映画史・オペレッタ文化史。主な著書に『映画の胎動――1910年代の比較映画史』(人文書院、2016年)などがある。
井上登喜子(いのうえときこ)
東京都生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(人文科学)。現在、お茶の水女子大学基幹研究院教授。専攻、音楽文化史、音楽社会学。主な著書に『オーケストラと日本人』(アルテスパブリッシング、2025年)などがある。
大野はな恵(おおのはなえ)
東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、芸術文化観光専門職大学准教授。専攻、音楽教育・文化政策。主な論文に「『バロック歌唱』の成立と虚構性」(博士論文、2015年)などがある。
山田小夜歌(やまださやか)
東京都生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。現在、京都精華大学国際文化学部/共通教育機構講師。専攻、舞踊史、舞台芸術論。主な論文に「大正期帝劇の《昇る旭》――G・V・ローシーによるバレエ《エクセルシオール》の翻案上演について」(『舞踊學』48号)などがある。
神竹喜重子(かみたけきえこ)
一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、一橋大学経済研究所ロシア研究センター研究機関研究員。専攻、ロシア音楽史。主な著書に『音楽劇の変遷を探る――上演記録からみる言語と地域の横断的研究』(共編著、神戸大学出版会、2025年)などがある。
新田孝行(にったたかゆき)
慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。現在、東京都立大学ほか非常勤講師。専攻、比較文学、音楽学。主な著書に『芸術のリノベーション――オペラ・文字・映画』(共著、中央大学出版部、2020年)などがある。
大田美佐子(おおたみさこ)
1968年、東京都生まれ。ウィーン大学人文学研究科博士課程修了。博士(音楽学)。現在、神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授。専攻、音楽文化史、音楽学。主な著書に『クルト・ヴァイルの世界――実験的オペラからミュージカルへ』(岩波書店、2022年)などがある。
笠原真理子(かさはらまりこ)
東京大学大学院文化資源学研究専攻博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学連携研究機構ヒューマニティーズセンター助教。専攻、19世紀後半のフランス・オペラ、オペラ演出、少女漫画。主な著書に『言葉を奏で、音楽を読む――世紀転換期の〈フランス・オペラ〉をめぐって』(共著、春秋社、2025年)などがある。
【関連書】
オペラ/音楽劇研究の現在/佐藤英・大西由紀・岡本佳子(編)/4500円+税