3月の新刊:翻訳者 堀辰雄――文体のモダニズム
2026年 3月 3日 コメントは受け付けていません。
翻訳者 堀辰雄
文体のモダニズム
戸塚学(著)
判型:A5判上製
頁数:418頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0957-8 C0098
装幀:齋藤久美子
3月上旬発売!
文学作品の文体を求めて
小説執筆の傍ら堀が生涯にわたり取り組んだ外国文学の翻訳は、創作行為といかなる関係にあったのか。
『風立ちぬ』をはじめとする諸作品の文体に、翻訳という行為がどのように関わったのかを丹念に分析することで、芸術の自律性を追求したモダニストとしての新たな肖像を描き出す、画期的な堀辰雄論。
《堀は翻訳行為を通して新たな文体を創出することで、ただ言葉だけによって開かれる、一種の非在の場所を生み出した。それは、現実の規矩を超え出る、純粋な仮構の領域にほかならない。マラルメの言う「あらゆる花束の中には存在しない花」を、堀は小説において創出したのであった。》(「終章」より)
【目次】
序章 堀辰雄の翻訳と文体
第1部 翻訳から創作へ
序
第1章 詩的モダニズム――エッセイ・コント・詩・翻訳
第2章 「不器用な天使」――翻訳から小説へ
第3章 影響と翻訳の間――横光利一と堀辰雄の文学言語
第2部 文体のモダニズム
序
第4章 「聖家族」論――文体と心理の相即
第5章 プルーストの翻訳―― 『美しい村』への道
第6章 「菜穂子」論――心理を書かずに心理を書くこと
書物の空間(1) フランス文学――菱山修三・山田珠樹
第3部 王朝の翻訳
序
第7章 「物語の女」論――昼顔はどこに咲いているか
第8章 「かげろふの日記」――古典の翻訳
書物の空間(2) 国文学――清水文雄・「むらさき」
第4部 翻訳としての『風立ちぬ』
序
第9章 『風立ちぬ』論――書かれる時間と書く時間
第10章 「死のかげの谷」におけるリルケ翻訳
書物の空間(3) ドイツ文学――笹沢美明・「カスタニエン」
第5部 モダニズムの継承
序
第11章 堀辰雄を読む福永武彦――モダニズムの継承
第12章 中村真一郎の王朝と世界文学――『王朝の文学』『恋の泉』
第13章 『文章読本』から『四季』へ――中村真一郎の文体概念
補論
序
書き込みというテクスト――旧蔵洋書の中の読書行為
終章 象徴主義と言語の自律
あとがき
【著者について】
戸塚学(とつかまなぶ)
1980年、静岡県に生まれる。武蔵大学人文学部教授。専攻は日本近現代文学。主な著書に、『世界文学アンソロジー』(共編、三省堂、2019年)、『人文学のレッスン――文学・芸術・歴史』(共編、水声社、2022年)、『教科書の中の世界文学』(共編、三省堂、2024年)、『シンデレラの末永く幸せな変身』(共編、水声社、2025年)などがある。