文化庁令和7年度(第76回)芸術選奨文部科学大臣賞(評論)受賞のおしらせ
2026年 3月 3日 コメントは受け付けていません。
小社より2025年4月に刊行された大出敦『余白の形而上学――ポール・クローデルと日本思想』が、令和7年度芸術選奨文部科学大臣賞(評論)を受賞いたしました。著者の大出敦先生、おめでとうございます!
また、選考委員の皆様をはじめ、このたびの選考に関わられた皆様に感謝申し上げます。

ポール・クローデル。近代フランスの大文学者。外交官でもあった。1920年代には駐日大使を務めてもいる。はて、熱烈なカトリック信者のクローデルと、八百万の神々の日本はどこまで切り結べたのか。難問だった。が、ついに魅力的突破口が示された。大出敦氏の細密な研究の上に大胆な議論が展開される。クローデルが惹かれたのは平田篤胤の国学や能や水墨画。不可知の何かの存在を示唆したいものばかりだ。一方、キリスト教の神学とは語り得ぬ神の存在を示唆しようとする。余白か黒塗りのある形而上学だ。この交差からクローデルの文学は読み直されるであろう。日本発の偉大な成果である。