V. プラシャド 『褐色の世界史』刊行記念トークイベント 

2013年 6月 3日 コメントは受け付けていません。

4月に刊行されたヴィジャイ・プラシャド著『褐色の世界史——第三世界とはなにか』は、激動の20世紀を《第三世界というプロジェクト》の視座から描き出し、その未発のままの歴史/運動/現在をトータルに概括する話題の書として欧米での評価が高く、長く邦訳が待たれていました。著者のヴィジャイ・プラシャドは、サイード亡き後、世界情勢についてもっとも精力的に語る論客として、注目を浴びていますが、本書も刊行以来、各誌紙で好評をいただいております。

◉ 柄谷行人氏(哲学者、『朝日新聞』6月1日付)
「本書から、私は第三世界に関する基礎的な史実を学んだ。〔……〕「第三世界」を滅ぼしたのは、この新帝国主義である。しかし、本書を読んで、私はこう思った。そう遠くない将来に、「第三世界」に代わるものが生まれるだろう、そして、それは新たな国連と結びつくだろう。」

◉ 池上善彦氏(元『現代思想』編集長、『図書新聞』4月27日号)
「著者の指摘するように〔……〕未だ世界全体の第三世界プロジェクトは再開されていない。しかしそこにこそ現在の我々の指針がある。考え抜いたと思った果てに、さらに世界は広がっている。世界は我々が考えるよりずっと広いものなのだ。本書を読んでそれを実感する。」


◉ 野中大樹氏(『週刊金曜日』4月19日号)
「第三世界はすでに消えたのか、今もあるのか。訳者である粟飯原文子氏は、あとがきでこう記す。『第三世界が『プロジェクト』であるのなら、決して消え去ってしまうことはない』と。」




また、来たる 6月16日(日)午前10時30分より、本書の刊行を記念して、ジュンク堂書店池袋本店においてトークイベントをおこないます。
今回のトークイベントは、本書の価値をいちはやく見出した池上善彦さん(元『現代思想』編集長)と、訳者の粟飯原文子さん(アフリカ文学・文化史)が、「21世紀に第三世界を考える——新しい世界史と日本のためのパースペクティヴ」と題して行ないます。ふるってお運びください!

*なお、本イベントは、おなじく粟飯原さんの訳によるアルンダティ・ロイ著『ゲリラと森を行く』を刊行する以文社さんとの共催になります。

「21世紀に第三世界を考える——新しい世界史と日本のためのパースペクティヴ」

講師:池上善彦(元『現代思想』編集長)×粟飯原文子(アフリカ文学・文化史)

日時:2013年6月16日(日) 午前10時30分〜

場所:ジュンク堂書店 池袋本店 TEL 03-5956-6111

入場料:1000円(ワンドリンク付)

 

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e8a490e889b2e381aee4b896e7958ce58fb2_cover褐色の世界史――第三世界とはなにか

ヴィジャイ・プラシャド/粟飯原文子 訳

四六判並製/2段組447頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-927-7 C0022 好評発売中!

 

「第三世界というプロジェクト、それはこれまでヨーロッパが答えられなかった問題を解決することなのだ」――フランツ・ファノン


焦眉の世界情勢をとらえるうえで、必読の1冊!

アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、そしてアラブなどで、なぜ、いまも「問題」が勃発するのか。焦眉の世界情勢を歴史的にとらえるためのスタンダードワーク。激動の20世紀を〈第三世界〉の視座から描き出し、その未発のままの歴史/運動/現在をトータルに概括する話題の書。気鋭の訳者による渾身の解説(50枚)を付す。



【本書に寄せられた讃辞】

I・ウォーラーステイン
「今日実行可能な政治プログラムを策定するうえで不可欠な知識」

E・ガレアーノ
「正史や主流メディアの陰に潜む輝かしい世界を発見する手がかり」

P・ギルロイ

「ヴィジャイ・プラシャドは貴重な歴史資源を掘り起こした」

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