4月の新刊:『「コンスタンティヌスの寄進状」を論ず』
2014年 7月 30日 コメントは受け付けていません。
「コンスタンティヌスの寄進状」を論ず
ロレンツォ・ヴァッラ
高橋薫訳
A5判上製/200頁/定価3000円+税
978−4−8010−0008−7 C0098 好評発売中
「中世最大の偽書」と評される「コンスタンティヌスの寄進状」。
イタリア・ルネサンス期の思想家が、かつてローマ皇帝コンスタンティヌスが教皇シルウェステルに教皇領を寄進した証拠とされた文書を、徹底的な〈文献学的考証〉、〈歴史的考証〉(両者に帝国を譲渡する権利もされる権利もないこと、コンスタンティヌスに洗礼を施したのはシルウェステルより以前の教皇であること、当時のラテン語の用法との相違等)により駁論し、その真正性を否定した論争の書。
【目次】
訳者まえがき/間違って帰せられ、偽ものである「コンスタンティヌスの寄進状」を論ず/コンスタンティヌスの寄進状/十四世紀後半からのいくつかの出来事/訳註/訳者あとがき
【著者】
ロレンツォ・ヴァッラ(Lorenzo Valla) 1407年、ローマにうまれ、1457年ローマに没する。15世紀イタリアを代表する人文学者。パヴィア大学で修辞学の教鞭をとった。『ラテン語の優美について』はルネサンスを代表する文献学的な論考と評価されている。『弁証学的論議』『自由意志についての対話』『修道士の信仰告白』等を著し、宗教・聖職者の問題にも鋭い論陣をはった。
【訳者】
高橋薫(たかはしかおる) 1950年、東京に生まれる。筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学教授。専攻、フランス十六世紀研究。主な著書に『言葉の現場へ――フランス十六世紀における知の中層』(中央大学出版部、2007年)、『歴史の可能性に向けて――フランス宗教戦争期のおける歴史記述の問題』(2009年)、『フランスの誕生――十六世紀における心性のあり方』(ともに水声社、2010年)等がある。
【高橋薫の本】
フランスの誕生――十六世紀における心性のあり方 8000円+税
歴史の可能性に向けて――フランス宗教戦争期における歴史記述の問題 8000円+税