5月新刊:テラ・ノストラ

2016年 5月 16日 コメントは受け付けていません。

ピクチャ 1テラ・ノストラ
《フィクションの楽しみ》
カルロス・フエンテス(著)
本田誠二(訳)

判型:四六上製
頁数:1091頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0129-9 C0097
装幀:宗利淳一
好評発売中!


《我らの大地》を物語る、ラテンアメリカ文学の金字塔。メキシコを代表する作家が残した畢生の大作、待望の完訳!

征服者スペインによって始まったメキシコ成立の物語を、神話・小説的な想像力をもちいて批判的読解/創造する現代ラテンアメリカ小説の傑作。

スペイン王家のフェリペ2世や狂女フアナなどの実在の人物たちと、ドン・キホーテやドン・フアンなどの架空の登場人物たちを斬新な手法で錯綜させ、イベロアメリカ全体に影響を及ぼす征服者の悲劇を、旧世界・新世界・別世界の3部構成で物語る世紀の叙事詩!

《『テラ・ノストラ』の読者は蠱惑的な鏡の回廊のなかに誘われ、あたかも夢の世界に迷い込んだかのように、内部に引き込まれる。それはハプスブルグ家の霊廟や、アステカの生贄などの夢幻的世界であり、絶えずわれわれの目前で崩れ去っては再び甦るのだ。エクリチュールそのものを豊饒なるかたちで解体し、スペイン語のあらゆる領域における「文化的略奪」を目指す本作は、カルロス・フエンテス最大の作品であるのみならず、スペイン語で書かれた小説の金字塔であることは間違いない》――フアン・ゴイティソロ

【著者について】
カルロス・フエンテス(Carlos Fuentes)   1928年パナマに生まれ、2012年メキシコシティにて没する。父は外交官で、幼少から諸外国を転々とし、1940年代半ばよりメキシコシティに落ち着いてからは雑誌の創刊や小説の執筆など、精力的に文学活動に乗り出す。1960年代以降は「ブームの牽引車」としてラテンアメリカ文学をリードする存在となる。主な作品に、『澄みわたる大地』(寺尾隆吉訳、現代企画室、2010年)、『ガラスの国境』(寺尾隆吉訳、水声社、2015年)、批評に、『セルバンテスまたは読みの批判』(牛島信明訳、水声社、1982年)などがある。

【訳者について】
本田誠二(ほんだせいじ)  1951年、東京に生まれる。東京外国語大学スペイン語学科卒業。同大学大学院外国語研究科修了。現在、神田外語大学教授。専攻、スペイン黄金世紀文学。主な著書に、『セルバンテスの芸術』(水声社、2005年)、主な訳書に、アメリコ・カストロ『スペイン人とは誰か――その起源と実像』(水声社、2012年)、フアン・ゴイティソロ『スペインとスペイン人』(水声社、2015年)などがある。

【カルロス・フエンテスの本】
ガラスの国境 寺尾隆吉訳 3000円+税

セルバンテスまたは読みの批判 牛島信明訳 2000円+税

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