12月の新刊:カズオ・イシグロの世界《水声文庫》

2017年 12月 11日 コメントは受け付けていません。

カズオ・イシグロの世界カズオ・イシグロの世界
《水声文庫》
小池昌代+阿部公彦+平井杏子+中川僚子+遠藤不比人+新井潤美+藤田由季美+木下卓+岩田託子+武井博美(著)

判型:四六判上製
頁数:216頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0318-7 C0098
装幀:宗利淳一
好評発売中!

新ノーベル賞作家のすべて
長崎から英国へと移り住み、「過去にしか《ホーム》をもたない」と評される小説家の、それ故にこそのアクチュアリティと多面性を縦横に読み解く。

目次
声のなかへ、降りていくと 小池昌代
カズオ・イシグロの長電話――『わたしを離さないで』で気になること 阿部公彦 
遡行するイシグロ――〈ジャパニーズネス〉と〈イングリッシュネス〉のかなたに 平井杏子
廃物を見つめるカズオ・イシグロ――ゴミに記憶を託す 中川僚子 
とくに最初の二楽章が……――カズオ・イシグロの〈日本/幼年期〉をめぐって 遠藤不比人
カズオ・イシグロの小説における「顔のない」語り手たち 新井潤美 
カズオ・イシグロの声をめぐって 藤田由季美
カズオ・イシグロにおける戦争責任――「信頼できない語り手」が語る戦争 木下卓
映像にイシグロはなにを見るか 岩田託子 
カズオ・イシグロ書誌 武井博美編

執筆者について
小池昌代(こいけまさよ)  
1959年、東京都生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。詩人、小説家。詩集に、『永遠に来ないバス』(思潮社、1997年)、『もっとも官能的な部屋』(書肆山田、1991年)、『コルカタ』(思潮社、2010年)、小説に、『感光生活』(筑摩書房、2004年)、『タタド』(新潮社、2007年)、『悪事』(扶桑社、2014年)などがある。

阿部公彦(あべまさひこ)  
1966年、横浜市生まれ。ケンブリッジ大学大学院博士課程修了。Ph. D. 東京大学准教授(英米文学)。主な著書に、『英語文章読本』(研究社、2010年)、『文学を〈凝視する〉』(岩波書店、2012年)、『善意と悪意の英文学史――語り手は読者をどのように愛してきたか』(東京大学出版会、2015年)などがある。

平井杏子(ひらいきょうこ)  
1946年、長崎市生まれ。昭和女子大学英文科卒業。昭和女子大学名誉教授(英文学)。主な著書に、『アイリス・マードック』(彩流社、1995年)、『アガサ・クリスティを訪ねる旅――鉄道とバスで回る英国ミステリの舞台』 (大修館書店、2010年)、『ゴーストを訪ねるロンドンの旅』 (大修館書店、2014年)、『カズオ・イシグロ――境界のない世界[新版]』 (水声社、2017年)などがある。

中川僚子(なかがわともこ)  
1957年、広島市生まれ。津田塾大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。聖心女子大学教授(イギリス文学・文化)。主な著書に、『日常の相貌――イギリス小説を読む』(水声社、2011年)、『〈日本幻想〉――表象と反表象の比較文化論』(共著、ミネルヴァ書房、2015年)などがある。

遠藤不比人(えんどうふひと) 
1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(一橋大学)。成蹊大学教授(イギリス文学・文化、文化理論)。主な著書に、『死の欲動とモダニズム――イギリス戦間期の文学と精神分析』(慶應義塾大学出版会、2012年)、『情動とモダニティ――英米文学/精神分析/批評理論』(彩流社、2017年)などがある。

新井潤美(あらいめぐみ)  
1961年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(東京大学)。上智大学教授(英文学、比較文学)。主な著書に、『執事とメイドの裏表――イギリス文化における使用人のイメージ』(白水社、2011年)、『魅惑のヴィクトリア朝――アリスとホームズの英国文化』(NHK出版、 2016年)、『パブリック・スクール――イギリス的紳士・淑女のつくられかた』(岩波書店、2016年)などがある。

藤田由季美(ふじたゆきみ)  
1967年、さいたま市生まれ。立教大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。早稲田大学講師(英文学)。主な著書に、『〈食〉で読むイギリス小説』(共著、ミネルヴァ書房、2004年)、『英語文学事典』(共著、ミネルヴァ書房、2007年)などがある。

木下卓(きのしたたかし)  
1947年、香川県三豊市生まれ。立教大学大学院文学研究科博士課程満期退学。愛媛大学名誉教授(英語文学、イギリス文化論)。主な著書に、『ガリヴァー旅行記――シリーズもっと知りたい名作の世界』(編著、ミネルヴァ書房、2006年)、『旅と大英帝国の文化――越境する文学』(ミネルヴァ書房、2011年)などがある。

岩田託子(いわたよりこ)  
1958年、堺市生まれ。津田塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。中京大学教授(英語・英米文学)。主な著書に、『イギリス式結婚狂騒曲――駆け落ちは馬車に乗って』(中央公論新社、2002年)、『ヨーロッパ読本 イギリス』(共著、2007年)、『図説 英国レディの世界』(共著、2011年、ともに河出書房新社)などがある。

武井博美(たけいひろみ)  
1966年、東京都生まれ。フェリス女学院大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。横浜創英大学教授(英文学)。主な著書に、『ゴシックロマンスとその行方――建築と空間の表象』(彩流社、2010年)、『旅にとり憑かれたイギリス人』(共著、ミネルヴァ書、2016年)などがある。

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