5月の新刊:『悪の華』を読む《水声文庫》

2018年 5月 18日

書影_『悪の華』を読む『悪の華』を読む
《水声文庫》
安藤元雄(著)

判型:四六判上製
頁数:249頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0336-1 C0098
装幀:宗利淳一
5月10日頃発売!

時代を宿した詩がこだまする
「同時代の詩」を書くとは、どういうことなのか。継父への反発と母への愛憎、政治への期待と落胆、芸術家の使命の標榜、権力への反抗、恋慕と挫折、都市の移ろいと陰、老いと病、そして虚無……近代人の矛盾と動揺を「悪」のうちに結実させた詩集への《さそい》。
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5月の新刊:涙《パスカル・キニャール・コレクション》

2018年 5月 10日

涙(キニャール) 書影
《パスカル・キニャール・コレクション》
パスカル・キニャール(著)
博多かおる(訳)

判型:四六判上製
頁数:178頁
定価:2400円+税
ISBN:978-4-8010-0226-5 C0397
装幀:滝澤和子
5月16日頃発売!

言語の起源をめぐる幻想曲
「ストラスブールの誓い」に立ち会った年代記作者ニタール、見知らぬ女の顔を探し求め彷徨するアルトニッド。反復する誕生、鏡像のような双子。カロリング朝を舞台に、史実と虚構を断章形式で織り交ぜ、フランス語の起源に肉薄する謎めいた小説。
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5月の新刊:落馬する人々〈最後の王国7〉《パスカル・キニャール・コレクション》

2018年 5月 10日

書影_落馬する人々落馬する人々〈最後の王国7〉
《パスカル・キニャール・コレクション》
小川美登里(訳)

判型:四六判上製
頁数:335頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0225-8 C0397
装幀:滝澤和子
5月11日頃発売!

起源への転落、再生へのエセー
馬が嘶き、手綱は千切れ、地面にたたきつけられる。生死の境をさまよった末、血だまりのなかで息を吹き返した人間がみた世界――人馬一体の命運を転覆させ、戦争/平和、動物/人間、言語/イメージ、社会/自由の根幹を問い、起源を生き直すための忘我=脱自(エクスターズ)!
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5月の新刊:中村真一郎手帖⑬

2018年 5月 8日

中村真一郎手帖13中村真一郎手帖⑬
中村真一郎の会(編)

判型:A5判並製
頁数:88頁
定価:1000円+税
ISBN:978-4-8010-0332-3 C0091
装幀:齋藤久美子
好評発売中!


生誕100年

戦後文学の旗手・中村真一郎の業績を顕彰する研究・活動を続けている〈中村真一郎の会〉の機関誌第13号。中村真一郎の文学世界への誘いとなる荒川洋治、尾崎真理子の講演録の他、真一郎の小説、エッセイ、文学論、さらには映画脚本までを多角的に考察する論考やエッセイを収録。
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5月の新刊:午前四時のブルー/Ⅰ 謎、それは自分

2018年 4月 27日

午前四時 書影午前四時のブルー
Ⅰ 謎、それは自分
小林康夫(責任編集)

判型:A5判並製
頁数:128頁
定価:1500円+税
ISBN:978-4-8010-0341-5 C0370
装幀:Gaspard Lenski
5月10日頃発売!


水声社の新たな雑誌「午前四時のブルー」(責任編集=小林康夫)刊行開始!!
本誌は、文学、芸術、哲学のフィールドで活躍する執筆者たちに、各特集のテーマに沿って自由に書かれたテクストを寄稿していただく新しい試みです。Ⅰ巻目の特集には、パスカル・キニャールの一文「謎、それは自分である」に導かれた対談、テクストを収録。



本書をお求めの方は、小社に直接ご注文いただけます
ご希望の方は、①氏名 ②発送先 ③電話番号 ④冊数をご記入のうえ、以下のメールアドレスにご連絡ください。なお、発送は代金引換郵便となります(代引手数料は小社負担)。
メールアドレス画像
▶お支払いただく代金は、1冊につき書籍代1,500円+荷造り送料300円を加えた、計1,800円となります。なお、2冊以上お買い上げの場合は、荷造り送料無料とさせていただきます。
▶電話・FAXでのご注文も承ります。Tel 03-3818-6040 / Fax 03-3818-2437
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5月の新刊:プリーモ・レーヴィ――失われた声の残響

2018年 4月 23日

プリーモレーヴィプリーモ・レーヴィ
失われた声の残響
ガブリエッラ・ポーリ+ジョルジョ・カルカーニョ(著)
二宮大輔(訳)

判型:四六判上製
頁数:510頁
定価:4500円+税
ISBN:978−4−8010−0337−8 C0098
装幀:宗利淳一
5月上旬発売!


プリーモ・レーヴィは、過酷なアウシュヴィッツ強制収容所時代をくぐりぬけ、いかにして20世紀を代表する作家になりえたのか?
新聞や雑誌、ラジオやテレビで録音、録画されたテープ、または講演、討論のリポート、学生との対話や個人的な会話の記録……。レーヴィがさまざまな場で語った膨大な記録を巧みに組み立てなおし、いまだ謎につつまれる作家の人物像と、創作の秘密をあらわにする迫真の書。
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4月の新刊:ルパンの世界

2018年 4月 16日

ルパンの書影ルパンの世界
ジャック・ドゥルワール(著)
大友徳明(訳)

判型:四六判上製
頁数:367頁
定価:3000円+税
ISBN:978−4−8010−0338−5 C0098
装幀:西山孝司
4月下旬発売

あきらかになる、ルパンの全貌
怪盗アルセーヌ・ルパンの人間関係や過去への偏愛、そして当時の衣装風俗や社会階層、はたまた乗り物やアクセサリーや武器にいたるまで、多角的かつ詳細な視点からその実像に迫った、ルパン愛読者必携の書。
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4月の新刊:エリュアールの自動記述

2018年 4月 11日

エリュアールの自動記述
福田拓也(著)

判型:四六判上製
頁数:234頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0335-4 C0098
装幀:宗利淳一
4月6日頃発売!


呟きは連なり〈語〉は戯れ群れをなす

何の考えもなしに不意に書きはじめられた語は、なぜ自らを探し求めるように連鎖していくのか?――純粋な思考の表現を目指す一方で言語に頼らざるを得ないという逆説に引き裂かれながら、果敢にも自動記述を実践したエリュアール。解読不能寸前のシュルレアリスム的テクストを解剖し、その原理を露わにする。
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4月の新刊:《図案対象》を読む――夭折のアヴァンギャルド画家、久保克彦とその時代

2018年 4月 10日

図案対象を読む《図案対象》を読む
夭折のアヴァンギャルド画家、久保克彦とその時代
黒田和子(著)

判型:A5判上製
頁数:総159頁(本文143頁+別丁図版16頁)
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0331-6 C0071
装幀:宗利淳一
4月7日発売!

甦る前衛絵画
太平洋戦争下の中国戦線で26歳の若さで戦死した知られざるアヴァンギャルド画家久保克彦の畢生の大作《図案対象》とそれに至るまでの作品と思考の歩みを、シュルレアリスム、構成主義をはじめとする同時代のヨーロッパ美術との関連のうちに位置づける稀有な試み。

画家と世界との間には、呼気と吸気があると言う。すなわち、画家が世界の相貌(かお)を見、世界のある相貌がある画家を要求すると言う。二十世紀初頭の、怒濤のようなヨーロッパの美術界の潮流を受け止め、無謀な戦いに巻き込まれていく中で、それらを自らのものとし、表現し、そして征った久保は、世界の相貌から見つめられてこの作品を残したのに違いない。時代と作家との相関関係なしには、この作品は考えられないのではないだろうか。(本文より)

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4月の新刊:議論して何になるのか

2018年 4月 6日

議論して何になるのか議論して何になるのか
ナショナル・アイデンティティ、イスラエル、68年5月、コミュニズム
アラン・バディウ
+アラン・フィンケルクロート(著)
的場寿光+杉浦順子(訳)

判型:四六判上製
頁数:211頁
定価:2800円+税
ISBN:978−4−8010−0333−0 C0010
装幀:宗利淳一
4月9日頃発売!


対峙すべき本当の敵とは何か?
根本的に相反するふたりの哲学者が、緊張に満ち、火花散るような、時に激昂に達するほどの雰囲気のなかで、ナショナル・アイデンティティ、イスラエル、68年5月、コミュニズムについて、白熱の議論を闘わせる!
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4月の新刊:小説は環流する――漱石と鷗外、フィクションと音楽

2018年 4月 5日

小説は環流する小説は環流する
漱石と鷗外、フィクションと音楽
山本亮介(著)

判型:A5判上製
頁数:274頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0328-6 C0095
装幀:齋藤久美子
4月2日発売!

小説の言葉は傍若無人の動きを見せる。時間を折りたたみ、空間を重ね合わせ、人の心のうちへと立ち入り、言葉の〈世界〉を語り成す。
近代の夏目漱石、森鷗外から現代の奥泉光『シューマンの指』、村上春樹『IQ84』、古川日出男『南無ロックンロール二十一部経』、伊坂幸太郎『魔王』などをとりあげ、複数の世界を越境する小説をめぐる芸術理論的探究。
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3月の新刊:現代女性作家の方法《水声文庫》

2018年 4月 5日

現代女性作家の方法現代女性作家の方法
《水声文庫》
松本和也(著)

判型:四六判上製
頁数:260頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0327-9 C0095
装幀:宗利淳一
3月20日発売!

小説を読むことの魅力はどのような言葉―表現によってもたらされるのか。
江國香織、湊かなえ、青山七恵、小川洋子、多和田葉子、藤野可織、川上弘美ら7人の8作品を詳細に読み解き、小説家が、いかに読者に読ませる工夫をしているかを探る試み。
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4月の新刊:芸術と労働

2018年 4月 2日

芸術と労働芸術と労働
白川昌生+杉田敦(編)

判型:A5判上製
頁数:236頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0325-5 C0070
装幀:宗利淳一
3月30日発売!


芸術は経済を、経済は芸術を欲望してもいる。
現代社会における芸術活動について、美術作家、批評家などが様々な視点(フィールドワーク、作品制作、討議等)から捉え、芸術、労働、社会との関わりを考察し、これからの関わり方、意識、行動を喚起する論集。
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4月の新刊:ヴァレリーの『旧詩帖』――初期詩篇の改変から詩的自伝へ

2018年 3月 23日

ヴァレリーの旧詩帖_書影ヴァレリーの『旧詩帖』
初期詩篇の改変から詩的自伝へ
鳥山定嗣(著)

判型:A5判上製
頁数:464頁+別丁68頁
定価:7000円+税
ISBN:978-4-8010-0334-7 C0098
装幀:宗利淳一
4月2日頃発売!


文学を一度放棄し、『若きパルク』で詩作に回帰した詩人ヴァレリー。
約20年におよぶ「沈黙期」に橋を架けたのは、初期の詩集『旧詩帖』だった。
四半世紀にわたる改変の作業を丁寧に辿ることにより、自らの過去を書きかえ続ける作家ヴァレリーの〈詩的自伝〉を問う。『旧詩帖』新訳を併録。

ヴァレリーはどのようにして詩作の業に回帰するに至ったのか。昔の詩を書き改めたのはなぜなのか。約30年の歳月を隔てる旧作と改作にはどのような相違が見られるのか。以上が本書に通底する問いである。(「はじめに」より)


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3月の新刊:〈ニグロ芸術〉の思想文化史

2018年 3月 12日

ニグロ芸術 書影〈ニグロ芸術〉の思想文化史
フランス美術界からネグリチュードへ
柳沢史明(著)

判型:A5判上製
頁数:376頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0330-9 C0070
装幀:山崎登
3月23日頃発売!


支配と抵抗のポリティクス
フランス美術界で創出され、文化史上のトピックとなった〈ニグロ芸術〉。間大陸的な文化摩擦を被ってきたこの概念は一方で、ハーレム・ルネサンスやネグリチュードといった黒人文化運動において自らのアイデンティティを示す「抵抗のための武器」にもなりえた……。同時代の文脈から諸言説を読み解き、支配と抵抗の歴史を反省的に再構築する。
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3月の新刊:メイド・イン・ソビエト――20世紀ロシアの生活図鑑

2018年 2月 27日

メイド・イン・ソビエトメイド・イン・ソビエト
20世紀ロシアの生活図鑑
マリーナ・コレヴァ+タチヤナ・イヴァシコヴァ他(著)
神長英輔+大野斉子(訳)

判型:46判並製
頁数:252頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-322-4 C0030
装幀:宗利淳一

共産主義国家の奇妙な日常
レトロかつ未来的なデザインの電化製品、不便な暮らしの中で発案された独特な日用品……1920年代から80年代まで、ソビエト連邦の歴史の変遷を刻んだ生活雑貨、人気商品、党の行事に関する知られざるエピソード、にやりとするアネクドートの数々を紹介し、ソ連崩壊とともに消失した、今やロシア人にとっても懐かしい世界の日常風景を豊富な図版とともに追想する。
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3月の新刊:自叙の迷宮――近代ロシア文化における自伝的言説

2018年 2月 27日

自叙の迷宮自叙の迷宮
近代ロシア文化における自伝的言説
中村唯史+大平陽一(編)
三浦清美+奈倉有里+武田昭文+梅津紀雄(著)

判型:A5判上製
頁数:288頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-321-7 C0098
装幀:西山孝司


自伝、自伝的小説、回想、日記、手紙。過去の出来事を現在の表象によって書き換え、再構成する〈自叙〉のなかに、〈事実〉はどこまで残されているのか?
ロシア文化における自叙はロマン主義の時代に興隆し、続くリアリズムの時代には減退した。しかし19世紀末、いわゆる「銀の時代」の始まりとともに、再び事実性への志向が強まり、創作の手法としての自叙や、作家の伝記への関心が高まりを見せるようになる。
現在と過去の錯綜の中に生起し、虚実入り混じる多様な〈自叙〉の実相を、革命前後の時代を中心とする近代ロシア文化の中に追う。
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2月の新刊:ジャン=クロード・シルベルマン――フィギュールの危険な誘惑《シュルレアリスムの25時》第2期

2018年 2月 26日

書影 シルベルマンジャン=クロード・シルベルマン
フィギュールの危険な誘惑
《シュルレアリスムの25時》第2期
齊藤哲也(著)

判型:四六判上製
頁数:283頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0303-3 C0398
装幀:宗利淳一
2月28日発売!


フィギュールはキャンバスから飛び立ち、謎めいた言葉を囁く。
50-60年代のパリ・グループの一翼を担い、ブルトンの死、五月革命そしてグループ解体を経て、いまもなお〈シュルレアリスト〉であるジャン=クロード・シルベルマン。タブローを切り抜いて「看板」を作り、デッサンに詩をつけて「絵本」を書く画家・詩人の生き様を通して、シュルレアリスムの〈現在〉を捉える!
《ひとりの人間の生にここまで深く介入し、そのあり様を決定的に変えてしまう「シュルレアリスム」なるものとはいったい何か。いや「何か」とはけっして問わないでおこう。本書で語りたいのは、このいわく語りがたい何ものかに、亡霊のようにとり憑かれてしまったひとりのおとこの物語である。》(序章より)
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2月の新刊:『北回帰線』物語――パリのヘンリー・ミラーとその仲間たち

2018年 2月 26日

北回帰線『北回帰線』物語
パリのヘンリー・ミラーとその仲間たち
本田康典(著)

判型:四六判上製  
頁数:486頁
定価:4500円+税
ISBN:978-4-8010-0316-3 C0098
装幀:齋藤久美子
2月25日発売!


1930年代、パリ。ヘンリー・ミラーの苦闘の日々を追う。
『北回帰線』誕生にまつわるエピソードをブラッサイ、ルイス・ブニュエル、エズラ・パウンド、バーニー・ロセットらとの交友を軸に、アメリカでの発禁本がいかに世界的なベストセラーとなっていったかを縦横に綴る〈書物〉の伝記。
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2月の新刊:惑星のハウスダスト

2018年 2月 14日

ハウスダスト書影
惑星のハウスダスト

福田拓也(著)

判型:A5判変型上製
頁数:79頁
定価:2500円+税
ISBN:978−4−8010−0326−2 C0092
装幀:宗利淳一
2月28日頃発売!


第32回現代詩手帖賞を受賞した詩人であり、文芸批評家でもある著者による第7詩集。自動記述的な散文詩作品。

ぼくはぼくとして入りそびれの沼地、裏返された旧相模川橋脚、脚なずみ空飛ぶ白鳥の空白、失神の浜辺に横たわる骸を食んだ永遠の白い歯の星空までめまいの螺旋がゆっくりと、あるいは急速に、ちりぢりになった空を食べながらぼく、宇宙の青くなった肉のつぶつぶ、惑星の塵埃(ハウスダスト)!

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