『ハンナ・ヘーヒ』刊行記念イベントのお知らせ
2020年 3月 3日
対談:香川檀✕塚原史
女性作家からダダの可能性を考える
〜『ハンナ・ヘーヒ』刊行記念イベント〜
ハンナ・ヘーヒ――透視のイメージ遊戯
香川檀
前衛芸術運動〈ダダイズム〉という言葉を聞いたことがあるかもしれません。既存の価値観や伝統に対して反抗する運動は1916年にトリスタン・ツァラが命名し各国の主要都市で前衛芸術の流れをつくりました。ハンナ・ヘーヒ(1889-1978)もベルリン・ダダに参加したひとりでしたが、男性中心のダダのなかにあって、女性メンバーのヘーヒは極めて珍しい存在でした。
昨年刊行された香川檀『ハンナ・ヘーヒ――透視のイメージ遊戯』は、このベルリン・ダダ唯一の女性メンバー、ハンナ・ヘーヒの生涯と作品に迫ったモノグラフです。ダダの立ち上げから解散、そして戦後はアヴァンギャルドを見届けた証言者として、最晩年になってもなお作品を作りつづけた作家の姿勢には一貫して視覚経験への強い関心がありました。ダダから出発したヘーヒでしたが、新しいイメージ思考を追求したその創作活動には、たしかにダダイズムの枠にとどまらないものがあったに違いありません。
今回のイベントでは、『ダダイズム』(岩波書店、2018年)によってダダのもつ多様性と越境性を鋭く描き出した塚原史さんをお招きし、ハンナ・ヘーヒという人物からダダイズムの可能性について存分に対談していただきます。またとないこのイベントにぜひ足をお運びください。
ご参加をご希望の方は、こちらよりご予約をお願いします。
*外出や人の集まる場所へのご参加にリスクと不安があるかもしれませんが、当日は、定員を半数にして座席の間隔を広げ、換気に留意いただきます。
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