9月の新刊:ハンナ・ヘーヒ——透視のイメージ遊戯

2019年 9月 5日

ヘーヒ書影ハンナ・ヘーヒ
透視のイメージ遊戯
香川檀(著)

判型:A5判上製
頁数:309頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0442-9 C0070
装幀:間村俊一
9月中旬頃発売!

イメージの表層を裂く、漂うアイロニーと遊戯性
ベルリン・ダダ唯一の女性メンバー、ハンナ・ヘーヒ(1889-1978)。「反芸術」を掲げた前衛運動に参加しながらも、フォトモンタージュをはじめ終生つねに実験的な作品をつくりだしていく背景には、驚くべきヴィジョンに貫かれた創作意識があった。波乱万丈のその生涯とともに、再評価が著しい女性美術家のうちにあるイメージ思考を解きほぐす、初のモノグラフ。図版多数収録。

視覚経験の可能性を追究した作家人生――
《本書は、ダダ以後に粘りづよく紡がれた彼女のイメージ思考を解き明かすべく、生涯を最晩年にいたるまで追いかけ、時々の主要作品をとりあげて吟味していく。それによって、この往年の女性ダダイストが、その後に展開した芸術上の探求と、一貫して持ち続けた造形的感性とを見届けようとするものである。》(「まえがき」より)
Read the rest of this entry »

 

9月の新刊:移民の記憶――マグレブの遺産 叢書《エル・アトラス》

2019年 9月 4日

移民の記憶 書影移民の記憶
マグレブの遺産
叢書《エル・アトラス》
ヤミナ・ベンギギ(著)
石川清子(訳)

判型:四六判上製
頁数:227頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0244-9 C0397
装幀:宗利淳一
9月中旬頃発売!

この本は、フランスにおけるマグレブ移民のただなかを旅した私の記録である。

マグレブ諸国からフランスに単身でわたり、悲惨な住環境で働く〈父たち〉。自国の伝統と異国への統合の軋轢に苦しむ〈母たち〉。ふたつの文化のあいだで自らのアイデンティティを問い直す〈子どもたち〉。
 マグレブ移民たちが直面した困難な現実を三部構成のインタビューによって重層的に可視化した傑作ノンフィクション。
Read the rest of this entry »

 

『ドナルド・ジャッド』刊行記念トークセッション開催のお知らせ

2019年 8月 23日

『ドナルド・ジャッド』刊行記念トークセッション
荒川徹×沢山遼「ミニマルな異物たち」

日時:2019年9月15日(日)17:00〜19:00(開場:16:45)
会場:NADiff a/p/a/r/t
定員:70名
入場料:1000円

ドナルド・ジャッド 書影『ドナルド・ジャッド――風景とミニマリスム』
荒川徹 著
A5判並製240頁
3000円+税

『ドナルド・ジャッド――風景とミニマリズム』の刊行を記念して、NADiff a/p/a/r/tにてトークセッションを行います。出演者は、著者の荒川徹さん、そして対談相手として沢山遼さんをお迎えいたします。ドナルド・ジャッドのファンはもちろんのこと、「ミニマリズム」や現代アートについて関心がある方にも楽しめる本イベントにぜひ足をお運びください。
Read the rest of this entry »

 

8月の新刊:夢は人生——四幕のメルヘン劇

2019年 8月 23日

夢は人生夢は人生
四幕のメルヘン劇

フランツ・グリルパルツァー(著)
城田千鶴子(訳)

判型:四六判上製
頁数:164頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0447-4 C0074
装幀:宗利淳一
8月末発売!

夢か幻か、はたまた現実か?
古代ペルシャを舞台に繰り広げられる《権力》と《愛》と《夢》をめぐる四幕の戯曲。19世紀オーストリアの最高の劇作家と評される著者が帝都ウィーンを騒然とさせた代表作。

生涯に得られる財貨など、影にすぎない。
人生の多くの喜び、そして
言葉も願望も行動も、影にすぎない。(本文より)

Read the rest of this entry »

 

8月の新刊:15000フランの顚末——フロベール『感情教育』論

2019年 8月 9日

スクリーンショット 2019-08-05 18.19.1815000フランの顚末
フロベール『感情教育』論
川中子弘(著)

判型:A5判上製
頁数:272頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0439-9 C0098
装幀:齋藤久美子
8月上旬発売!

愛はいくらで買えるのか?
ゾラによって要約不可能といわれた小説、ギュスターヴ・フロベール『感情教育』。錯綜とした物語を導く不可視の原理を、金銭と愛憎の貸借から浮かび上がらせる画期的な試み。
Read the rest of this entry »

 

7月の新刊:藤井厚二の和風モダン――後山山荘・聴竹居・日本趣味をめぐって

2019年 8月 5日

藤井厚二藤井厚二の和風モダン
後山山荘・聴竹居・日本趣味をめぐって
谷藤史彦(著)

判型:A5判上製
頁数:195頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0441-2 C0070
装幀:齋藤久美子
7月下旬発売!

環境工学の先駆者
昭和初期に西洋的な椅子の暮らしをとりいれつつ、日本の気候、風土にふさわしい和風住宅のあり方を探究し、環境工学の先駆者となった建築家のモノグラフィー。その集大成として京都・大山崎に「聴竹居」があり、また生地の福山・鞆の浦には「後山山荘」がのこされている。7月13日から9月8日まで目黒区美術館で開催されている「太田喜二郎と藤井厚二――日本の光を追い求めた画家と建築家」展の関連書。
Read the rest of this entry »

 

8月の新刊:午前四時のブルー/Ⅲ 蜻蛉の愛、そのレッスン

2019年 8月 4日

午前四時のブルー3午前四時のブルー
Ⅲ 蜻蛉の愛、そのレッスン
小林康夫(責任編集)

判型:A5判並製
頁数:128頁
定価:1500円+税
ISBN:978-4-8010-0343-9 C0370
装幀:Gaspard Lenski
8月下旬頃発売!

水声社の新たな雑誌「午前四時のブルー」第Ⅲ巻刊行!
本号では、知られざるユダヤ学の泰斗マルク=アラン・ウアクニンによる「だから人は蜻蛉を愛する……」と題された「師から弟子へ」受け継がれる物語を描いた美しくも謎めいたテクストを紹介します。巻頭は《現代のピカソ》と称されるミケル・バルセロによる蜻蛉の絵画、および写真家ルシール・レイボーズが写す舞踏家・工藤丈輝の連作を掲載。



■ 本書をお求めの方は、小社に直接ご注文いただけます ■
ご希望の方は、①氏名 ②発送先 ③電話番号 ④冊数をご記入のうえ、以下のメールアドレスにご連絡ください。なお、発送は代金引換郵便となります(代引手数料は小社負担)。
メールアドレス画像
▶お支払いただく代金は、1冊につき書籍代1,500円+荷造り送料300円を加えた、計1,800円となります。なお、2冊以上お買い上げの場合は、荷造り送料無料とさせていただきます。
▶電話・FAXでのご注文も承ります。Tel 03-3818-6040 / Fax 03-3818-2437
Read the rest of this entry »

 

8月の新刊:イメージで読み解くフランス文学——近代小説とジェンダー《水声文庫》

2019年 8月 3日

イメージで読み解くフランス文学イメージで読み解くフランス文学
近代小説とジェンダー
《水声文庫》
村田京子(著)

判型:四六判上製
頁数:288頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0443-6 C0098
装幀:宗利淳一
8月下旬頃発売!

〈女/男らしさ〉とは何か?
スタール夫人やバルザック、ゾラの文学などに現われる、逸脱者としての女と男。ときに「宿命の女(ファムファタル)」「ヴィーナス」と呼ばれた彼女/彼らは何者なのか? ギリシアの彫刻や、ダヴィッド、ドラクロワ、マネ、モローらの絵画のイメージから文学作品を読み解くことで、近代におけるジェンダー規範を照射する。
Read the rest of this entry »

 

8月の新刊:ドナルド・ジャッド——風景とミニマリズム

2019年 8月 2日

ドナルド・ジャッド 書影ドナルド・ジャッド
風景とミニマリズム
荒川徹(著)

判型: A5判並製
頁数:240頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0444-3 C0070
装幀:宇平剛史
8月上旬頃発売!

《ミニマリズム》という用語がさまざまな領域に浸透している現在、はたして美術における《ミニマリズム》とは何であったのか?
現代アートを代表する美術家、ドナルド・ジャッド(1928-94)の絵画、オブジェクト作品、リノベーション建築から家具制作に至るキャリアを中心に、作品構造と形態の変化を克明に辿りながら、いかにしてミニマリズムの芸術が人工的な風景や工学的構造などに触発されてきたかを追求する。
Read the rest of this entry »

 

7月の新刊:レーモン・クノー伝

2019年 7月 26日

レーモンクノー伝レーモン・クノー伝
ミシェル・レキュルール(著)
久保昭博・中島万紀子(訳)

判型:A5判上製
頁数:445頁
定価:7000円+税
ISBN:978-4-8010-0366-8 C0098
装幀:滝澤和子
7月下旬頃発売!

数学者として、作家として、「手のひらの中のわずかばかりの埃」として……
シュルレアリスム影響を受けた青年期から、物書き狂人の研究、コレージュ・ド・パタフィジック参加やウリポの創設などを経て、いかにして規格外の言語遊戯作家になったのか。『文体練習』や『地下鉄のザジ』で知られる作家の、知られざる生涯を描く、伝記研究の泰斗による、決定版評伝。
Read the rest of this entry »

 

7月の新刊:美術・神話・総合芸術――「贈与としての美術」の源へ

2019年 7月 26日

美術神話総合芸術美術・神話・総合芸術
「贈与としての美術」の源へ
《水声文庫》
白川昌生(著)

判型:四六判上製
頁数:270頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0440-5 C0070
装幀:宗利淳一
7月下旬頃発売!

いま、ここの総合芸術
ネアンデルタール人や初期ホモ・サピエンス、さらにはトロブリアンド諸島人の社会における〈アート〉の在り方を探究するとともに、19世紀から20世紀にかけてのヨーロッパを席巻した、モデルネの怒濤のような運動を超え、《総合芸術》へと向かう。現代美術家である著者による、芸術の根源への問い。
Read the rest of this entry »

 

7月の新刊:ルネ・ドーマル――根源的な体験《シュルレアリスムの25時》第2期

2019年 7月 22日

書影_ドーマルルネ・ドーマル
根源的な体験
《シュルレアリスムの25時》
谷口亜沙子(著)

判型:四六判上製
頁数:287頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0306-4 C0398
装幀:宗利淳一
7月25日頃発売!

確信をたどるように生き、確信が灯るように話す。
聖なる山の登攀をめざすユーモラスな冒険小説『類推の山』を書いたルネ・ドーマルは、いかにしてあの清澄な筆致にたどり着いたのか。彼岸体験で得た確信を導きに生と言葉に一切の偽りを許さなかった詩人の歩みから、真に人生を照らすポエジーが立ち現れる!

いつだって難しいのは、いくつもの生を同時に送ることです。というよりも、たったひとつの中心にある生の光に照らされるようにして、一瞬一瞬の、あらゆる小さな生を生きることです。そんなことは、ほとんど不可能です。それでも、この〈ほとんど〉という小さな一語にこそ、人間にとってのあらゆる希望がひそんでいるのです。「序章」より

Read the rest of this entry »

 

7月の新刊:翻訳家たちの挑戦――日仏交流から世界文学へ

2019年 7月 12日

書影_翻訳家たち翻訳家たちの挑戦
日仏交流から世界文学へ
澤田直・坂井セシル(編)

判型:四六判上製
頁数:305頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0428-3 C0098
装幀:宗利淳一
7月22日頃発売!

〈翻訳家は裏切り者〉ではない。決して裏切らないために翻訳するのである。
〈世界文学〉を支える翻訳とはいかにして行われるのか――古典、詩歌、小説、思想、映画、そして創作にいたるまで、ある言語が別の言語と通いあう道なき道を模索し、苦闘の末に言葉を見出した翻訳家たちの冒険の記録!
Read the rest of this entry »

 

6月の新刊:ヴィジョンとデザイン

2019年 6月 26日

ヴィジョンとデザインヴィジョンとデザイン
ロジャー・フライ(著)
蜂巣泉+堀川麗子(訳)

判型:四六判上製 
頁数:336頁 
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0427-6 C0070
装幀:齋藤久美子
6月25日発売!

世紀を超える美術論
セザンヌ! ゴッホ? 当時世間から眼をむけられていなかったポスト印象派のセザンヌ、ピカソ、ゴーガン、マティスらを1910年に初めてロンドンで紹介し、その後のイギリス絵画の近代化担った画家/美術批評家によるエッセイ集。
今ではうもれてしまった作家、作品にも言及し、ブルーブズベリーグループの一員でもある著者によってのこされた、多岐にわたる美術批評。
Read the rest of this entry »

 

【書評】レオナルド・パドゥーラ『犬を愛した男』

2019年 6月 25日

朝日新聞6/22(土)朝刊に、西崎文子さんによる、レオナルド・パドゥーラ『犬を愛した男』(寺尾隆吉訳)の書評が掲載されました。以下で記事を読むことができます。
https://book.asahi.com/article/12476213

 

6月の新刊:夢うつつ、旅

2019年 6月 21日

夢うつつ、旅夢うつつ、旅
菊池英也(著)

判型:四六判上製
頁数:221頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0436-8 C0093
装幀:宗利淳一
発売中!

ミスティックな恋愛小説
消え去った恋人の残した謎めいた本に導かれて,横浜,伊豆,軽井沢,陰岐,鎌倉,そしてインドへ!
存在と不在の深淵を経巡る魂の旅。
Read the rest of this entry »

 

6月の新刊:サンティアゴへの回り道

2019年 6月 21日

サンティアゴへの回り道サンティアゴへの回り道
セース・ノーテボーム(著)
𠮷用宣二(訳)

判型:四六判上製
頁数:374頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0437-5 C0098
装幀:宗利淳一
6月下旬発売!

旅人は何度も、横道に、横道の横道に誘われる――
キリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す「私」。たび重なる回り道と彷徨、そして思索の果てに彼は、スペインの歴史・風土・宗教・物語の坩堝、茫漠たる時空間の襞へと絡めとられていく……。
ノーベル文学賞の呼び声も高い現代オランダ文学の最高峰による、思索的/幻想的旅行記。
Read the rest of this entry »

 

6月の新刊:マンハッタン極私的案内

2019年 6月 20日

マンハッタンマンハッタン極私的案内
《水声文庫》
武隈喜一(著)

判型:四六判上製
頁数:352頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0426-9 C0070
装幀:宗利淳一
6月下旬発売!

トランプ時代を迎えた〈移民の街〉ニューヨークの相貌
ユダヤ人、黒人、東欧系、アジア系、ヒスパニック系――多彩な住民がともに暮らす、移民たちの都市ニューヨーク。この街に根付いた移民文化の深層を知るために、街角を歩き、美術館、博物館、さまざまなパフォーマンスを巡る、マンハッタンの文化と歴史を隅々まで語るエッセイ集。
Read the rest of this entry »

 

6月の新刊:案内係《フィクションのエル・ドラード》

2019年 6月 13日

案内係 書影案内係
《フィクションのエル・ドラード》
フェリスベルト・エルナンデス(著)
浜田和範(訳)

判型:四六判上製
頁数:312頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0270-8 C0397
装幀:宗利淳一
6月下旬頃発売!

1950年にフェリスベルト・エルナンデスの物語を読んでいなかったら、私は今日のような作家にはなっていないだろう。
ガブリエル・ガルシア・マルケス

誰とも似ていない作家
思いがけず暗闇で目が光る能力を手にした語り手が、密かな愉しみに興じる表題作「案内係」をはじめ、「嘘泣き」することで驚異的な売上を叩き出す営業マンを描く「ワニ」、水を張った豪邸でひとり孤独に水と会話する夫人を幻想的な筆致で描く“忘れがたい短篇”(コルタサル)「水に沈む家」、シュペルヴィエルに絶賛された自伝的作品「クレメンテ・コリングのころ」など、ガルシア・マルケスはじめ〈ブーム〉の作家たちに多大な影響を与えたウルグアイの奇才による日本版オリジナル傑作短篇集。
Read the rest of this entry »

 

6月の新刊:音楽の憎しみ《パスカル・キニャール・コレクション》

2019年 6月 12日

音楽の憎しみ音楽の憎しみ
《パスカル・キニャール・コレクション》
パスカル・キニャール(著)
博多かおる(訳)

判型:四六判上製
頁数:214頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010- 0228-9 C0397
装幀:滝澤和子
6月下旬頃発売!

音楽という暴力、音楽という闇
誕生以前から、音楽とともに人は存在した――
否応なく魅了する反面、人を呪縛し心を引き裂く、音楽なるものと、
いかにして人は生きてきたのか。
オルガン奏者の家系に生まれた作家/音楽家ならでは視点から、ギリシャ神話、ホロコースト、文学的題材を逍遥し、人類の初源から音楽を問う、孤高の思索/詩作。
Read the rest of this entry »