7月新刊:小島信夫長篇集成④ 別れる理由Ⅰ

2015年 8月 17日

小島長篇4カバー
小島信夫長篇集成④ 別れる理由Ⅰ
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=千石英世
月報=勝又浩・大杉重男・千石英世

A5判上製
688頁
定価9000円+税 
ISBN978-4-8010-0114-5 C0393 好評発売中!
装幀:西山孝司

悪人がいるわけではないのに、みな善意の人であるのに、みな日々の営みに精励する人なのに、だのに苦労がある。いや苦労ではなく苦悩だ。みな愛し愛されているのに頭上に澄み渡った青空はない。曇天の、しかし、静かな日常。その静かさのなかに苦悩を沈めている。愛があるのに、ではなく、愛があるから苦悩があるのだろうか。人が人と別れるのは、人が人に惹かれるからであろうか。人はなぜ人に惹かれるのだろう。(千石英世「解説」より)

著者生誕100年&没後10年記念出版!
小島信夫のすべての長篇小説を網羅するシリーズ、第1回配本。
連載期間12年半、全4000枚。夫婦・親子・男女の愛の錯綜と混沌を凄絶なまでに描き尽くし、旧来の小説の方法を悉く破砕する伝説的問題作、著者随一の超大作にして日本文学史上に異彩を放ち続ける現代文学の極北。

『別れる理由Ⅰ』では、主人公・前田永造とその家族に流れる静かな日常が、ゆるやかに、しかしとりとめもなく綴られる。やがてあきらかになる、亡き妻・陽子との波乱の日々、後妻・京子との心の懸隔、そして恵子との不倫関係……。他人の女を抱いてなお、愛する妻をひたぶるにいとおしまずにいられない、男の切なる想いとは?

★内容見本に付属の応募ハガキにて全巻ご予約・ご購入の方にはもれなく、小島信夫の魅力がいっぱいの小冊子『小島信夫の世界』(仮題、非売品)を進呈いたします。(2015年10月末日締切)。
★内容見本は全国の書店にて配布中です。小社へ直接ご請求いただく場合は、郵便切手82円分を同封の上、【〒112-0002 東京都文京区小石川2-10-1 水声社営業部・小島信夫係】までお願いいたします。

【次回配本】
⑤別れる理由Ⅱ 解説=佐々木敦 9000円+税

【小島信夫の本】
《小島信夫短篇集成》
①小銃/馬 解説=千石英世 8000円+税
②アメリカン・スクール/無限後退 解説=芳川泰久 8000円+税
③愛の完結/異郷の道化師 解説=堀江敏幸 8000円+税
④夫のいない部屋/弱い結婚 解説=平田俊子 8000円+税
⑤眼/階段のあがりはな 解説=いとうせいこう 6000円+税
⑥ハッピネス/女たち 解説=中村邦生 7000円+税
⑦月光/平安 解説=保坂和志 7000円+税
⑧暮坂/こよなく愛した 解説=千野帽子 8000円+税

《小島信夫批評集成》
①現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
②変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
③私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
④私の作家遍歴Ⅰ 解説=保坂和志 6000円+税
⑤私の作家遍歴Ⅱ 解説=宇野邦一 6000円+税
⑥私の作家遍歴Ⅲ 解説=阿部公彦 6000円+税
⑦そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
⑧漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税

小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税

未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信②/小島信夫を再読する 1000円+税

 

7月新刊:アルジェリアの闘うフェミニスト

2015年 7月 28日

アルジェリア 書影
アルジェリアの闘うフェミニスト
ハーリダ・メサウーディ(著) エリザベート・シェムラ(聞き手)
中島和子(訳)

判型:四六版上製
頁数:280頁
定価+税:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0123-7 Cコード:C 0036 好評発売中!
装幀者:宗利淳一

内容紹介:
「胸を張って立ち続けていること、それが大切なのです」――真の自由を、女性の権利を求めて立ち上がった、女性の証言。

若くしてフェミニズム運動に身を投じた闘士ハーリダ・メサウーディは、1993年、当時隆盛をきわめるイスラーム原理主義グループ、イスラーム救済戦線(FIS)から「死刑」宣告を受ける。命を狙われながら、なおも女性の権利を訴え続ける彼女を動かしたものとは、一体何なのか? 世俗主義と共和制への信念、日和見政権への批判、「家族法」なる女性の所有化への怒り、教育に忍び込むイデオロギーと横行するテロへの危惧、1988年10月の大規模デモから1992年の選挙中止の舞台裏……一個人の回顧録にして、時勢を色濃く写した、闘いの記録!

著者について:
ハーリダ・メサウーディ(Khalida Messaoudi)  1958年、アルジェリアのカビリア地方に生まれる。高等師範学校(アルジェ)で数学の修士号を取得。AITDF(女性の権利を勝ち取るための独立協会)を創設し、女性運動を推める。文化大臣(2002‐14)を務める。

役者について:
中島和子(なかじまかずこ)  1948年、兵庫県に生まれる。パリ第三大学修士課程修了。専攻、フランス文学・フランス文化。主な訳書に、フランソワ・カラデック『フランス児童文学史』(共訳、青山社、1994)、ファドマ・アムルシュ『カビリアの女たち』(水声社、2005)などがある。

目次:
プロローグ
第1章「もうけもの」の年月
第2章青春時代のイスラーム
第3章「内の内」の女たち
第4章ヴォルテールとアヴェロエスの娘
第5章家族法、恥辱の法
第6章ホメイニなんて知らない!
第7章混迷の教育現場
第8章1988年10月選挙を自問し続けて
第9章アルジェリアの爆弾
第10章FISの核にあるもの「性」
第11章選挙中止
第12章袋小路からの脱出は可能か?
エピローグ――アルジェリアのそれから

ハーリダ・メサウーディへの死刑宣告
用語解説
ハーリダ・メサウーディ略年譜

訳者あとがき

 

7月新刊:黒いロシア 白いロシア──アヴァンギャルドの記憶≪水声文庫≫

2015年 7月 28日

黒いロシア 書影
黒いロシア 白いロシア
アヴァンギャルドの記憶
武隈喜一(著)

判型:四六判上製
頁数:354頁
定価:3500円+税
ISBN:978−4−8010−0121−3 C0070 好評発売中!
装幀者:宗利淳一

内容紹介:

〈革命〉によって,芸術文化が華開いた〈白いロシア〉の背後には,政治的抑圧によって社会的混乱に陥った野蛮な〈黒いロシア〉があった。ロシア革命からペレストロイカ以降までの芸術と政治の光と影を対照的に描き上げた,斬新な芸術─革命論!


目次:
Ⅰ アヴァンギャルドの記憶
永遠なる綱渡りをめざして──ロシア・アヴァンギャルドの地平
民衆の創造力の復権に向けて──ロシア・アヴァンギャルド演劇の機能
民衆演劇とアジプロ劇──ロシア・アヴァンギャルド演劇の方法
「演劇の十月」再考
革命の街頭芸術──民衆芸術としてのロシア・アヴァンギャルド

Ⅱ ロシアフラグメント
アレクサンドル・ブロークの夏
予言の鳥「ガマユーン」は歌う──ブロークとクリューエフ
忘れられた詩人・歌手──アレクサンドル・ヴェルチンスキイについて
ロマンスの歴史の断片──ピョートル・レシチェンコについて
「黄色いバビロン」のロシア人
ドミトリイ・チョームキンと群集劇,西部劇
パガニーニの帽子──ある出会いの記録
パトロネージュの黄金時代──ロシア文化を支えた実業家たち
美術史の巨大な胃袋──エルミタージュ美術館

Ⅲ ペレストロイカの見た夢
ソ連における言論の自由とは何か──官僚主義と国家統制の中で
ソ連におけるエコロジー運動とは何か──繰り返しのきかない道
ソ連における「報道の客観性」とは何か──グラスノスチの二重の危機
グラスノスチはどこへ行くのか
インテリゲンチャはどこへ行くのか
メディアはどこへ行くのか
黒いロシア──世界の脅威としての

Ⅳ モスクワれとろすぺくてぃぶ
トーポリの舞うモスクワで
ガリツィアの小さな町で──ウクライナ民族主義について
キエフの坂道で
絵画の大ロシア主義──イリヤ・グラズノフについて
イーゴリとの対話──政治家と『プラウダ』について
聖者の帰還──モスクワのソルジェニツィン
露天の古本
頽廃の匂いの町──ウラジオストクにて
地下都市の秘密──ディッガーたちの下水道探検
バービエ・リェータの哲学散歩
アイスを片手に──土曜の午後の散歩
シベリアの冬──ウォッカと蒸し風呂
アボーシカおばさん──冬の風物詩から
アルバート通りの骨董屋
マースレニツァ──「光の春」のおとずれ
救世主寺院の再興──建都850年に向けて
新興宗教の時代──神秘主義と終末論
対独戦勝記念日──「勝利した民族に栄光あれ!」
復刻盛んな出版界
世紀末の画家〈ヴルーベリの間〉
〈10月19日〉と街の古本商
30年代の記憶──タトリンの墓、メイエルホリドの家
復活する旧地名──名前と記憶
詩人ニコライ・ルプツォフについて
女性詩人ヴィトゥフノフスカヤ事件について
アルマトィの街角で
「主よ、憐れみ給え」の声が
ブライトンビーチの波打ち際で
イヴァノヴォの女性たち
苛酷な時代の刻印──流しの本屋
古書オークション体験記
古書に憑かれた人びと
ショスターコヴィチの夕べ
「ボリス・ゴドゥノフ」註釈本の面白さ
プーシキン決闘の地──チョールナヤ・レーチカにて
任命された国民詩人──プーシキン生誕二百年祭
真冬の夢の館──〈マリインスキイ劇場〉の常連たち

引用文献
主要参考文献
初出一覧

あとがき

著者について:
武隈喜一(たけくま きいち)  1957年,東京都に生まれる。1980年,上智大学外国語学部ロシア語学科卒業,1982年、東京大学文学部露文科卒業。大学卒業後,出版社,通信社を経て,1992年からテレビ朝日に勤務。1994年から1999年,モスクワ支局長。2012年から2013年,北海道大学スラブ研究センター客員教授。
主な編訳書に,『ロシア・アヴァンギャルドⅡ 演劇の十月』(国書刊行会,1988),『ロシア・アヴァンギャルドⅠ 未来派の実験』(国書刊行会,1989,ともに共編)などがある。

関連書:
ロシア・アヴァンギャルドの映画と演劇/岩本憲児著/3000円+税
ロシア・アヴァンギャルドの世紀/江村公著/4000円+税
ロシア・アヴァンギャルド遊泳/大石雅彦著/3500円+税
危機の時代のポリフォニー/桑野隆著/3000円+税
ロトチェンコとソヴィエト文化の建設/河村彩著/6000円+税
ロシア・アヴァンギャルド小百科/タチヤナ・コトヴィチ著/桑野隆他訳/8000円+税
メイエルホリド 演劇の革命/エドワード・ブローン著/浦雅春,伊藤愉訳/5000円+税
モスクワ芸術座の人々/アナトーリー・スメリャンスキー著/木村妙子訳/3500円+税
日常と祝祭/アレクサンドル・プジコフ著/木村妙子訳/4000円+税
サーカスと革命/大島幹雄著/2800円+税

 

7月新刊:ロリア侯爵夫人の失踪《フィクションのエル・ドラード》

2015年 7月 28日

書影
ロリア侯爵夫人の失踪
ホセ・ドノソ(著)
寺尾 隆吉(訳)

判型:四六判上製
頁数:176頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-89176-957-4 C 0397 好評発売中!
装幀者:宗利淳一

内容紹介:
ドノソの小説はチリにとっての〈神々の黄昏〉だ。(フリオ・コルタサル)
ドノソのすべてがいつも最良の文学だった。(マリオ・バルガス・ジョサ)

“アイロニーに貫かれた官能的文体”
外交官の娘としてマドリードに来たブランカ・アリアスは、若くしてロリア侯爵と結婚する。若さ、富、美貌、すべてを備えた侯爵夫人に唯一欠けていたのは、夫との〈愛の達成〉だった。未亡人となりながらも快楽を追求し続け、さまざまな男性を経験するブランカにおとずれるものとは……!?
軽妙なタッチで人間の際限ない性欲を捉え、その秘められた破壊的魔力を艷やかながらもどこか歪に描き出す、ドノソ的官能小説!!

著者について:
ホセ・ドノソ(José Donoso)
1924年、チリのサンティアゴのブルジョア家庭に生まれる。1945年から46年までパタゴニアを放浪した後、1949年からプリンストン大学で英米文学を研究。帰国後、教鞭を取る傍ら創作に従事し、1958年、長編小説『戴冠』で成功を収める。1964年にチリを出国した後、約17年にわたって、メキシコ、アメリカ合衆国、ポルトガル、スペインの各地を転々としながら小説を書き続けた。1981年にピノチェト軍事政権下のチリに帰国、1990年には国民文学賞を受けた。1996年、サンティアゴにて没。代表作に、『夜のみだらな鳥』(1970、水声社より近刊)、
『別荘』(1978)、『絶望』(1986)などがある。

訳者について:
寺尾隆吉(てらおりゅうきち)  1971年、愛知県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著著には、『フィクションと証言の間で――現代ラテンアメリカにおける政治・社会動乱と小説創作』(松籟社、2007)、『魔術的リアリズム』(水声社、2012)、主な訳書には、ホセ・ドノソ『境界なき土地』(水声社、2013)、ホセ・ドノソ『別荘』(現代企画室、2014)などがある。

関連書:
《フィクションのエル・ドラード》(既刊=★)
襲撃 レイナルド・アレナス/山辺弦訳 
気まぐれニンフ ギジェルモ・カブレラ・インファンテ/山辺弦訳 
バロック協奏曲 アレホ・カルペンティエル/鼓直訳
時との戦い アレホ・カルペンティエル/鼓直訳
方法再説 アレホ・カルペンティエル/寺尾隆吉訳
対岸 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳  2000円+税(★)
八面体 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳  2200円+税(★)
境界なき土地 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳  2000円+税(★)
ロリア侯爵夫人の不思議な失踪 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳(★)
夜のみだらな鳥 ホセ・ドノソ/鼓直訳
ガラスの国境 カルロス・フエンテス/寺尾隆吉訳+税(★)
案内係 ほか傑作短篇集 フェリスベルト・エルナンデス/浜田和範訳
別れ フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳  2000円+税(★)
人工呼吸 リカルド・ピグリア/大西亮訳(次回配本予定!)
圧力とダイヤモンド ビルヒリオ・ピニェーラ/山辺弦訳
ただ影だけ セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳 2800円+税(★)
孤児 フアン・ホセ・サエール/寺尾隆吉訳  2200円+税(★)
傷跡 フアン・ホセ・サエール/大西亮訳
マイタの物語 マリオ・バルガス・ジョサ/寺尾隆吉訳
コスタグアナ秘史 フアン・ガブリエル・バスケス/久野量一訳
* タイトル、訳者は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。

 

7月の新刊:フリーアート

2015年 7月 28日

フリーアート
フリーアート
菅沼荘二郎

A5判並製
152頁+別丁カラー4頁
定価2000円+税
ISBN978-4-8010-0122-0 C0070 好評発売中!
装幀:齋藤久美子

禅の心でよむ現代芸術。
悠揚自在にアートする画家が親しんだヘンリー・ミラーの小説,ミラーに影響を与えたニーチェ,そしてジョン・ケージの現代音楽,ビートたけしの絵など現代芸術について禅の目で見,その心で縦横に語る。

目次
三宅島写生会のこと
 石川光寛さんのこと
 渡部弘喜のこと
「へなへな,ふにゃふにゃ」——アートへの東洋的思考
ヘンリー・ミラーのことなど
 ヘンリー・ミラーの話からニーチェへ
 ヘンリー・ミラーとニーチェ―—『臨済録』との比較
ビートたけしのことなど
 「ビートたけし展」を息子とも見に行く
 「ビートたけし展」で思うこと
日本美術の軽さと諧謔
本庄の寒山のこと
 フリーな生活者 Y
ジョン・ケージのことなど
現代の創作
あとがき

著者について
菅沼荘二郎(すがぬまそうじろう)  1938年,諏訪市に生まれる。1973年3月〜74年3月,パリに留学(この間,サロン・ドートンヌに出展)。1989年5月〜6月,ニューヨークに滞在。現在,絵画教室菅沼アトリエ主宰,東方学院講師(実技絵画)。1991年,鳥羽市立図書館(三重)1995年,CAST IRON GARALLEY (ソーホー,ニューヨーク),1997年,THE EMERGING COLLECTOR (イーストヴィレッジ,ニューヨーク)等,日本と米国の各地で個展。著書に『となり町の寒山』(水声社,2009)がある。

関連書
となり町の寒山 菅沼荘二郎 2000円+税
パラダイスの乞食たち アーヴィング・ステットナー 本田康典+三保子ステットナー訳 2500円+税
ヘンリー・ミラー・コレクション  編集=飛田茂雄+本田康典+松田憲次郎 全16巻(刊行中) 2500円〜5000円+税

 

7月新刊:ジョン・ケージ伝

2015年 6月 23日

ケージ書影
ジョン・ケージ伝 新たな挑戦の軌跡
ケネス・シルヴァーマン
柿沼敏江訳

判型:A5判上製
頁数:506頁
定価:5800円+税
ISBN978-4-8010-0094-0  C0073  好評発売中!
装幀者:宗利淳一

*本書は、論創社との共同による出版です。

内容紹介:
沈黙もまた音楽である……
音楽の概念を一変させてしまった、20世紀を代表する音楽家の、本邦初の伝記。

ケージはやはりとても巨大で、でも、ぼくにとっては、ナム・ジュン・パイクに連れられて行ったケージのペントハウスで、こっそりキッチンに忍び込み、例の茸が収納されている薬棚を目撃した日のことが、とても大事です。
——坂本龍一(音楽家)

現代音楽の父、キノコ博士、音楽に『易』を取り入れた男、スタインウェイにハンマーを投げ込んで弾いた男……ジョン・ケージとはいったい誰か? デュシャン、カニングハム、ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズ、オノ・ヨーコ、シェーンベルク、マクルーハン、バックミンスター・フラーなどとの華やかな交流とともに、ジョン・ケージの真の姿に迫る!

著者について:
ケネス・シルヴァーマン(Kenneth Silverman) 1936年生まれ。『アメリカ革命の文化史』のほか数冊の伝記を著しており、伝記作家として知られている。『コットン・マザーの人生とその時代』ではピュリッツァー賞とバンクロフト賞を受賞。またエドガー・アラン・ポーの伝記ではアメリカ探偵作家クラブのエドガー賞、『フーディーニ!!!』ではアメリカ奇術師協会のクリストファー文学賞を受賞。アメリカ文学アカデミーの特別会員。ニューヨーク大学英文学名誉教授。ニューヨーク在住。

訳者について:
柿沼敏江(かきぬまとしえ)  静岡県に生まれる。国立音楽大学、お茶の水女子大学大学院修士課程を経て、カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程修了(Ph.D.)。現在、京都市立芸術大学音楽学部教授。専攻、西洋音楽史。主な著訳書に、『アメリカ実験音楽は民族音楽だった』(フィルムアート、2005)、ジョン・ケージ『サイレンス』(水声社、1996)、アレックス・ロス『二十世紀を語る音楽』(みすず書房、2010)などがある。

関連書
ジョン・ケージ 柿沼敏江訳『サイレンス』 4000円+税
ダニエル・シャルル 岩佐鉄男訳『ジョン・ケージ』 4000円+税

 

6月新刊:変動期の画家

2015年 6月 23日

書影
変動期の画家
山口泰二(著)

判型:A5版
頁数:488頁
定価:5000円+税
ISBN:978−4−8010−0104−6 C0070 好評発売中!
発行:美術運動史研究会
発売:水声社

表現の自由が奪われた時代の画家たち
社会の状況と格闘しながら、絵画の可能性に挑んだ松本竣介、柳瀬正夢、永田一脩、小野忠重、鳥居敏文。絵と生活に刻まれた苦悩や喜びは社会と美術のかかわりを語る歴史の貴重な遺産である。

《私達若い画家が、実に困難な生活の中にゐて、なほ制作を中止しないといふことは、それが一歩一歩人間としての生成を意味してゐるからである。例え私が何事も完成しなかったとしても、正しい系譜の筋として生きるならば、やがて誰かがその意志を成就せしめるであらう。》…………松本竣介

内容紹介:
1920年代半ばから終戦前後にかけての抑圧的な社会のなかで、それに屈することなく、絵画の可能性を探究し続けた5人の画家たち。
彼らが貫いた精神と表現世界とは何か?
そこから生み出された絵画とは?

目次:
Ⅰ 松本竣介の思考

第一章 『線』と赤荳の時代
1 同人誌『線』
2 絵画の階級性論争
3 赤荳会と青年たちの境遇

第二章 時代の夜に現れた新星
1 戦時下に求めた絵画の理想──表現の特質
2 『線』から『雑記帳』へ──思考の熟成
3 構図、線、顔の探求を通じて──画風の転換
4 新人画会から焼け跡での模索へ──再建の希望

第三章 「生きてゐる画家」考
1 土方定一の評価
2 洲之内徹の異論
3 「生きてゐる画家」の再検討
4 戦争協力と《航空兵群》
5 美術報国会と終戦
6 一九四五年一〇月──松本竣介の戦後

〔補〕 作品解釈の新地平──長田謙一論文について

Ⅱ プロレタリア美術点景

第一章 柳瀬正夢ふたつの問題
1 モザイク点描と《果樹島園》
2 ジョージ・グロスの受容と評価

第二章 永田一脩とプロレタリア美術運動

第三章 小野忠重版画の起点

第四章 鳥居敏文の画業と足跡
1 初期作品と生い立ち
2 危機一髪のベルリン脱出
3 自由のパリから暗雲の日本へ
4 戦時絵画としての労働現場
5 長崎アトリエ村と池袋大空襲
6 新しいリアリズム

年譜1 松本竣介の造形展開
年譜2 松本竣介1940〜42年の詳細
年譜3 プロレタリア美術運動組織の推移

解題とあとがき


著者ついて:
山口泰二(やまぐちたいじ) 1939年生まれ。前橋市出身。新聞記者を経て美術運動史研究会を主宰。専攻、美術評論、近代美術史。
主な著書には、『アメリカ美術と国吉康雄』(日本放送出版協会、2004)、『中谷泰画集』(編・解説、美術の図書三好企画、2000)などがある。

関連書:
村山知義とクルト・シュヴィッタース/マルク・ダシー、松浦寿夫、白川昌夫、塚原史、田中純著/2500円+税
日本のダダ 1920-1970/白川昌夫編、テクスト=阿部良雄、中原佑介、針生一郎他/3800円+税

 

6月新刊:給料をあげてもらうために上司に近づく技術と方法 

2015年 6月 23日

ブログ上司書影
給料をあげてもらうために上司に近づく技術と方法 
ジョルジュ・ペレック 
桑田光平訳 

判型:四六判並製
頁数:155頁
定価:2000円+税
ISBN978-4-8010-0108-4  C0097  好評発売中!
装幀者:HOLON

内容紹介:
不透明な時代を生き抜くために
フランス文学の奇才が提案(?)する、ウリポ的昇給のススメ! 本邦初、フローチャート文学!?
い段ぬきの『煙滅』、480の思い出リスト『ぼくは思い出す』、チェスを応用して書かれた総勢1000人以上が登場する『人生 使用法』など、奇想天外な作品ばかり残した、ジョルジュ・ペレックによる、新・実用書?

著者について:
ジョルジュ・ペレック(Georges Perec)  1936年、パリに生まれ、1982年、同地に没した。小説家。1966年にレーモン・クノー率いる実験文学集団「ウリポ」に加わり、言語遊戯的作品の制作を行う。主な著書には、『煙滅』(1969。水声社、2010)、『Wあるいは子供の頃の思い出』(1975。水声社、2013)、『人生 使用法』(1978。水声社、1992)などがある。

訳者について:
桑田光平(くわだこうへい)   1974年、広島県府中市に生まれる。東京大学大学院博士課程満期退学。パリ第4大学文学博士。専攻、フランス文学・芸術論。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。主な著書に、『ロラン・バルト 偶発時へのまなざし』(水声社、2011)、『写真と文学』(共著、平凡社、2013)、主な訳書に、バルテュス+セミール・ゼキ『芸術と脳科学の対話』(青土社、2007)、『ロラン・バルト 中国ノート』(ちくま学芸文庫、2011)などがある。

【ペレックの作品】
家出の道筋/酒詰治男訳/2500円+税
煙滅/塩塚秀一郎訳/3200円+税
さまざまな空間/塩塚秀一郎訳/2500円+税
人生 使用法/酒詰治男訳/5000円+税
Wあるいは子供の頃の思い出』/酒詰治男訳/2800円+税
美術愛好家の陳列室/塩塚秀一郎訳/1500円+税
ぼくは思い出す/酒詰治男訳/2800円+税
水声通信6号《ジュルジュ・ペレック》/1000円+税
小誌 風の薔薇5号《ウリポの言語遊戯》/1500円+税

 

6月新刊:ロベール・デスノス――ラジオの詩人

2015年 6月 23日

書影
ロベール・デスノス――ラジオの詩人
小髙正行(著)

判型:四六判上製
頁数:276頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0107-7 C 0098 好評発売中!
装幀者:宗利淳一

〈声の詩人〉によるラジオ芸術の実践とは?

ラジオ番組・広告のうちに詩的実践をおこない、音声により集団的な〈夢〉をリスナーと共有することでラジオの可能性を切り開いた詩人デスノス。大衆に寄り添い、双方向的なコミュニケーションを可能にするこのメディアは詩人にとってシュルレアリスムの理想を体現していた……
20世紀マルチメディアの先駆をなし、番組・広告制作者としての詩人にスポットを当てる異色のモノグラフ。

目次:

はじめに

プロローグ――「最後の詩篇」
第1章  シュルレアリスムの詩人
第2章 二つの愛――イヴォンヌ・ジョルジュとユキ
第3章 ラジオとの出会い
第4章 大衆詩人とレジスタンス
エピローグ――本当の最後の詩

《補遺》 邦人芸術家とデスノス


ロベール・デスノス略年譜
参考文献

あとがき

著者について:
小髙正行(おだかまさゆき)  1952年、千葉県生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、エフエム東京(TOKYO FM)入社。制作、報道などに携わる。ドキュメンタリー番組の取材・演出で日本民間放送連盟賞/報道部門優秀賞(1987)、企画・制作で同賞/報道部門優秀賞およびギャラクシー賞奨励賞を受賞(1998)。エフエム東京退社後、東京大学大学院人文社会系研究科修士課程に入学。2013年、同大学院修士課程修了。

関連書:
シャルル・クロ 詩人にして科学者——詩・蓄音機・色彩写真/福田裕大 著 4500円+税
アントナン・アルトー 自我の変容——〈思考の不可能性〉から〈詩への反抗〉へ/熊木淳 著 5000円+税
イヴ・タンギー――アーチの増殖/長尾天 著 5000円+税
シュルレアリスム、あるいは作動するエニグマ/J・シェニウー=ジャンドロン 5000円+税

 

6月新刊:詩とイメージ――マラルメ以降のテクストとイメージ

2015年 6月 23日

書影
詩とイメージ――マラルメ以降のテクストとイメージ

マリアンヌ・シモン=及川(編)

(執筆者)
三浦篤
エレーヌ・カンペニョール=カテル
ガエル・テヴァル
鈴木雅雄
谷口円香
セルジュ・リナレス
千葉文夫
塚本昌則
キャロル・オルエ

判型:A5上製
頁数:256頁
定価:4000円+税
ISBN 4-8010-0101-5 C 0090 好評発売中!
装幀者:西山孝司

テクストとイメージが切り開く創造空間とはなにか?

西欧において古代より深い関係を保ってきた詩と美術の関係は、19世紀フランスに出現した詩人マラルメによって決定的に刷新される。書物/挿絵/タイポグラフィー/視覚詩において記念碑的な作品を生み出した詩人の影響のもと、〈詩とイメージ〉の関係は現代までどのように多様化してきたのか。日仏の研究者たちがその本質を究明する。

目次:

まえがき

第Ⅰ部 イメージの世界、詩の世界——本という媒体の変貌
三浦篤/マネとマラルメ――絵画と詩の共鳴
エレーヌ・カンペニョール=カテル/書物の歌——詩集の変容

第Ⅱ部 詩集の中のイメージ
マリアンヌ・シモン=及川/ピエール・アルベール=ビロー――詩集に書かれたイメージ
ガエル・テヴァル/ジャン=フランソワ・ボリーの視覚詩における活字のコラージュと本のレディ・メイド

第Ⅲ部 イメージを詩にする――挿絵の多様性
鈴木雅雄/読めないテクスト、見えない書物——ゲラシム・ルカの視覚的実験
谷口円香/ランボーの『イリュミナシオン』とキュビスム――ロジェ・ド・ラ・フレネの「『イリュミナシオン』のための習作」について

第Ⅳ部 ピカソという巨人
セルジュ・リナレス/詩の挿絵画家ピカソ
千葉文夫/ミシェル・レリスの肖像

第Ⅴ部 イメージを考える、イメージと遊ぶ詩人
塚本昌則/ヴァレリーと写真
キャロル・オルエ/ジャック・プレヴェールと静止したイメージ

編者/執筆者/訳者について――:

マリアンヌ・シモン=及川(Marianne Simon-Oikawa) 1969年、マルセイユ生まれ。東京大学大学院准教授。専攻、フランスと日本におけるテクストとイメージの関係。編著に『絵を書く』(水声社、2012)などがある。

三浦篤(みうらあつし) 1957年、島根県生まれ。東京大学大学院教授。専攻、西洋近代美術史。
エレーヌ・カンペニョール=カテル(Hélène Campaignolle-Catel) 1972年生まれ。CNRS研究員。エクリチュールとその媒体、およびイメージの関係を研究。
ガエル・テヴァル(Gaëlle Théval) 1980年生まれ。パリ第3大学「現代性のエクリチュール(THALIM)」研究所研究員。専攻、現代詩。
鈴木雅雄(すずきまさお) 1962年、東京生まれ。早稲田大学教授。専攻、シュルレアリスム。
谷口円香(たにぐちまどか) 1979年、滋賀県生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。専攻、フランス近代詩。
セルジュ・リナレス(Serge Linarès) 1968年生まれ。ヴェルサイユ大学教授。専攻、ジャン・コクトー、およびフランス20世紀文学。
千葉文夫(ちばふみお) 1949年、北海道生まれ。早稲田大学教授。専攻、20世紀フランス文学、およびイメージ研究。
塚本昌則(つかもとまさのり) 1959年、秋田県生まれ。東京大学大学院教授。専攻、フランス近代文学。
キャロル・オルエ(Carole Aurouet) 1973年生まれ。パリ・エスト大学准教授。専攻、プレヴェール、およびフランス20世紀文学。

鈴木隆美(すずきたかみ) 1976年、東京生まれ。福岡大学准教授。専攻、19、20世紀フランス文学、比較文学。
畠山達(はたけやまとおる) 1975年、シンガポール生まれ。明治学院大学准教授。専攻、ボードレールの詩学、フランス教育史。

関連書:
絵を書く マリアンヌ・シモン=及川編 4000円+税

 

6月新刊:ジョイスをめぐる冒険

2015年 6月 23日

こじま002
ジョイスをめぐる冒険
夏目博明(著)

判型:A5判上製
頁数:307頁
定価:4000円+税
ISBN:978−4−8010−0102−2 C0090 好評発売中!
装幀者:齊藤久美子


内容紹介:
ジョイスに挑む。
アリュージョンを手がかりにテクストの成り立ちを探り、仕組まれたトリックをかいくぐり、『ユリシーズ』を読みとく。さまざまな批評理論を駆使し、アイルランドの歴史、経済にも論及する。ジョイス研究の新たな方位をさぐる試み。


目次:
序論 ジョイス・インダストリーの流れのなかで
第1章 『ユリシーズ』を読む
1  分立の調べ
2  ブルームの受難の構図——テクスト世界からの脅威
3  内的アリュージョン―—テクスト形成の原理
4 《ナウシカア》をめぐる全体と部分
5  海辺の娘ガーティ
6 《イタケ》の語りを語る語り
7 『ユリシーズ』批評の未来
第2章 ジョイスと批評理論
     1 ジェイムズ・ジョイスにおける「主体」の問題
     2 ディコンストラクション批評——デリダのジョイス、ジョイスのデリダ
     3『ユリシーズ』のなかの読者
     4『ユリシーズ』批評(1)——モリーの出自
     5『ユリシーズ』批評(2)——モリー像の変遷
     6 ふしだらな女が精神分析を受けると―—ジョイスとジェンダー
7 1904年ダブリン物語——モリーをめぐる物語
8  モダニズムという制度
9 『フィネガンズ・ウェイク』のナゾ謎々
第3章 ジョイスとアイルランド
     1 ヒベルニアとしてのアイルランド―—ガーティと「市民」 
     2 「姉妹」におけるタイトルと語り
     3「レースの後で」の時代と背景
     4 死者が近づく夜——ケルト文化から読む「土」
     5 ジョイスのダブリン
     6 レオポルド・ブルームノ経済事情

解題  結城英雄+吉川信+山田久美子
あとがき  夏目康子

著者について:
夏目博明(なつめひろあき) 1954年生まれ。2011年没す。一橋大学法学部卒業、筑波大学大学院博士課程イギリス文学専攻満期退学。青山学院大学名誉教授。専攻、ジェイムズ・ジョイス、アイリッシュ・アメリカン、批評理論。主な著書に、『文学の受容』(共著、研究社、1985)、『辺境のマイノリティ』(共著、英宝社、2002)、『亡霊のイギリス文学』(共著、国文社、2012)、主な訳書に、A・J・マッケナ『暴力と差異』(法政大学出版局、1997)、A・N・ファーグノリ他『ジェイムズ・ジョイス事典』(共訳、松柏社、1997)などがある。

関連書:
『ユリシーズ』と我ら―—日常生活の芸術/デクラン・カイバート著/坂内太訳/5000円+税
ジョイスとめぐるオペラ劇場/宮田恭子著/4000円+税

 

6月新刊:ジョイスとめぐるオペラ劇場《水声文庫》

2015年 6月 23日

こじま003
ジョイスとめぐるオペラ劇場
宮田恭子(著)

判型:四六判上製
頁数:333頁
定価:4000円+税
ISBN:978−4−8010−0100−8 C0090 好評発売中!
装幀者: 宗利淳一

内容紹介:
ジョイスにとって《歌に高められた人間の声は、最高にして最も清らかな音楽の顕現》であった。テノールの歌手としても存在感をしめしたジョイスがいかにオペラの歌詞をわがものとし、『ユリシーズ』『フィネガンズ・ウェイク』に反映させたか。
14のオペラを通してジョイスを考え、ジョイスを通してオペラを語る。

目次:
まえがき
第1部 ジョイスとオペラ
第2部 ジョイスと個々のオペラ作品
1 モンテヴェルディ『オルフェオ』 葬送の歌
2 モンテヴェルディ『ポッペアの戴冠』 愛欲の見本図
3 モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』 カタログの歌
4 モーツァルト『魔笛』 フリーメイソン
5 ベッリーニ『夢遊病の娘』 「すべては失われ」
6 ベッリーニ『ノルマ』 「清らかな女神」
7 ドニゼッティ『愛の妙薬』 媚薬の効用
8 ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』 狂乱の娘
9 フロトー『マルタ』 「夢のように」
10 ヴェルディ『ナブッコ』 祖国愛
11 ヴェルディ『椿姫』 再生への願望
12 ワグナー『トリスタンとイゾルデ』 愛の死
13 プッチーニ『トゥーランドット』 謎かけ花嫁
14 シュトラウス『サロメ』 七つのベールの踊り


テキスト・主要参考文献
あとがき


著者について:
宮田恭子(みやたきょうこ) 1934年、石川県に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化修士課程修了。元玉川大学教授。主な著書に『ウルフの部屋』(1992)、『ジョイスと中世文化』(2009)、『ルチア・ジョイスを求めて』(2011、いずれも、みすず書房)、おもな訳書にS・ジョイス『兄の番人——若き日のジェイムズ・ジョイス』(1993)、R・エルマン『ジェイムズ・ジョイス伝1・2』(1996、いずれも、みすず書房)、J・ジョイス『抄訳 フィネガンズ・ウェイク』(2004、集英社)等がある。

関連書:
『ユリシーズ』と我ら―—日常生活の芸術/デクラン・カイバート著/坂内太訳/5000円+税
ジョイスをめぐる冒険/夏目博明著/4000円+税

 

5月新刊:綺想の風土 あおもり

2015年 6月 23日

綺想の風土
綺想の風土 あおもり
黒岩恭介(著)

判型:A5判上製
頁数:247頁
定価:3500円+税
ISBN:978−4−8010-0103-9 C0070 好評発売中!
装幀者:宗利淳一

内容紹介:
青森に生まれ、異彩を放った芸術家や作家たち。
青森県近代文学館の館長を務めた著者が、彼らの残した作品に直に触れることによって得た、新たな発見や豊かな経験について丹念につづった批評、エッセイを集成。

目次:
第一章 津軽綺想の源流 建部綾足
第二章 近代ジャーナリズムの先駆者 陸羯南とその周辺
第三章 陸奥の詩人 菊岡久利
第四章 昭和を生きた青森の異才たち
第五章 棟方・太宰・寺山
第六章 青森で出会ったアーティストたち
第七章 あおもりあれこれ

著者について:
黒岩恭介(くろいわきょうすけ) 1950年、福岡県に生まれる。東京大学文学部美学藝術学科卒業。北九州市立美術館学芸員、青森県美術館整備・芸術パーク構想推進室整備推進監、青森県近代文学館館長を経て、現在、九州造形短期大学学長。主な著書に、『黒の迷宮から』(アキラ イケダ ギャラリー、2009)、『発見する力』(水声社、2010)、『ロマン・オパルカ 無限への歩み』(アキラ イケダ ギャラリー、2014)、共著に、『ジャクソン・ポロック』(講談社、1994)、共訳書に、フランク・ステラ『ワーキング・スペース』(福武書店、1989)、などがある。

関連書:
発見する力/黒岩恭介/4000円+税

 

5月新刊:ぼくは思い出す《フィクションの楽しみ》

2015年 5月 15日

ぼくは思い出す
ぼくは思い出す  
ジョルジュ・ペレック(著)  
酒詰治男(訳)

判型:四六判上製
頁数:291頁
定価:2800円+税
ISBN:978−4−8010-0095-7 C0097 好評発売中!
装幀者:宗利淳一

内容紹介:
ジョー・ブレイナード『ぼくは覚えている』に想を得て、四八〇の「忘れられた、どうでもいい凡庸な思い出」を列挙しつづける、言語遊戯の作家ならではの「記憶」をめぐる奇妙な試み。
戦後から六〇年代にかけてのフランス版枕草子!?

著者について:
ジョルジュ・ペレック(Georges Perec)  1936年、パリに生まれ、1982年、同地に没した。小説家。1966年にレーモン・クノー率いる実験文学集団「ウリポ」に加わり、言語遊戯的作品の制作を行う。主な著書には、『煙滅』(1969。水声社、2010)、『Wあるいは子供の頃の思い出』(1975。水声社、2013)、『人生 使用法』(1978。水声社、1992)などがある。

訳者について:
酒詰治男(さかづめはるお) 1944年、東京に生まれる。甲南女子大学文学部名誉教授。専攻フランス文学。主な著書に、『文学をいかに語るか』(共著、 新曜社、1996)、主な訳書に、ペレック『人生 使用法』(水声社、1992/2013)、ペレック『家出の道筋』(水声社、2011)、ペレック『Wあるいは子供の頃の思い出』(水声社、2013)などがある。

関連書:
【ペレックの作品】
家出の道筋/酒詰治男訳/2500円+税
煙滅/塩塚秀一郎訳/3200円+税
さまざまな空間/塩塚秀一郎訳/2500円+税
人生 使用法/酒詰治男訳/5000円+税
Wあるいは子供の頃の思い出』/酒詰治男訳/2800円+税
美術愛好家の陳列室/塩塚秀一郎訳/1500円+税
水声通信6号《ジュルジュ・ペレック》/1000円+税
小誌 風の薔薇5号《ウリポの言語遊戯》/1500円+税

 

5月新刊:中村真一郎手帖⑩

2015年 5月 15日

中村手帖10
中村真一郎手帖⑩
中村真一郎の会(編)
判型:A5判並製
頁数:88頁
定価:1000円+税
ISBN978-4-8010-0098-8 C0091 好評発売中!
装幀者:齋藤久美子

内容紹介:
日本語による定型押韻詩によって詩の革命を目指した若き詩人たち=〈マチネ・ポエティク〉を特集。その他、中村真一郎の人と作品を美術という側面から照射する講演や、論考、エッセイなどを多数収録する、中村真一郎研究の最前線。

目次:
中村真一郎と〈マチネ・ポエティク〉のこと 清水徹
『マチネ・ポエティク詩集』とその時代 安藤元雄
〈マチネ・ポエティク〉における押韻 菅野昭正
『マチネ・ポエティク詩集』 池内輝雄
中村真一郎と堀辰雄 影山恒男
ミメーシスと継承 鳥山玲
父、真一郎の思い出 Sr. ムジカ 中村香織
中村真一郎に甦るネルヴァル――女優の問題(4) 小林宣之
豪徳寺二丁目猫屋敷(9) 木島佐一
近況/短信/趣意書/会則

関連書:
【中村真一郎手帖】
*各界の論者による評論やエッセイなどを収める、中村真一郎研究の最前線
*①号〜⑩号まで刊(毎年5月刊)
*定価1000円+税(⑧号のみ1500円+税)

【中村真一郎の本】
小説構想への試み/2800円+税
続・小説構想への試み/4000円+税
中村真一郎 青春日記/池内輝雄・傳馬義澄編/5000円+税
城北綺譚/解説=菅野昭正/1800円+税
日本古典にみる性と愛/解説=沓掛良彦/2500円+税
全ての人は過ぎて行く/解説=飯島耕一/3000円+税

戦後文学の旗手 中村真一郎/鈴木貞美/2500円+税

 

4月の新刊:〈冒険〉としての小説

2015年 4月 28日

ピクチャ 1
〈冒険〉としての小説――ロマネスクをめぐって
赤羽研三(著)

4/6判上製
416頁
定価4,000円+税
ISBN 978-4-8010-0086-5 C0098  好評発売中!
装幀:西山孝司


生の強度として体験される〈冒険〉とは何か?


バフチン、ルカーチ、ジュネットらの物語論を踏まえ、語り/読み/登場人物における〈冒険〉から小説一般の理論を究明し、19世紀以降の小説(スティーヴンスン、ポー、フロベール、ラディゲ、カミュ)を題材に、多様なジャンルにおける〈冒険〉の諸相に肉薄する。

《本書の狙いは、小説のもつ冒険の側面を明らかにすることである。それでは、この場合の冒険とはいったい何なのか、小説における冒険とはどういう意味をもつのか。(……)読み手は小説を読むことによって、冒険というかたちで生を体験するのである。そしてまさにここにこそ小説を読む面白さ、醍醐味があるのではないか。》(本書より)

目次

はじめに
第1章 ロマネスク
第2章 冒険の様々なかたち
第3章 語りと読み手の冒険
第4章 物語の発生と進行
第5章 状況の設定と人物の行動
第6章 因果性と「思いがけなさ」
第7章 リアルとアクチュアル
第8章 状況の流動性と主体の変容
第9章 小説の締めくくり方
第10章 冒険小説における冒険とその不可能性――コンラッド『ロード・ジム』
第11章 恋愛における冒険――ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』
第12章 新たな冒険の可能性――カミュ『異邦人』
おわりに


あとがき


【著者について】
赤羽研三(あかばけんぞう)  1949年、東京生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、上智大学教授。専攻、現代フランス思想・詩学。主な著書に、『言葉と意味について考える Ⅰ/Ⅱ』(夏目書房、1997年)、『危機のなかの文学』(共著、水声社、2010年)、主な訳書に、ジュリア・クリステヴァ『ポリローグ』(共訳、白水社、1986年)、ミシェル・フーコー『考古学と系譜学』(共訳、新評論、1992年)、サラ・コフマン『芸術の幼年期』(水声社、1994年)などがある。

[関連書](価格税別)
物語のディスクール G・ジュネット/花輪光・和泉涼一訳 5000円
ナラトロジー入門――プロップからジュネットまでの物語論 橋本陽介 2800円
小説の楽しみ 小島信夫 1500円

 

4月の新刊:小島信夫短篇集成⑦ 月光/平安

2015年 4月 28日

小島短篇7カバ
小島信夫短篇集成⑦ 月光/平安
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=保坂和志
月報=春日武彦・平井杏子・佐々木敦

A5判上製
567頁
定価7000円+税
ISBN978-4-8010-0067-4 C0393 好評発売中!
装幀:西山孝司

小島さんはいつも小説のことを考えていた、小説のことばかり考えていた、その一方で小島さんは何も考えてはいなかった、本人の口から聞いた話ではいつも締切りギリギリに一晩で書いた、短篇といっても60枚か70枚あるものを一晩で書けただろうか? 一晩は極端としてもたぶん二晩で書いたんだろう。三晩ということはなかったんじゃないか。(保坂和志「解説」より)

小島信夫の全短篇を網羅するシリーズ、最終配本。
小島文学はとうとう新境地へ。愛妻との生活、別荘での日々、友人たちとの対話、芸術への思索、人智を超えたものへの関心、過去と現在、忘却と啓示――あらゆる記憶/思惟/時間が小説の〈いま・ここ〉へと流れこみ、混濁と錯綜のうちに新たな小説世界が拓かれてゆく……。
単行本未収録作品「すばらしい一日」「黒い砂」「六月の風」「ピクチュア・ハット」「対談のことから」をふくむ、全22篇(1982〜1989)を収録。
*内容見本呈。ご請求ください。


目次

月光
青衣
蜻蛉
合掌
高砂
再生
白昼夢
すばらしい一日
肖像
戦友会
マリフ
予兆
平安
浅き夢
黒い砂
日光
落花の舞
六月の風
ピクチュア・ハット
ブルーノ・タウトの椅子
湖の中の小さな島
対談のことから

解題 柿谷浩一
奥義はいまもわからない 保坂和志


【小島信夫の本】
《小島信夫短篇集成》【全巻完結】
①小銃/馬 解説=千石英世 8000円+税
②アメリカン・スクール/無限後退 解説=芳川泰久 8000円+税
③愛の完結/異郷の道化師 解説=堀江敏幸 8000円+税
④夫のいない部屋/弱い結婚 解説=平田俊子 8000円+税
⑤眼/階段のあがりはな 解説=いとうせいこう 6000円+税
⑥ハッピネス/女たち 解説=中村邦生  7000円+税
⑦月光/平安 解説=保坂和志 7000円+税
⑧暮坂/こよなく愛した 解説=千野帽子 8000円+税
★全巻セット定価=60000円+税

《小島信夫批評集成》
①現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
②変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
③私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
④私の作家遍歴Ⅰ 解説=保坂和志 6000円+税
⑤私の作家遍歴Ⅱ 解説=宇野邦一 6000円+税
⑥私の作家遍歴Ⅲ 解説=阿部公彦 6000円+税
⑦そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
⑧漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税
★全巻セット定価=60000円+税

小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税

未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信②/小島信夫を再読する 1000円+税

 

4月の新刊:高松次郎 制作の軌跡

2015年 4月 28日

見積書004
高松次郎 制作の軌跡
国立国際美術館編

B5版変形
224頁
定価
3500円+税
ISBN978-4-8010-0093-3 C0070 好評発売中!
装幀:宗利淳一

1960年代から日本の現代美術を牽引した美術家の活動を、「点」「影」
「遠近法」「単体」「複合体」「平面上の空間」「形」といったテーマにそって、絵画、版画、立体作品、写真、とりわけ残された多数のドローイングを詳細に読み解くことによって考察する。言葉とものの関係を問い続けた高松の思考の推移を探る。
2015年4月7日から7月5日まで国立国際美術館(大阪)で開催中の「高松次郎 制作の軌跡」展の公式図録。400点以上の作品をカラー図版で収録。


目次
序 高松次郎の仕事  山梨俊夫
高松次郎の全体像:ドローイングと装幀・挿画の仕事を交えて、年代順に
 中西博之
作品図版
内法の無限性  松浦寿夫
高松次郎とアンフォルメル以後の抽象絵画  野田吉郎
高松次郎を斜めから見る 沢山遼
出品作品リスト
展覧会歴
主要文献

テキスト執筆者について
松浦寿夫 画家、東京外国語大学教授
野田吉郎 東京文化財研究所研究補佐員
沢山遼 美術批評家
中西博之 国立国際美術館主任研究員

関連書
世界拡大計画 高松次郎 4000円+税
不在への問い 高松次郎 4500円+税
高松次郎 言葉ともの 光田由里 3000円+税
高松次郎を読む 真武真喜子、神山亮子、沢山遼、野田吉郎、森啓輔=編
 4000円+税

 

4月の新刊:ポストメディア人類学に向けて 集合的知性 《批評の小径》

2015年 4月 28日

ポストメディア人類学に向けて
ポストメディア人類学に向けて 集合的知性
ピエール・レヴィ(著)
米山優(訳)
清水高志(訳)
曽我千亜紀(訳)
井上寛雄(訳)


判型:四六判上製
頁数:362頁
定価:4000円+税
ISBN:978−4−8010−0090−2 Ç0010 好評発売中!
装幀者: 宗利淳一


内容紹介:
実現されるべき未来――

人類学的スケールの視野をもって,21世紀におけるポストメディア時代の到来を予感させる,マーシャル・マクルーハンの「メディア論」以降,最高の情報哲学の書。


目次:

プロローグ――ノマドの惑星
 イントロダクション

第一部 社会的な絆の工学
 第一章 義(ただ)しき者たち――集合的知性の倫理学
 第二章 人間の質――集合的知性の経済
 第三章 モル的なものから分子的なものへ――集合的知性のテクノロジー
 第四章 知的都市の活動力――分子的政治のためのマニフェスト
 第五章 天使的な身体の舞踊術――集合的知性の無神学
 第六章 サイバースペースにおける芸術とアーキテクチャ――集合的知性の美学

第二部 《智慧の空間》
 第七章 四つの空間
 第八章 人類学的空間とは何か?
 第九章 アイデンティティ
 第十章 記号論
 第十一章 空間と時間の形象
 第十二章 航海の道具
 第十三章 知識の対象
 第十四章 認識論
 第十五章 諸空間の関係――政治哲学に向けて

エピローグ――クノッソスへの旅


解題(清水高志)
訳者あとがき



著者・訳者紹介:
ピエール・レヴィ(Pierre Lévy) 1956年,チュニジアのチュニスに生まれる。哲学者。ミシェル・セールに師事。フランス国立工芸技術院で情報工学を学び,グルノーブル大学で情報とコミュニケーション科学の博士号を取得。主な著書に,『ヴァーチャルとは何か?』(昭和堂,2006)などがある。

米山優(よねやままさる) 1952年,東京都に生まれる。名古屋大学大学院情報科学研究科教授(専攻,哲学・情報学)。主な著書に,『情報学の展開』(昭和堂,2011)などがある。
清水高志(しみずたかし) 1967年,愛知県に生まれる。東洋大学総合情報学部総合情報学科准教授(専攻,哲学・情報創造論)。主な著書に,『ミシェル・セール』(白水社,2013)などがある。
曽我千亜紀(そがちあき) 1973年,愛知県に生まれる。大阪産業大学人間環境学部准教授(専攻,哲学・情報社会論)。主な共訳書に,『デカルト全書簡集 第一巻』(知泉書館、2012)などがある。
井上寛雄(いのうえひろお) 1975年、広島県に生まれる。中京大学非常勤講師(専攻,哲学・情報創造論)。主な共訳書に,ピエール・レヴィ『ヴァーチャルとは何か?』などがある。

 

4月の新刊:シュルレアリスム,あるいは作動するエニグマ

2015年 4月 28日

無題
シュルレアリスム,あるいは作動するエニグマ
ジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロン 著
齊藤哲也 編
鈴木雅雄 ほか訳

A5判上製
376頁
定価=5000円+税
ISBN978−4−8010−0097−1 C0070 好評発売中!
装幀者=宗利淳一

シュルレアリスムは演出し,操作する。

アヴァンギャルドからも,モダニズムからも,逸脱してみせたシュルレアリスムは何をもって我々を誘惑゠挑発し続けているのだろうか。現実と表象が〈痙攣的〉に邂逅し,常に謎を作動させるディスクールを巧緻に読み解く,シュルレアリスム研究の泰斗の足跡。

【目次】
序――腐植土あるいは耕地としての言語
1 フランスにおけるシュルレアリスムの複数の斜面と複数のヴァージョン
2 おしゃべりと驚異――シュルレアリスム再考
3 非知としての未開状態から絶対知としての痙攣へ
4 雑誌の美学のために――『VVV』誌のシュルレアリスム的なページ,『ヴュー』誌によるシュルレアリスム的なページの消費
5 シュルレアリスムの領域における「もう一方の世界」,世界と言語の裏側
6 シュルレアリスムにおけるレトリックと神話的エクリチュール
7 シュルレアリスムにおける女性形のエクリチュールについて
8 交差するまなざし シュルレアリスムの提示/表象――雑誌をおもな舞台として
9 アンドレ・ブルトンの「他者」,ジャック・ラカン
10 ブルトン,アレント――政治的立場,あるいは政治的責任と思想?
編者あとがき

【著者/編者】
ジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロン(Jacquline Chénieux-Gendron)  1939年,フランスのトゥーレーヌ生まれ。元フランス国立科学研究所(CNRS)主任研究員。専攻,シュルレアリスム研究。著書にLe Surréalisme et le roman(L’Age d’homme, 1983),『シュルレアリスム』(星埜守之・鈴木雅雄訳,人文書院,1997年)などがある。

齊藤哲也(さいとうてつや)  1976年,北海道生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在,明治学院大学准教授。専攻,シュルレアリスム研究。著書に『零度のシュルレアリスム』(水声社,2011年),『ヴォルフガング・パーレン――幻視する横断者』(水声社,2013年)などがある。

【関連書】
零度のシュルレアリスム/齊藤哲也/2500円+税
シュルレアリスム美術を語るために/鈴木雅雄+林道郎/2800円+税

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この度、著者のジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロン氏が来日され、講演会が以下のように行われました。

★2015年4月21日(火) 18:00〜19:30
場所:東京大学 本郷キャンパス 法文1号館3階317教室
題目:「つぶやきとしての声か、言葉のあり方としての声か:ある主体の構造について ――ブルトン、フロイト、ヴァレリー」
(入場無料・予約不要・同時通訳なし)

★2015年4月24日(金) 18:00~
場所:早稲田大学 戸山キャンパス 39号館6階第7会議室
題目:「形態と不定形の弁証法は〈美学〉として成り立ちうるか? ――ダリ、マッソン、エルンスト」
(入場無料・予約不要・同時通訳なし)